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あなたを置いて3

「あなたは、ゼノには勝てない」


ロイが、悔しそうに私を見上げる。


「じゃあ、強くなったらいいの?神にも勝てるほど?」

「…………」


微笑んで、私は無言を通した。

ロイが血まみれの私の手にキスをした。


振りほどくように手を払い、私は手綱を取った。

頭がくらっとするのを堪える。


「……強くなるよ。」


私の背中に、低く彼が告げた。


「強くなって、いつか君を迎えに行く!絶対!」


神に勝てるわけない。


「ルリ!…本当に、愛してた!」


胸に刺さるような想いに、抑えていた涙がこぼれた。


「…私も、愛してた…」


振り返らず告げて、再び馬を走らす。


「ルリっ!必ず!」


嬉しいよ、ロイ

もう十分


私は幸せだよ


「愛してるっ!!」


知ってる、知ってるよ

だから

さよなら


「…ルリっ」


崩れるように膝を折り、私の血に手を染めたロイが叫ぶ。

私の目が、遠すぎて彼が見えなくなっても、慟哭する声だけは、僅かに長く響いていた。



なぜだろう?


私は、なぜ人を愛して止まないの


次に生まれるなら、私は…

すべての感情を棄てたモノになりたい


どうか私に自由を…


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