1.祈り
最近ふと思うことがある。
異世界転生、転移、その他もろもろ。そんな夢物語みたいな本が世に出回って、大体の本がライトノベルというジャンルで売られるようになってからかなりの時が過ぎた。
昔のことなどあまり知らないが、「異世界」という言葉が浸透してから10年ぐらいは立ったのではなかろうか。
知らない言葉が通じるようになるほど影響力を持つ、このジャンルに人々は熱中していたのだ。
俺も例外ではない。夢物語にはまって、読みふけっていた。
ランキング上位の奴らは軒並み読みつくしたし、友たちにお勧めしたりもしていたんだが、そこでふと気が付いてしまったのだ。
異世界って過酷じゃん………っと。
いやいや、最初っから魔物に襲われる?そんな人たちを助ける?町にドラゴンが襲ってくる?勢力抗争に巻き込まれる?魔王を倒す?そしてなんやかんやあってハーレム作ってハッピーエンド?
いやいやいや、俺だったら1000回は死んでる、と。
別に異世界ものの否定をしたいわけじゃない。
というか、一切の否定もしていない。
前にも言った通り、俺は異世界系の本が大大大好きである。
もちろん、スローライフのようなのんびりした本もあるのは知ってる。
英雄譚も、内政系も、モフモフ系もみんな大好きなのだ。正直復讐系はもう読む気にはなれないが…
なら、現実とごっちゃになってるって?別に英雄譚だからいいだろって?
そんなことはひとまず置いておいてくれ。
あと、自分は現実主義者じゃない…と思う。まあ異世界について考えてるのに現実もくそもないだろう。とりあえずそんなことはどうでもいい。
そもそも、ファンタジーはいいのだ。魔法やスキルの存在があってこそ異世界を異世界にしているとは思うのだ。それらを駆使して悪い奴をぶっ倒すのが、主人公を魅力的で、異世界をあこがれのものにしているのだろう。
そのためには、悪い奴の存在も必要不可欠ではないか。魔王や魔物、あとは公爵…とか?
でもさ、よくよく考えてもみてよ。
いきなり全く知らない世界に呼び出されて、生きるために魔物と戦い、人々のために魔王と戦わされる。
勢力争いに巻き込まれて、貴族と戦う。
ハーレム作ったら今度は、正妻と妃の仲を取り持つために戦う。いや戦っててくれ。そして最後には、女と関係を持ちすぎて、刺されて天国に召されてくれ。
戦ってばっかじゃん!!!!というか俺さっきからハーレムに恨み持ちすぎだろ!
え?これは主人公の人生が過酷なのであって異世界自体が過酷なわけじゃないだろって?
いやいや、まず前提からして、めちゃくちゃ過酷じゃん!!!
なんで魔物がいるの?なんで人と魔族が戦争してるの?世紀末もびっくりだよ!
というか、いろいろ言ってたけど、まだこれはましなほうかもしれない。
最初っから神の遊びのためだけに呼び出されたり、洗脳されたり、奴隷にされて働かされたりするものもあるんだ。
魔王より人のほうがが怖いこともあるんだ。
だから俺は、自分が異世界に行くときはできるだけ、人と魔族とかの仲が良くて、戦争もなくて、平和で、国も洗脳とかしてこないで、緩いチートとか使ってのんびりできる世界に行きたいなあ、とぼんやり思っていたんだ。
そして今、ぼんやりとしか思っていなかったことを強烈に祈っている。
高校からの帰り道、友達となんか白い光に包まれて、あ!これはもしかして!と、はやる感情があったことに驚く暇なんてなく、まるで敬虔なるシスターのように願っていた。
できるだけ、過酷じゃない世界に飛ばしてください神様!!!!!!
初めまして。昼昼と申します。ひるひるです。
小説書くのって......むずいっすね!!
気ままに頑張るのでよろしくお願いします!!