瞳
「退治に行きませんか?」
そう言われた気がした。
あの頃の私は、いじめのようなものにあ
っていて、いつもあの場所で泣いてい
普段は誰も来ることのないあの場所で。
話は戻る
「はい?」
顔をあげてみると目の前には長身の男の
人がいた。しかも"Wow!イケメンNな。
「だから退治ですよ」
いやいやいや、そんなににこやかに言わ
れてもわかんないもんはわかんないよ。
うん、マジイケメンなのはわかったけど
「タイジ?」
「そう」
??????????????????
「あ〜いや、退治って言っても、鬼ヶ島に鬼を退治しに行くわけではないですよ」
そんなのわかっとるわ╬
「じゃあどういうことですか?」
「あなたを泣かせている犯人を倒しに行
くんです。」
さらっと言われた。が、が!!
「え、えぇぇえぇ〜〜〜〜〜〜っ!!
いや、む、無理です。そんな度胸ない
し、恐ろしすぎますよ。」
「じゃああなたはこのままでいいんです
か?大丈夫です。僕もお供しますから。
そうですね...あなたが桃太郎なら僕はきじ
ですかね...」
突っ込みどころおおすぎだし。鬼退治ネ
夕ひっぱるの?てか、オニーサン人の話
聞いてます?どこが'大丈夫'なんですか
ね?それに、桃太郎って...なぜに?私男じ
ゃね一し!桃から生まれてね一し!!
心のなかではそんな大量の突っ込みをい
れながらもレイ(あ、主人公の名前です)
「ど、どうするんですか?」
ときいてしまった。
「それはね...」
彼は楽しそうに計画について話始めた。
不思議な色をした彼の瞳がなぜか印象に
残った。
相変わらず私の日常は最悪だ。|
でも、そんな日々が少しだけ変わった。
あの"Wowイケメン"リツのおかげで。
少しずつだが、着々と退治・仕返し(?)
の準備も進んできた。
リツと過ごす時間は嫌なことなんて忘れ
させてくれる。
だか、ひとつだけきになってしかたのな
いことがある。
ーリツは何者なんだろう一
私は、リツのことをなにもしらない。知
っているのは<リツ>という名前だけ。
なんで私になんか手をさしのべてくれる
のか。どうして私に嫌がらせをしてくる
人物について知っているのか。
謎だらけだった。
私は、リツにその事を聞けずにいた。
でも、どっかでわかっていた。
たとえ聞かなくったってもうすぐお別れ
がやってくるってことを。
とうとう『xデー(笑)』を迎えた。
私たちの計画は、いたってシンプルだ。
長い間で私が知ったミナ(いじめの真犯
人)の本性と(なぜか)リツが知ってい
た彼女のひどい言動をばらまき、ミナの
表面いい子をぷちこわしてやる!という
もの。
しかし、ミナはひどいやつだった._
私へのいじめも自分で直接はしてなかっ
たし。
そしてついに
「ぽちっとな」
情報を拡散させた。
これでミナは相当大変になるだろうと想
像しただけでなんだかスッとした。
「よしっ。成功だね。ふふふ炎上してるよ」
リツが微笑みながら言った。
すると急に悲しみが胸に込み上げてき
これでりツとはお別れ...。
うん、考えないようにしてたけどわかっ
てたことだ。
思わず涙がでそうなってうつむく。
「レイ」
リツに名前を呼ばれ顔をあげる。
拍子に涙がこぽれた。
「ねえ、レイ。桃太郎って鬼退治したあ
とどうなるんだったっけ?」
「し、幸せな生活をおくったんじゃなか
ったっけ」
そう鼻声で答えると
「じゃあレイ。僕と一緒に幸せになりま
せんか?」
「へっ...????????J
え?なんか展開早すぎてパニックなんで
すけど。ん、ちょっと待って?ってかこ
れって...まさか!!こ、コ..ko...............!?
「ねえ、それでそのあとどうなった
の?」
一人の少女がたずねた。
「う一ん、どうなったんだろうねぇ。じ
ゃあそれはみ一ちゃんが考えて、ママに
教えてくれる?」
「うん!」
「ふふっ。おやすみ」
パタン、とドアを閉める。
あのあと、いろんな事を知った。
リツがミナのいとこだということ。(そ
れでやけにミナの裏の顔に詳しかった)
レイの三才年上な事。
家で勉強しているときに泣いているレイ
が見えて気にかかっていたこと...
など。
そしてあれから早いもので十五年がたっ
ていた。彼はまだおほえているだろう
か。そうだ、帰ってきたら聞いてみよ
う。きっとまいだ一りん(笑)はあの不
思議な色をした瞳を輝かせて聞いてくれ
るはずだから一
「あ、おかえり。」