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KILL BLOOD  作者: ユート・ロビンソン
依頼No.42 天使
5/35

依頼完了

005


「さ。帰るわよ。正一」

「楓さん。生存者の確認とかは」

「それは表の人間達の仕事よ、さぁ帰るったら帰る」

「・・・・・・了解しました」

まぁ僕達は言わば裏の人間。

救出作業などは表の人間に任せればいいのだ。

うん。それでいい。

宿主『天使』が死亡したことでこのビルの内外で発生したダークソウルズも、

皆消滅したことだろうし、あとはスカイ・レスキューとポリスに任せよう。

僕は「QA」を操作し、

小型のケースを「具現化」させた。

『依頼』の『完了証拠』を持ち帰るために。


血まみれ、死体まみれのフロアを戻る。

何度見ても、ダークソウルズの虐殺の残滓は恐ろしい。

これが人間の不の感情から湧き出てくるものかと想像すればなおのことだ。

僕も「魔法の大量使用」や不の感情に飲まれないようにしなければ・・・・・・


ヘリポートに着き、

僕はヘリを発進させる。

次の目的地は神谷処刑事務所だ。


「正一~。お願いがあるんだけど~♡」

ブラジャー丸見えの楓さんが色っぽく運転席の僕に話しかけて来た。

「な、なんでしょう?楓さん?」

「い・つ・も・の♡」


ガブッ!!!

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

楓さんの い・つ・も・の は僕の血を吸うことだ。

コンビ結成の最初の方はエロイ要求をされるかと思っていたけど、

結局は吸血だ。

しかも大量に。

『依頼』のあとはほぼ必ず吸われる。

「ギャーギャーギャー」

僕は悲鳴を上げふらつきながらもヘリを操縦し続けた。

下の繁華街には、再度のスカイ・レスキュー、ポリスが集まってきているのが見えた。


「たっだいま~☆」

「ただいま依頼完遂致しました」

神谷処刑事務所の扉を開けながら言った。

「お疲れ様。須藤くん。今回も生き残ったね~」

いきなり社長に不吉なことを言われる僕。

「全て楓さんの見事な処刑手際のおかげですよ」

「ニヒヒ。照れるって」

バシィ!!

おもいっきり背中に張り手を受けた。

楓さんなりの照れ隠しだろう。

だが、完全に背中に痕ができる痛みだ。治るかな?


「社長。シャワー浴びてくるね。魔夜。着替えよろしく☆」

「わかりました」

魔夜さんが二階の楓さんの部屋に向かう。


社長が依頼人と雑談をしていたので、

僕は急いでその場に割り込んだ。

今回の『依頼人』はNEO東京スカイ・ポリス、所長。

新崎直道しんざきなおみちさん。

スカイ・ポリスで対応しきれないと判断したため、

僕達処刑人に『依頼』したとのことだ。


「須藤くん。『証拠』のぶつは?」

「は、はいこちらに」

僕は急いでケースをテーブルに置き開く。

シュワー

ケースの中から冷気が噴出される。

「確かに依頼は完璧ですね」

「それはもちろん。依頼は迅速に確実がモットーですからね」

ケースの中身?

皆さんの想像通りのものが入っている。


『天使』の生首だ。


「『天使』こと 紫村ユキオ、三十五歳『処刑』完了です」

僕は誇らしげに言う。

処刑したのは楓さんだけども・・・・・・

「さすが神谷処刑事務所だ。迅速な対応で助かりました」

「いえいえ」

社長が葉巻を咥えたので、僕はオイルライターで火をつける。

「では前金を含め精算しましょう」

「わかりました。魔夜~」

「こちらに」

「うわっ!!」

いつの間にか僕の横に現れていた魔夜さんに、

僕と所長は驚いた。

「今回のケースですと、Sランク処刑人一人とEランク処刑人一人の出張費。

大型ヘリでの輸送費。一時間以内での処刑費。その他込みで、こちらの額になります」

魔夜さんは高速でタブレットに数字を打ち込んで、

処刑費用を提示する。


『¥3,500,000,000』


「これ位の費用で済むなんてやはり『依頼』は神谷処刑事務所に限りますね」

三十五億円ですよ!!処刑人半端ねぇな相変わらず

僕は心の中で呟いた。

「少しお安くしておりますよ」

絶対嘘だ。この社長は、びた一文として処刑費用を安くすることはない

さらに僕は心の中で呟く。

「処刑費用は現金ですか?クレジットですか?」

所長は聞く。

「現金でお願いしたいものですね~」

社長は答える。

「では、ゴホン。「三十五億円トランスポート」」

所長は魔法を詠唱した。

「トランスポート」トランスポートの前に呼び出したい物の名前を言うことで、

それをその場に出現させる上級魔法。

山のような大量の札束が廊下の前に出現した。

「魔夜。数えて」

「わかりました。「カウントアップ」」

「カウントアップ」物をすぐに数字化させる下級魔法。

銀行マンがよく使う魔法だ。

「確かに三十五億円ぴったりあります。流石です。ご利用ありがとうございました」

魔夜さんが頭を下げる。僕も頭を下げた。

「では、また手におえない凶悪犯罪者が現れた時にまた『依頼』しますよ」

そう言って、所長は札束の横を通り、玄関から帰っていった。

『天使』の生首が入ったケースを持って。


ガチャ

「依頼完了だね、お疲れ~」

「お疲れ様です。ぶっ!!」

また僕は鼻血を出す。

タオル一枚の姿で楓さんが浴場から出て来たからだ。

「また鼻血だして~このドエロ!!」

「僕には刺激が強すぎます!!」

パサッ

楓さんが両腕を振り上げたことで、

タオルは床に落ちた。

そこには楓さんの素晴らしい裸体が・・・・・・

ブシュー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

僕は大量の鼻血を吹き出して意識を失った。


ばたんきゅー


処刑対象『天使』処刑完了。

処刑場所「NEO東京エンターストレイトビル」


依頼№42『天使』


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