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KILL BLOOD  作者: ユート・ロビンソン
依頼No.50 洗脳
7/35

アメリカ大陸までぶっ飛ばして行こう

007


階段を降りた先に、

須藤正一。私のパートナー。相棒。が、

顔を真っ赤にしてバイクのメンテナンスをしていた。

「お帰りなさい。楓さん、今日はポニーテールですか。いいですね。夏ですね」

「正一。ただいま。気づかなかったわ」

「楓さん。・・・・・・酷いよ」


正一にちょっと毒づいてやるのが私の密かな楽しみの一つ。

こいつのリアクション超面白いんだもの。

こいつの涙面笑える。

智子ちゃんの言うイケメンフェイスもくちゃくちゃね。


正一はいつもの黒スーツに茶の革のジャケットを羽織っていた。

正一の処刑スタイル。

見た目だけは様になっているけど、腕がまだまだね~。

私と比べるだけ可哀想か。


「楓さん。ヘルメットを」

正一からヘルメットを受け取る。

「ヘルメットなんていらないわよ」

「いやいや『マッハバイク』ですよ。流石の楓さんでも

重圧には勝てないでしょう」

「まぁそうね重圧にはちょっと弱いかも★」

私は言われた通りヘルメットをかぶった。


マッハバイク。

2020年初頭から発売された、少し古めの乗り物。空は飛べない。

でもその加速度は現代の乗り物にも全く引けをとらない。

なぜなら一秒でマッハスピードに乗るから。

今私達が乗ろうとしているのは、そのマッハバイクの最新型。

『ドラゴンタイガー』ガオー☆ なんちゃって。

名前はダサいけど、見た目は本当にかっこいい現代の急ぎ用乗り物。

エンジン部分に名前の通り、龍と虎のエンブレムが

彫り込まれてある芸術的一品

この乗り物に勝るスピードと高揚感を出せる乗り物があるのかしら?


これから私達は、宗教団体『NEWWORLD』の教祖を処刑しにいく。

もちろん世界処刑連盟に処刑申請は出してあるわ。

それじゃなきゃただの人殺し(笑)

何故かワクワクが止まらない。

何でかな?この衝動。

処刑前のこの感じ。毎回だけどくせになるわ。

私もキラーハッピーってやつなのかな?


「では楓さん。僕の後ろに乗って下さい」

正一の声で我に戻る。

マッハバイクに跨った、正一の後ろに私は乗る。

おもいっきり胸を背中にくっつけてやった。

ちょっとしたサービスよ。絶対興奮しているに違いないわ。

「・・・・・・か、楓さん。飛ばしますよー!!」

ほら見ろ。興奮している。プププ。

「オッケー。『月』までぶっ飛ぶくらい飛ばしてー☆」


ヴォンヴヴォン

そんなアクセル音を立てて、

マッハバイクは発進する。

すぐにマッハスピードに乗る。

マッハの圧力。

この重力圧がたまらない。

エアカーや道を行く人々を躱して、

専用の高速道路についた。

正一の運転スキルは評価できるポイントのひとつね。


この世界の道路は繋がっている。

丁度このNEO東京から、太平洋上空には枝分かれした道路があり、

アメリカまでは一直線。この世界は一つの道路で繋がっている。

ここからさらに超スピードに乗る。

すれ違う対向車ももはや点。

どんどん他の車やバイクを追い抜かして行く。


「ヒャッハー!!もっと飛ばしてー!!」

「ノリノリですね。楓さん。それじゃあ行きますMAXスピードですよ」

ヴォンヴォヴォンと正一はアクセルを全開にふかした。


ピコンピコン

マッハバイクの液晶モニターが点滅した。

目的地はすぐらしい。

本当に速いわね。

NEO東京からアメリカ大陸までわずか三分たらず。

正一がマッハバイクのスピードを落とす。

市街地に入るから。

それでもマッハスピード。速い速い。

「楓さん目的地が見えてきましたよ」


宗教団体『NEWWORLD』本部。

サンダードーム邸。

立派な門が私達を待ち構えているようだった。


「玄関門先で止めますか?」

「正一。私達は処刑しに来たのよ」

「なら?」

「玄関門なんてぶち破ってやれー☆」

「了解しました。派手に家宅侵入しますよー!!!!!!!」


バゴーン!!!!!!!!!!!!!!!


大型の玄関門もマッハバイクのフルスピードの突撃には耐えられず、

はるか上空に吹き飛んだ。

そのまま煌びやかな玄関をマッハバイクは突き破る。

キキキキィ

正一がバイクを止めた。

サンダードーム邸の玄関内。


ウーウーウーウー

派手に突入したから警報アラームが鳴り響いた。

「正一にしてみれば、派手な演出じゃない。惚れるかも」

「ほ、本当ですか?」

「嘘よ、童・貞くん♡」

「・・・・・・」

本当にショックを受けていたらしい。

ちょっと言い過ぎたかも。

てへ☆


私達はヘルメットを外し、マッハバイクから降りて

お互いに処刑道具を構えた。

アラーム音に反応してか、黄色のフードを被ったあいつらがやってきた。

フードの中から見えるワイヤーまみれの身体。

獣の匂い。

そして凶器。

「グルルルルル」

人間に擬態しているのかな?こいつら。どんな格好をしててもダークソウルズ。

獣の匂いを漂わせながら凶器を構える。

やっぱりここの教祖は黒。ダークソウルに侵されている。


「正一。準備はいいわね?」

「OKです。楓さん。いつもの決め台詞を!!」

「さぁ処刑の時間だよ☆」

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