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今生の私

よろしくお願いいたします!

暗闇の中で私は目を開けた。荒い息をついて動悸が落ち着くのをじっとして待つ。

そうして冷たい床に藁を敷いただけの寝床から、ゆっくりと体を起こした。膝を抱えて座る。

周りには十数人の自分と同じくらいの歳の若い娘達が眠っている。

微かに泣き声も聴こえた。暗くて良くは分からないが、彼女達の寝返りを打つ音や身動ぎする気配があった。

少し前方には、出られないように柵の嵌め込まれた施錠された扉。


Γ………」


深く息を吐き出す。何度夢に見ても慣れない。

震える手を口に持っていき、親指の付け根を、ぎりっと噛んだ。そうして恐れでは無く憎しみに変える。

もう何千回何万回も見た夢。いや、夢では無い。記憶だ。それも古い記憶だ。

私は自分の生まれる前の、前世を記憶している。

忌まわしい記憶は二度前の生の記憶。

はっきりと覚えている。彼が望んだことだから。


いや、例えそうでなくとも絶対に忘れるものか!

この憎しみの深さが、私を私でいさせてくれる。

彼を信じていたからこその憎しみ。


私の今生の名は、ルリ。

奴隷として生きている……

前作よりもシリアスとダークですが、コメディと救いもあります。そして、やっぱりラブは外さない!

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