必要なのは愛10
ある日の神様の庭園にて…
ぴょろぴょろぴょろ~。
ぱたぱたぱたぱたはたっ。
「あ~、びっくりした…何かと思えばセキセイインコちゃんじゃないかぁ~…」
ぴょろぴょろぴょろ…カミサマ、スキィ~!
「わぁはははは、くすぐったいよ、インコちゃん…あはははは、神様もぉ、インコちゃん大好きだよぉ~…」
にゃあにゃあにゃあにゃあ。
「おや、今度は猫ちゃんじゃないかぁ、どうしたの?足に擦り寄ってきたりしてぇ…」
にゃあにゃあにゃあにゃあ。
「どれどれ…今ね、神様腰掛けるから、お膝に来るかい?ど~らよしよしよしよし。あ~、可愛いなぁ、猫ちゃんもねぇ、大好きだよぉ~…」
わんわんわんわん。
「ありゃ、今度はわんちゃんかぁ…ほ~ら、こっちにおいでぇ~…そうかい、よしよしよしよし…そんなに尻尾振って…あ~、可愛いなぁ、わんちゃんも大好きだよぉ~…わははははは」
肩にインコ、膝に猫、そして、腰の辺りに犬が寄り添い上機嫌の神様は、背中にふと熱い視線を感じた。
何気なく振り返るとそこには沢山の虫や植物、それに動物達だけではなく、天使や空やお日様に至るまで、じっとりとした目でこちらを見つめていた。
「はっ!あはっ、あはははは…やだなぁ…やだなぁって…神様はぁ~、みんなのことがぁ大好きですよぉ~!決まってるでしょ?そんなの…やだなぁ…そんな疑いの眼差しで見ないの!ねっ!…大好きだからぁ~…ねぇ!信じてぇ~!ねっ!ねっ!ホント!ホント!ホントだからっ!ねっ!信じてっ!…」
この世界の全てを分け隔てなく愛している。
それが神様。




