初めての人狼デスゲーム 裏話
人は一歩一歩、失敗を糧にして進んでいきます。
次話掲載は未定です。
「主人様、いかがいたしますか」
白い煙が消えた後、防塵マスクを取りながら瓶升太は主人へと指示を仰ぐ。
「いやー、ルールの不備だね。まさかゲームが始まる前に終わるとは思わなかったよ」
返って来る声は感心しきっていた。
「ちょっと待ってね、なるほどその2人は兄妹で兄は9人道連れ、妹に全額ってことね。親愛?そういうのも考えないとゲームにならないのかな。そうだね、じゃあ今回の沙汰だけど、ルールの穴を突いたお兄ちゃんの勝ちってことにしよう。他の9人は、確かどっかの研究が人欲しがってたからそっちに回しちゃって」
2人を元の生活へと戻し、9人がモルモットに決定となった。今回は2名に1人頭5500万円が送られる。2人は家族のため1億丸々もらったようなものだが。
「やっぱさ、こういうのってやってみないと分からないことあるからね。この失敗を活かして次に繋げよう」
いつか立派な人狼デスゲームが開催できる日を目指して、足踏みしている暇などない。今回失敗したなら次頑張ればいい。元より人狼ゲームは繰り返し行われるものなのだ。
「次の11人、よろしくね」
それだけ言って通信が切れる。
升太は各所へ連絡し、眠っている11人の処理と新しい11人を向かいいれなければならない。白粉に塗れた朝食を作ってくれたコックに心の中で謝罪しつつ、足元の顔が腫れ歯が折れ血を流した男を椅子に座らせるのだった。
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