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神の元へ
地面に倒れた私は、目を見張った。
そして、覆い被さる彼を見た。
ロイは私を庇った。
背中に黒い光が突き刺さって、苦悶の表情を浮かべている。
「い、いや!ロイ!ロイー!!」
どうして!
護りたいのは私のほうなのに!
押し退けて、彼を庇いたかった。
でもびくともしない。
「ロイ、もう嫌だ!」
ロイは私を見つめて、微笑んだ。
「…大丈夫…俺は、いつも側に、いる。」
ドドドッ
ゼノは続けて黒い光を彼の背中に突き刺した。
何本も…!
「ああぁっ、やめて、いや!いや!」
倒れ込むロイの身体を必死で抱き寄せ、私は涙を流した。
私なんかを好きになったりするから!
私が、彼の魂を愛してやまないから!
彼は背中から出血し、たらたらと私の身体をまたも赤が染め上げる。
「あ…あ…」
意識が薄らぎ、私はもう全てを委ねたかった。
『おいで、愛しい魂。』
ぐい、と引き摺られる感覚がした。
私の魂が、身体から引き出される。
ゼノが、肉体から離した私を腕に抱き締めた。
『ようやく手に入れた。』
ぼんやりと聞いた。
暗く沈んだ心には、何もかもどうでもいいことだ。
ゼノが微笑んで、抱える私にキスをした。
冷たいキスだった。
『ずっと私と…俺と一緒だ。』
絶望の淵に足をかけて、私の魂はたゆたっていた…
クライ
サムイ
キボウナド、ナイ




