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私を嫌って3

私は野営地の近くの河原にいた。手にはハサミと鏡。

薄く霧がかかる中、辺りの小さな岩に座り、腰まである黒髪を持った。


シャキ シャキ


迷うこと無く切り落とした。後ろを鏡を見て、なんとか揃えた。川に流され髪が流れていく。肩につかないぐらいの長さに整えて、私は立ち上がった。

短くなった髪を見てロイは驚いていたけれど、よく似合うね、と言ってくれた。

もう肩が見えても平気だから、と言ったら嬉しそうに笑ってくれた。

ありがとう、ロイ。


***************


Γルリお姉ちゃん、遊んで!」

Γあ、私も!」

Γいいよ、何して遊ぶ?」


ルリが隊商の子供達の相手をしているのを、僕は遠くから座って眺めていた。夕焼けの空の下、短くなった髪を揺らして、楽しそうに彼女は笑っていた。

ルリは子供が好きで、子供達もよくなついていた。たまに子守りを引き受ける彼女が、赤ん坊を抱いて優しい表情をしているのを見かける。

僕はルリのそんな顔を見るのが好きだ。こっちまで嬉しくなるから。


Γロイ、ルリを見てるの?」


ナディアが隣に来て座った。僕は薄く愛想笑いをして立ち上がった。ナディアにも他の人にも、必要なことしかあまり話さず、一線を置いている。父親代わりのロッドにぐらいしか心を許せない。魔法なんて使う自分が、皆から浮いているのは幼い頃から分かっていたから。

だけど、僕はルリとは沢山話したい。もっと近くにいたい。


ナディアが僕に視線を向け、それからルリを見て遠慮がちに口を開いた。


Γルリは何か隠してるのかしら?」

Γ………うん。」


それは僕でも分かった。時折、思い出したように表情を曇らせる彼女を知っている。


Γロイ気付いてる?ルリ、毎日のように悪夢を見てうなされてる。」


無言で頷く。

どうしたらルリは安らげるのだろう?どうしたらもっと僕に心を開いてくれる?

いつかその悪夢の原因から彼女が解き放たれることを願う。

そうしたら、僕に心からの笑みをくれるだろうか?

僕はただ、ルリを幸せにしたい。

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