表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
━奇怪な一ヵ月━  作者: ☆こぐま☆
2/3

#01 一日目

7月4日(火)


━8時25分━


 昨日の大雨から一夜明けた今日。ちょうど昨日までずっと大雨が続いていた。だが、今日は昨日までの雨とは真反対の好天だった。

 俺は鋭い太陽の光が当たっているアスファルトを音楽を聴きながら歩いていた。久しぶりの暑さに頭をボーっとさせられてしまう。

 「今日の体育は汗かきまくりだな…」

 忌まわしい太陽を睨み付け呟いた。


━8時30分━


 学校に着いた俺は3階にある教室へと早歩きで向かった。窓から吹く風は生暖かく、俺は不吉な感じがした。ここは3階だから風通りが良い。夏は冷たくて気持ちの良い風が吹いてくるはずなのに……。

 「おはよー」

 いつもと変わらない教室に入り、クラスのみんなに挨拶をする。

 「おいっ!!またギリギリかよ!!」

 俺の親友、匡藤龍太が机の上に座りながら叫ぶ。

 「いいじゃんかよ。先生も来てねぇんだし」

 チラッと教卓を見て後ろの席に目を向ける。


 あれ……??

 …………??


 後ろの席に見知らぬ少女がいる…。

 「なぁ龍太…」

 「なんだ??」

 「あの後ろの席に座ってる子…誰…??」


 「何言ってんだよぉ!!小神ちゃんじゃないか!!」


 は…??

 あんな子知らねぇよ…。

 「あ、もしかして転校生か??」

 「お前寝ぼけてんの??俺たちのクラスメイトだぜ??クラスメイトの顔も知らないなんてどうかしてるぜ」

 転校生じゃないのか??そもそもクラスメイトってなんだよ。あいつ見たことねえっつーの。俺は馬鹿だけどちゃんとクラスメイトの名前と顔は知っている。知らないわけがないはず…なんだが。

 「俺、あいつ知らねぇんだけど…。龍太の方こそ寝ぼけてんの??あいつぜってーいねえから」

 「は??お前大丈夫か??小神ちゃんはもともとクラスメイトだって。じゃあ他の奴らにも聞いてみろよ」

 龍太の言われるままに口うるさい有田一の所に行く。

 「一…、小神って子知ってるか??」

 「あぁ。クラスメイトじゃん」

 「本当にか??」

 「そうだって言ってるだろ??出席簿。あれ見てみ」

 教卓の上に上がっている出席簿を手に取る。

 そこにはちゃんと小神という名前があった。昨日までは無かったのに。



━17時10分━


 これは夢、夢なんだ。現実なわけがない。現実だとしたら…俺はどうかしちまってる。だって俺以外のみんなは昨日までいなかった存在を認めている。

 あの後、女子にも聞いてみたが答えは全く同じだった。

 でも確かに、確かに昨日までは小神はいなかった。29名のクラスだったはずなのだが、今は30名になっている。こんな奇怪な事在るわけが無い。

 だからこれは夢だ、俺は強く信じる。

 明日の朝起きればきっと現実だ。夢から覚めて現実に戻っているだろう。


 そんな事を考えながら家路に着いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ