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短編とかその他

赤姫は笑わない

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/08/03



 姫は国を守らなければならない存在。


 姫は民を守らなけばならない存在。


 超常的な力が引き起こした未曽有の災害。


 忌避すべきだった災いで引き裂かれていく国を見ながら、姫はそう言われていた。


 雷がなりひびき、地面が割れ砕け、火柱が立ち上り、大水が流れ込むその国を見ながら。そう言われていた。


 だから、姫は強く在ろうと心がける。


 いつかその国が再び、一つの平和な形になるその時まで。


 そして、心に、魔法で鍵をかける。





 どこかの国に、赤姫という少女がいた。


 その少女は、真っ赤な色の似合う少女だった。


 赤姫は、自分の目的に真っすぐだった。


 他の何を犠牲にしても、目的を遂行するという力強い意志を持っていた。


 だからその固い、固い意思を有した赤姫は。


 そんな強い心の持ち主である赤姫は。


 決して何があっても、笑わない。


 笑った顔にすることはできるけれど、心を笑わせる事はできない。


 感情を波立たせる事はない。


 赤姫の心は、静かに凪いでいた。


 心と言う湖面の表面に、波紋一つ、姿を見せない。


 赤姫は、燃えるような真っ赤な衣装に身を包んでいても、その心は静寂に満ちたまま。


 身に着ける真っ赤な衣装のイメージとは逆に、どこかでも冷徹であるのが赤姫の心の形だった。


 なぜなら。


 それは。


 感情に起伏があると、目的達成の障害になるからだった。


 バラバラに砕けた国を元に戻すのは繊細な作業。


 焦りは不安は邪魔に死からならない。


 不要なもの。


 だから赤姫は、感情を動かさない。


 己の中にある、灼熱のような真っ赤な情熱が力になると知っていても、そのリスクを無視できない。


 そのため赤姫は、目的を達成するその日まで笑う事はないだろう。


 大切な、大切な己の目的を果たすために。




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