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リンファの物語

次の日は、雨だった。


私はいつもと変わらなく、次の街でロッドと仕事の話をして、炊事や馬の世話をした。


ロイは浮かない顔をして口数が少なかった。


街で、ロッドの仲間の商人がスリに遭い、素早く犯人を捕まえ、指の骨を軽く折るぐらいには仕事をしていたみたいだけど。


夜になっても降り続ける雨を、私は馬車の幌の間から膝を抱えて見ていた。


「………………」


ゼノは…きっと私をずっと見ている。

私が、絶望するのに最適な環境になるのを待っている。


ぎゅっと自分の肩を抱いた。もうあまり時間がない。


ふいに、バサッと幌を開けて、ロイが入って来た。

私と目が合うと、そっと私を抱き締めて言った。


「…続きがあるんだね?」


黙ったまま頷くと、私の髪を撫でながら、ロイは静かに言った。


「聞くよ、話。その間こうしとくね。だから…大丈夫だよ。」


辛い話だと察してくれている。


私は、ロイに抱き締められたまま、目を閉じた。

そして、ゆっくりと口を開いた。


****************


ゼノに殺された私は、輪廻の輪を巡っていた。


くるくると…


水の流れに身を任す、一片の花びらのように。


そこは、金色に輝く大河のようだった。


何も考えず、苦しまず、痛みはない。

幼子が母の胸に抱かれるような安らぐ場所。

静かで、でも賑やかなそんな場所。


何年、何十年、その流れにたゆたっていたか…


わからない。

時間の感覚も、平衡感覚もない。


ふと気付いた時には、私は輪廻の流れから翔んでいた。


下には大地。


私は一筋の光となり、再び生を迎えた。

それが、私の前世。


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