ロイの性癖?
Γロイ、良かったなあ。赤ん坊の時に森で拾われて苦労したもんなあ…幸せになれよ。」
近くの他のおじさんがそう言いながら泣いている。
Γべっぴんな嫁さんだな。ロイ、たくさん…子ども作れよ。」
歌い終わったおじさんが、ガハハと笑って言った。
Γや、やめてくれよ、ジルさん…恥ずかしいぃ」
ロイが頭を抱えた。
Γまだ子どもだと思ってたのに。ルリさん、ロイをよろしくね。」
年配の女性に声を掛けられる。
Γは、はあ…」
Γあ、返事した。認めたね?」
頭を抱えたまま、ロイがぼそりと言った。
無視だ。
Γえ、待てよ。ロイ、お前いくつだっけ?」
串に刺さった焼き鳥を口に運びながら、若い男が聞いてきた。
Γああ、じゅう…」
Γ16!」
私が答えようとしたら、ロイが素早く割り込む。
Γそう、だっけ?」
男の隣の妻らしき女性が、子どもを抱いたままで不審げな顔をしている。
Γもう、忘れたの?僕は16になったの!」
Γそ、そうか。悪い、勘違いしてたよ。」
強気の押しにたじろいだらしい。男が頭を掻いた。にやっとロイが笑うのを、冷めた目で見ていた私は肩を叩かれた。20代前半の若い女性二人が私を囲む。
Γそれで馴れ初めは?ここら辺は、よく通るから以前から付き合ってたの?」
Γいえ、今日どれ…」
Γそう!前からお付き合いしてたの!それで僕が16になるのを待って結婚したの!」
ロイが慌てて、またも割り込む。
Γそうなの。たまにしか会えなくてさびしかったんじゃない?ロイったら、全然教えてくれなかったんだから。」
きゃっきゃっと二人の女性は楽しそうだ。テレサやロッドの微妙な視線がいたたまれない。
Γちょっと、ルリ。」
納得したらしい女性達が離れたところでロイがむくれて私を見た。
Γなんで正直に言おうとするの?まだ僕のお嫁さんってことしていた方が、ずっとマシだろ?」
Γ別に恥ずべきことじゃない本当の事だし、それに…」
私はきっ、と顔を上げた。
Γ私は私。奴隷であろうがなかろうご、私は自分に誇りがある。誰にも貶められない。」
偉そうなことを言ってしまい、少し恥じ入ってロイを見た。
Γ……何?」
彼は上気した顔で、自分の肩を抱いて身を震わせた。
Γああ…ダメ……ぞくぞくする……ルリ…」
Γは?」
悶えてる?何がどうして?




