Re;start (2)
遅れて、すいませんでした。
ある大学病院に一人の男が運び込まれた。身長180センチ、体重64キロほどの細身の男だ。体中傷だらけでとても危険な状態だった。
「心拍数を計って」
「速く運び込んで」
医者や看護師たちの慌ただしい声聞こえていた。
~数時間前~
「道乃お姉ちゃんは2年前に死にました」
それを聞いた瞬間、目の前が真っ白になった。何も聞こえない、何も見えない、何も臭わない、何も感じない、体中のすべての感覚が無くなった。五感そのものが無くなっていた。立つことがもうできなかった。その瞬間、身体横におもいきっり倒れた。
最後に恐怖にまみれた少女の声が聞こえた。
そして、今に戻る。
生きているのが不思議だったそうだ。腹に大きな穴があき、頭部はかなりの量の打撃をうけておりボロボロになっていた。
男はベットに寝かせれられ、医師が焦りの表情見せながら治療をしている。何時間もたってやっと、医師が表情を変えた。男の治療が終わったのだ、何とか一命をとりとめたようだ。
「一体何があったらこんな事になるんだ」
医師は、一人呟いた。
数日後、男の仕事仲間がお見舞いに来た。だが、男の意識はまだ戻っていない。
「伽耶さん、一体何があったんでしょうね」
男の仕事仲間であるのだろう、長い黒髪の女性、”東海林一”(しょうじ はじめ)言った。ストレートでしなやか髪、身長は普通だが胸が大きく、クビレも目立ちとても大人びている。
「何があった、何てこいつ以外分かる奴いね~だろ~」
男の仕事仲間であるのだろう、男は頭を掻きながら眠そうにその男、”夜行賢二”(やこうけんじ)は言った。髪の色は金に近いような茶髪をしていて、寝癖を直してもいないぼさぼさ頭だ。
「後輩がこんなひどい目にあってるのに心配してないの?」
「一応、心配はしているさ」
「どうだか」
二人がこんな会話をしている時に、扉を開ける大きな音が部屋に響いた。扉を開けた先には小さい女の子が立っている。そしてすぐにこちらに向かって、男、夜行賢二の腕を掴み振り回す。
「伽耶さんは大丈夫なんですか~~」
と、慌てて、腕を振り回しながら聞いてくる。
こちらも、仕事仲間であるのだろう、ポニーテールの白髪の女の子、”真白小坂”は言った。その見た目はとても小さく、大人の女性にはとても見えない。身長は低く、胸は小さい。
「大丈夫だ、大丈夫」
賢二は腕を振り回されながら言った。
「本当ですか~~」
小坂は泣き目で腕を振り回すのやめた。
「そろそろ離せ!!!」
賢二は勢いよく腕を振って、小坂を突き放した。
小坂が賢二に尋ねてくる。
「そう言えば、部長と千歳さんと瑠美さんはどうしたんですか?」
「部長と千歳は外せない用事があるらしい、瑠美は風邪」
「風邪っ!!!!!」
今日来ていない、瑠美が来ないに小坂が驚く。少し間が開き、みんな一度ベットの方を向き、表情を変える。
「伽耶さんあこんなになるなんて一体何があったんでしょうね、よほどの事がないと、伽耶さんはこんな事になりませんよ」
「まぁ~それは起きて本人に聞くしかないだろ」
小坂が真剣に聞いてくるのに対して、賢二がアクビをしていい加減に答える。
「真剣に聞いてるですよ」
「こっちだって真剣に答えてる」
「まあまあ、とりあえず今日は遅いから帰ろ」
二人の会話に一が割って入る。
「そうだな、今日は帰るか」
「そうですね」
「んじゃあ、また明日ね」
みんな病室をぞろぞろでていく。 病室には藤原伽耶、一人だけが残された。
疲れました。