サラリーマン聖女ですが、大魔王討伐に失敗してリストラ危機です。こうなったらリストラ回避の為に大魔王に求婚して、絶対墜としてみせます。
この作品は「なろうラジオ大賞2」の参加作品です。
千文字と超短いのはルールなのですごめんなさい(><)ノ
1
私は聖女。
皆から『物理(聖女)』という、不名誉な二つ名で呼ばれているわ(涙)。
生まれは平民だけど、猛修行して、何とか聖女試験に受かりましたの。
聖女の給料を貰って、なんとか実家に仕送りが出来ているわ。
聖女、勇者、魔法使い、剣士、僧侶の5人パーティで、とうとう大魔王の間までやってくる事が出来た。
私以外の男4人は、私の胸や足ばかり見てくる気持ち悪い奴らなんだけど、大魔王を倒すまでのガマンだわ。
大魔王を倒せば、給料アップ。
倒せなければ、次の聖女が認定されて私はリストラ。
聖女って結構、世知辛いの。
2
それなのにどうしてどうして、どうしてっ。
どうして、大魔王に私の必殺技が効かないの?
私の必殺技『聖☆インパクト☆パンチ』が全然効かないの。
魔王以上の存在には『聖属性100%』の攻撃が必ず効く筈なのに。
この『対・魔王攻撃』がまったく効かないなんて、なんと強大な存在なのっ。
既に私以外は満身創痍。
しかも大魔王は、攻撃を手抜きする余裕すらあった。
もうダメ、私、無職になっちゃう!?
3
私は一世一代の大博打を打つ事にした。
「貴方の力は分かりましたわ! 大魔王。貴方と私が本気を出せば、この世界が危うい。ここは魔族と人間で和平を結びましょう」
いぶかしむ大魔王。
畳み掛ける私。
「そうだ! 大魔王と私で婚姻を結びましょう。実力トップ同士の結婚なら、誰も文句は言わないでしょう」
その瞬間、大魔王配下のサキュバス(魔王)、吸血姫(魔王)、女ダークエルフ(魔王)、スライム(女型)(魔王)、レイス(女型)(魔王)が私を睨む。
ふん。
貴女達は、私の敵じゃないから凄んでも無駄よ。
ていうか私だってこんな牛頭野郎、全然好みじゃないし。
仕方ないじゃない。
こっちは実家に仕送りしないといけないんだから。
ああ、私だってイケメンの王子さまと結婚したかったよー。
4
「そうだな。しかし、こんな牛頭の男でいいのか?」
くっ、牛頭野郎が私の覚悟を試してきた。
私は世間の基準では絶世の美女らしいから、大魔王は私で問題ないのでしょう。
「もちろん。とても漢らしくて、カッコイイですわよ」
あの牛頭と初夜を迎える事を考えたら、気絶しそう……。
「実は、我は頭が時に入れ替わるんだ」
な、なんですって。
本物のバケモノじゃないっ。
「いいですわね。飽きがこないですわ」
私が必死に強がってみせると、大魔王が恐ろしげにニヤリと牛頭の顔で微笑んだ。
私の中から、魂が抜けた様な気がした。
最後までお読みくださりありがとうございます。
もしよければご指摘、ご感想など頂けますと成長に繋がります。
この作品は、もちろん単独で楽しめるように書いてます。
が、こんなのも一応ありマス(*´ω`*)
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・大魔王視点はこちら
「偽物大魔王、聖女(物理)に敗けを覚悟するも、なぜか求婚されてしまう。逃げ出したくても、もう遅い。」
https://ncode.syosetu.com/n6803gr/
※紹介作のリンクを感想欄の下あたりに用意しました。