第二話:軍師と勇者
家に帰ると、先程出てきた時と全く同じ状態だった。
取り敢えず青年と一緒に軽く片付けをして、テーブルを挟んで話し合う事にしたのだった。
「…で、さっき色々と言ってくれちゃってた訳ですけど?」
「ん?あぁ、そうだな」
割と真面目に話した筈なのに、この飄々としたというか、マイペースなのはどういうことだろう。
まぁ、それを言っても仕方が無いので話を進めることにした。
「…で、結局『強さ』で足りない物って何なわけ?」
「…さっきも言ったけど、『知識』と『策略』だ。さっき俺がやった見たいに、単純な力ではなく、その前から自分が有利になるよう相手を動かす事…かな」
「…知識と策略…ねぇ…だけど、それを手に入れてどうしようっての?」
「それは今後の事も含めて言うんだが……」
青年は少し考え込むようにした後、口を開いた。
「…ちょっと人助けしてみないか?」
「……へ?」
真意が分からない、それも突然の提案だった。
「…あぁ、そうだ、人助けだ」
もう一度繰り返す。もうこの時点で自分は後のプランが決まっている。
これに乗ってくれるか、と言うのが問題なのだがーーー
「…何をするのよ?」
ーーー食いついてきたので心配する必要はなさそうだ。
「…まず、こっから東に半日歩いた所に『レージャ』って言う街があるから、そこに行こうかと思う」
「…そこに何かあるの?」
「……何かが『ある』んじゃなく何かが『起きる』ってのが正しいかな。まぁ行ってのお楽しみって事で」
「…はぁ…まぁいいわ、この家に篭ってても別に何もすることないし、一応付いて行ってあげる」
完璧に予想通り。確かゲームで仲間になる時もこんな設定では無かっただろうか。
まぁそれは兎も角、これからの大凡の予定は決定した。
ーーーさて、次の「イベント」に向けて策を練るとしよう。