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ЯeinCarnation  作者: 小桜 丸
2章:アカデミー前期

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Recollection:ケルベロスの記憶

※この物語は一ノ眷属であるケルベロスの過去のお話しです。




「兄貴! 今日も店からパンを持ってきましたぜ!」

「兄さん! 僕はミルクを持ってきたよ!」

「流石は俺の弟たちだ。よくやったな」


 俺たちは路地裏を縄張りにする捨て犬。まだ歩くことすらままならない時期に、俺たちは川の畔へ捨てられ、今日まで弱肉強食の世界を生き延びてきた。


「それにしても兄貴、この街の人間は馬鹿ばかりですぜ。俺がちょっと愛想を振りまけば、食い物をただくれるんだ」


 こいつは次男の"ベロ"、ずる賢さが長所の犬。特技は"火打石で火を点けられる"という危なっかしいもの。だけどベスがこの特技を使う時は、食事や寒い冬を乗り越えるときのみ。むやみな放火は絶対にしない。


「ベロ兄ちゃんは凄いなぁ……。僕は全然愛想を振りまけないから……」


 そしてこいつは三男の"ベス"、優しい性格が長所の犬。特技は"音を立てずに歩ける"こと。野犬や人間から逃げるときに特技を使う。決して"盗み"には使わない。


「ベス、俺よりも兄貴の方がすげぇぜ! だって、いつも俺たちを守ってくれるだろ?」

「うん、そうだね……! ベロ兄ちゃんも"ベル"兄ちゃんも凄いよ!」

「おいおい! だから俺よりも兄貴の方が――」


 長男である俺の名前は"ベル"。弟たちのように特技は何もないが、喧嘩なら負けたことがない。この街へ辿り着くまでに、数匹のオオカミに襲われたが、弟たちを守りながら俺が全員殺している。


「……んん?」

「どうしたベロ?」

「あの箱、なんですかね?」


 下らない口論をしているベロが、路地裏の隅に置かれた箱を見た。俺の記憶では、一時間ほど前までは置かれていなかったはずだ。俺たちは不審に思いながらも箱に近づき、中を同時に覗いてみる。


「子犬か……?」


 そこに詰め込まれてたのは、産まれて半年も経っていない二匹の子犬。俺たちは三匹で顔を見合わせ、箱を押し倒して、中の子犬を外へ出してやる。


「おなか……すいたよぉ……」

「のどが……かわいて……くるしい……」

「兄貴。こいつら、飲まず食わずで捨てられたらしいぜ」

「ベル兄ちゃん、どうする?」 


 苦しむ二匹の子犬。俺はしばらく考えるとベロとベスへ、こう命令した。


「さっき持ってきたパンとミルクを与えてやれ」

「分かりやした兄貴!」

「すぐに持ってくるね!」


 尻尾を振りながら、ミルクとパンを取りに行く弟たち。俺たちも昔は捨てられた子犬。だからこそ俺もあいつらも、この二匹をこのまま放ってはおけないのだろう。


「はむっ……んぐぐっ……!?」

「おいおい、そんなにがっつくな! パンは走って逃げないぜ?」

「ミルク……美味しい……」

「そう? なら良かったよ」


 ベロとベスが面倒を見ている間に、子犬たちが入れられていた箱の臭いを嗅ぐ。


(この街の臭いじゃないな……)


 嗅いだ覚えのない臭い。子犬の飼い主はこの街に住んでいるわけではなく、他の街から、わざわざここまで捨てに来たのだろう。


(多分ここまで手間を掛けたのは、罪悪感を抱いているからだ)


 変に手間を掛けるのは、飼い主自身が"捨てる"という行為に罪悪感を抱いているから。俺は箱を咥え、表の道へ放り投げると、ベスたちの様子を見に行く。


「兄貴! こいつら、ちょっと元気になりやしたぜ!」


 ついさっきまでぐったりとしていた子犬たちは、見慣れない場所のせいか、辺りをキョロキョロと見渡していた。


「あの……僕たちは……どうやって帰れば……」

「きっとご主人が心配して――」

「お前たちは帰れない」


 俺が近づけば、二匹が帰る方法を尋ねてきたため、無慈悲な答えを返す。


「どうして帰れないの……?」

「お前たちは主人に捨てられたんだ」

「捨てられたの? どうして?」

「育てるのに飽きたか、それともお前たちの面倒を見れなくなったか。そのどちらかだろう」

「そんなっ……」

「捨てられたということは、その首輪も必要がないということだ」


 俺は悲しむ子犬たちの首輪を口で器用に外し、他所へ放り投げた。


「さぁ、これでお前たちは自由の身だ。これからは二匹で助け合い、苦楽を共にし、生きていかねばならない」

「……どうしよう」

「……私にも、分かんないよ」


 この後、どう生きるかは二匹の自由。俺は背を向けて、自身の縄張りまで戻る。


「兄貴」

「どうしたベロ?」

「こいつら、俺らの兄弟にしないか?」

「……それは頷けない話だ」


 俺はベスと視線を交わし、提案を断った。


「ベル兄ちゃん。僕もベロ兄ちゃんが言ったように、この子たちを兄弟にしたい」

「……ベス、お前までそんなことを」

「兄貴も分かっているはずです! こいつらがこの先、どれだけ大変な道を歩むのか!」

「それを乗り越えなければ、どうせ生きてはいけない。俺たち捨て犬にとって、それは最初の試練のようなものだ。手助けをするのは間違っている」

「ま、間違ってないよ!」


 気弱なベスが、珍しく俺に異論を唱える。


「僕たちは誰にも助けられずに生きてきたけど、この子たちは傍にいる僕たちが助けられる! 捨て犬が、捨て犬を助けてもいいじゃないか!」

「……ベス」

「兄貴、頼むよ! 俺らがこいつらの面倒を見るからさ!」


 俺はベロとベスに訴えられると、溜息をつき、


「世話をするのはあの二匹が自立できるまでだ」

「よっしゃあ! やっぱり兄貴は話が分かる男だぜ!!」


 その日からベロとベスが主体となり、俺たちで子犬二匹の面倒を見ることになった。 


「私はどうやって人間からご飯を貰えばいいの?」

「人間に媚びを売るんだ! お前は見た目がいいから、俺よりも簡単に愛想よく振る舞える!」


 ベロが面倒を見ているのは"トロ"という雌の犬。控えめな性格だが物覚えは早く、半年でベロと同格の愛想の振る舞い方ができるようになった。


「ねぇ、本当にあんな怖い犬がいる縄張りに入れるの……?」

「大丈夫だよ。簡単には気づかれないから」


 ベスが面倒を見ているのは"トース"という雄の犬。ベスと同様に気弱な性格。だがベスはトースのおかげで、前よりも頼もしくなった。弟ができたことで、兄としての自覚を持ち始めたのだろう。


「……あの二匹は合格だ」

「兄貴、合格って何だ……?」

「何かおめでたい話でもあるの?」


 トロとトースと出会い、丁度一年が経過した。俺は食べ物を運んでくるベロとべスへ、そう伝える。


「お前たちはトロとトースの世話を十分にしてやった。もうあの二匹で、捨て犬として暮らしていける」

「「……」」

「弟たちよ、黙り込んでどうした?」

「兄貴、もうあいつらは俺らの兄弟だぜ」

「そうだよベル兄ちゃん! これからも一緒に生きていけばいいでしょ?」


 弟たちは『自立できるまで』という条件をすっかりと忘れていたようだ。俺は呆れて物も言えず、その場に座り込んだ。


「……仕方ないな。お前たちが面倒を見るんだぞ」

「任せてくれよ兄貴! 俺らがきちんと面倒を見るって!」


 縄張りから追い出すことなく、俺たちはトロとトースを正式な兄弟として迎え入れた。その日から三匹での暮らしが、五匹での暮らしに変わり始める。


「兄貴、みんなで街の近くにある"湖"へ遊びに行こうぜ!」

「急に何故……?」

「トロが独りで『湖に行ってみたい』ってぼやいてたんだって。ベロ兄ちゃんはトロのことが好きだから、こんな提案を――」

「ば、馬鹿やろうベス! 俺は元々湖に行ってみたかったんだよ!!」


 ベロはトロのことを好いている。面倒を見ているうちに惹かれていったのだろう。残念なことに、トロ本人は好かれていることに気が付いていないようだが。


「湖の近くにはオオカミや狩猟者がうろついていて危険だ。その提案は前向きに検討できない」

「大丈夫だって兄貴! もし鉢合わせしたらすぐ近くにこの街もあるんだし、逃げてこれるって!」 

「……たまにはいいか」

「よっしゃあ! 俺、トロに報告してくる!」


 ベロの『湖へ遊びに行く』という提案。俺は迷いながらも、その提案を承諾すると、ベロは尻尾を振りながらトロの元へ駆けていく。その後、トロとベスが予定を決め、湖へ訪れる日は三日後となった。


「僕、湖に初めていくから楽しみだよ……!」

「私も嬉しいです。湖に行けたらいいなぁ……と思っていたので。どうして湖に行こうと?」


 当日、俺たちは湖へ続く道を歩く。トロとトースは楽しみなようで、尻尾を軽く振っていた。


「それはね、ベロ兄ちゃんがベル兄ちゃんに――」

「だーっ!! 兄貴が気分転換に行こうって提案してくれたんだ! そうだろ兄貴!?」

「そうだったな」

「ベルさん、ありがとうございます。子供の頃から、私たちはお世話になりっぱなしで……」

「俺は何もしていない。感謝はベロとベスにするんだな」


 目的地へ到着すれば、弟たちは一斉に湖へ飛び込む。俺は木陰に座り、その様子を傍観することにした。


「おいこら待てトローー! 逃がさんぞーー!!」

「あはは! ベロさんでは追い付けませんよーー!」

「くらえベス兄ちゃん!」

「うわぁっ!? やったなトース!?」


 追いかけっこをするベロとトロ。浅瀬でじゃれつくベスとトース。俺ははしゃぎ回る弟たちを、静かに微笑みながら眺める。


(……"家族"か)


 人間たちには"家族"という集まりがあるらしい。それは血筋が繋がった者同士の関係を表す言葉。血も繋がっていない俺たち兄弟は、お互いに家族と呼べるのだろうか。


(少し眠るか……)


 俺は目を閉じ、仮眠を取ることにする。弟たちの明るい声が徐々に遠のいていく。


「……ん、眠りすぎたか」


 仮眠のつもりが、すっかりと眠ってしまった。欠伸をしながらその場に立ち上がり、弟たちの姿を探す。


「……いない?」


 しかし弟たちの姿がどこにも見当たらない。まさか溺れてしまったのかと、急いで湖へ近づき、


「――!!」


 俺は息を呑んだ。


「これは……!」


 俺の視線の先にある湖の色は――赤色だった。鼻を染み渡る血の臭い。血の跡が湖から森の中へ続いている。


「どこにいる!?」


 草むらを突き抜け、血の跡を辿った。酷く臭う血のせいで、弟たちの臭いかどうかを嗅ぎ分けられない。しかし俺は一心不乱に森林を駆ける。


「……!」


 道中、血の臭いではなく何かが焦げる臭いがした。俺はそちらの方角へと走っていき、


「ベロォッ!!」


 血塗れで倒れるベロの姿を見かけた。口には火打石を加え、草むらに火を起こしている。


「あに……きっ……」

「何があった!? 他の弟たちはどこに……」

「にんげんが……銃をっ……」

(狩猟者か……!!)


 ベロの胴体には猟銃で撃たれた痕。俺はベロの傷口を舐める。


「兄貴、おれはいいからっ……! 向こうに逃げた、トロたちをっ……!!」

「お前を見捨てられるはずが……!」

「おねがいだ兄貴っ……!! トロたちを、トロたちを、助けてあげてく……れ……」

「ベロ? ベロォッ!!」


 次男のベロが俺の目の前で息を引き取った。俺は叫びたい気持ちを押さえ、最後に託された約束を果たすため、トロたちが逃げた方角へ走る。無事でいてくれることを願い、ただ一心不乱に走り抜け、


「――」


 四つ足が止まった。血塗れの地面、無残に転がる三匹の犬。いや――あれは間違いなく俺の弟たちだ。 


「ベル……さん……」

「トロ!!」


 ベスやトースが既に息を引き取っている中、辛うじて息をしていたのはトロ。俺はトロに駆け寄り、容態を視認する。


「私たちが湖で遊んでいたらっ……人間が、急に撃ってっ……」

「喋るな、傷口が開く!」

「ベロさんが、私を庇ってっ……どうしてっ……こんなことにっ……」

「喋るなトロ!」


 どれだけ舐めても血が止まらない。トロは静かに目を瞑る。


「……ベル……さん」

「駄目だ! 逝くなトロ!」

「今まで……お世話に……なり……ました……」

「トロォォオオーー!!」


 一瞬にして弟たちが殺された。その事実を受け止めきれず、俺はその場で怒りの咆哮を上げた。


「おい見ろよ。まだ的が残ってるぜ!」

「本当だな」


 振り返れば、猟銃を握った人間の男が二人立っている。俺は弟たちを殺した元凶が目の前に現れたことで、右前足を何度も地面に擦らせた。


「貴様ら……!! 貴様らよくもォォォオ!!!」


 それからは何があったのか覚えていない。ただ気が付けば、人間の死体が転がっていた。喉の部分を噛み千切られ、白目を剥いている死体。


「俺たちが、俺たちが貴様らに何をしたァッ?!!」

「……」

「俺たちが、盗みを働いたか!? 俺たちが、貴様らの邪魔をしたか!? 俺たちが、貴様らを襲ったか!? 俺たちが、貴様らを侮辱したかァ!?!」


 死体の胸元を咥えながら、力任せに振り回した。当然だが、答えなど返ってくるはずもない。


「俺たちは――ただ生きていただけだろッ!?!」


 怒りと悲しみが混ざった咆哮を何度も上げる。こんなことをしても、大事な弟たちはもう帰ってはこない。


「……哀しい」


 女性の声が聞こえ、俺は唸り声で威嚇をした。木の陰から姿を見せたのは――紅色の瞳を持つ女性。


「誰だ貴様は……!?  この人間の仲間か⁉︎」

「私は人間じゃないわ、吸血鬼よ」

「吸血鬼? それにどうして俺の言葉が分かって……」

「それよりも、あなたの弟たちを助けないと……」


 弟たちへ歩み寄る女性の吸血鬼。俺は亡骸に触れさせまいと、噛みつこうとしたが、


「……!」


 女性が血の涙を流している姿を目にし、開いた口を閉ざす。


「あなたの弟はまだいるはず……。どうか、ここまで連れてきてほしいわ」

「……分かった」


 俺がベロの亡骸を背負い、この吸血鬼の元まで戻ってこれば、ベロの亡骸を抱え、トロたちの近くへゆっくりと置いた。


「私ならあなたの大切な弟たちを、この場で生き返らせることができる。トロとトースなら今すぐにでも」

「本当か……!?!」

「けどこのままの姿で蘇生はできない。あなたの肉体とトロの肉体が必要になるわ」

「俺とトロの肉体?」

「トースの魂を亡くなってから時間が経っていないトロの肉体へ、次男のベロと三男のベスの魂をあなたの肉体へ――それぞれ移植するの」


 俺とトロの身体を撫で、吸血鬼はそう告げる。


「移植をしたら、どうなる?」

「トロの肉体に二つ。あなたの肉体に、三つの魂が宿ることになるわ。副作用として何が起きるのかは、私にも分からない。でもあなたが望むのなら、私は弟たちの為に力を尽くす」

「……やってくれ」

「いいのね?」

「頼む。俺の弟たちを、助けてやってくれ」


 頭を下げてそう頼み込めば、吸血鬼は俺の弟たちへ手をかざす。


「えぇ、もちろんよ」


 ベロとベスの肉体を二粒の血の涙に変え、俺の口に入れた。トースの肉体も一粒の血の涙に変えると、トロの口の中へ入れる。


「――血涙(けつるい)


 そして自身の頬に伝わる血の涙を指先で拭きとり、俺とトロの舌先に付けた。


「ぐぅおぉおあぁッ!?!!」


 その瞬間、身体が燃えるように疼き始め、俺はその場でのたうち回る。


「私はバートリ卿。あなたの哀しみは――私の哀しみよ」


 バートリ卿。その名を聞くと、俺はすぐさま気を失った。



―――————————————



 あの日から、俺の身体は俺のものじゃなくなった。


「兄貴、今日はフルーツが食べたい!」

「えぇ!? 昨日も食べたでしょベロ兄ちゃん!」

「やかましい兄弟だな」


 結論から述べれば、俺の身体に"頭が二つ増えた"。右が次男のベロ、左が三男のベス、そして真ん中が俺だ。これで俺の身体に生えた頭部は三つになる。


「また喧嘩してるよー」

「バートリ卿、あの人たちどうしましょう?」


 トースもトロの身体の頭部として生き長らえていた。俺たち兄弟は、バートリ卿によって救われたのだ。


「賑やかでいいことよ。好きなだけ喧嘩すればいいわ」

「あはは、ベルさん大変そう……」


 だが俺たちは"犬"じゃなくなった。見た目は化け物のような存在だ。そんな俺たちを、バートリ卿は自身の家で匿ってくれている。 


「おーい、何とか金貨を貰って……ってまた喧嘩してるのかよ」

「あらあなた、お帰りなさい」

「おう、ただいま」


 バートリ卿には人間の夫がいた。冴えない顔をしたごく普通の男。バートリ卿のように特別な力も持っていない。本当にただの人間だ。


「そういやさ。これから君たちのこと、ケルベロスとオルトロスって呼んでいい?」

「人間、何だその名前は?」

「君たちのあだ名。頭部一つ一つに名前が付いているとややこしいでしょ? だから三つ首が"ケルベロス"で、二つ首が"オルトロス"。名前のセンス的にどう?」

「……悪くはないな」


 しかし発想力や名前のセンスは悪くない。バートリ卿もこの人間の考えや話しなどを随分と気に入っているようだった。


「じゃあ、君たちはバートリさんの"眷属"ってことにしようか!」  

「眷属?」

「眷属は"家族"みたいなものよ」

「家族か……」


 言葉の響きは悪くない。俺たち兄弟は顔を見合わせ、共感するようにそれぞれの頭部で頷いた。


「嬉しいなぁ兄貴!」

「兄弟、これからは"我ら"と呼ぶぞ」

「我ら……?」

「この肉体はたった一つ、一心同体も同然。だからこそ我らと呼ぶのだ」

「いいなそれ! 運命共同体みたいな感じで!」


 三つの魂に、一つの肉体。この日を境に"俺"は――"我ら"へと変わり、


(バートリ卿。この命が尽きるまで、一生仕えさせてもらうぞ)


 バートリ卿への誓いを立てたのだった。



【Recollection : Cerberus】END


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