私を嫌って4
彼は、とても優しい人だった。
私は膝を折り突っ伏し、泣き崩れた。
夫の亡骸に抱き付いたまま、目の前の男に叫んだ。
Γなぜ何度も!私の愛した人を殺すの!?」
悠然と佇む男が言う。
Γ君を永遠に愛する為だよ。」
私は、なんとか立ち上がった。
Γ愛じゃない、そんなの!」
Γいいんだよ。私の愛し方は、こうなんだから。」
近付いた男が、私に触れようとする。
パンッ!
思い切りその手を払った。キッと睨み付けた。
Γ絶望なんてしない!私は…貴方を愛さない!」
Γ君は強いな。だから惹かれたのか…」
男は、しばし夫の亡骸を見ていた。
私は隙を付いて、床から夫の形見となった抜き身の短剣を拾い上げた。構えて彼の懐に飛び込んだ。
ドッ!
確かに貫いた、でも…
私はそのまま男に抱き締められた。痛みなど感じていないように男は笑っていた。
触れられた途端に、みるみる力が失われていく。私の命を最後まで吸い取る気だ。身体がだらりとして自分を支えていられない。
男が、私の唇を目を開けたまま吸った。
Γまた逢おう。今度は絶望する君に逢いたい。」
微笑んで見つめる男が睦言のように囁く。
Γ君が…お前が何度生まれ変わろうが私はお前を愛するよ。」
私は気力を振り絞り誓った。
Γ…なんど、生まれ変わろう…が、わたし、は、貴方を…いつか…コロス!」
彼の名は最期、言葉として発せられなかった。
私は、またも…
神に繰り返し殺された。
愛した人と共に。
許さない!絶対に許さない!
ああ、ごめんなさい、私を許して
私が愛さなければ、夫は死なずに済んだのに
どうか許して欲しい
次は殺すから
神を殺すから、憎むから
ゼノを殺す!私は、必ず…!




