第四話~命を奪う【後編】
機密情報処理班・第三分隊所属員紹介
キノコ派~アルマ・シリウス
タケノコ派~クレメンス・ボンド
タケノコ派~ロジェ・タリス
タケノコ派~ノウマン・アント
キノコ派~クロード・エイス
タケノコ派~アガト・リン
キノコ派~イリス・フェイト
タケノコ派~カロリーナ・ジェニー
煙草屋前の通り~
「あ~最悪。怒られる」
柱に凭れ掛かり、新聞を広げ項垂れる、イリス。
「まさか、突然きたクロードが、先に乗り込むとは、予想してなかった」
「アルマ先輩が、一人で帰るから…」
「くだらない出世争いに、私を、巻き込まないでくださいよ!」
煙草屋を見張るイリスの背後に、そっと立つ、アルマ。
「どの人物だ?」
「・・・先輩、何時から聞いてました?」
平然を装い、新聞を畳む。
「その質問に、答える必要が?」
横目で睨み、威圧をかける。
「…先輩の鬼!」
新聞を取り上げ、広げたアルマを、半開きの目で睨む。
「あの店主です。ずっと見ていましたけど、逃走の気配はありませんよ」
煙草屋に目を向け、アルマに指し示す。
「気配がない?」
クロードが、噓の情報を吐いたか。
あの男が、そんなリスクを取るわけが無い。
だとすると、あの店主がクロードを信頼し、逃げないだけか。
蜜月の関係であれば、あり得る。
信頼関係を築いていた場合、漏洩が一度だけとは思えないが?
「話を聞いたほうが早い…」
新聞を捨て、イリスを置いて、煙草屋へ近づく。
「待ってください。はぁ~また?」
勝手に動く先輩共に翻弄され、呆れた溜息を吐く。
カラン。カラン。
「いらっしゃい。どれにする?」
椅子に深々と腰掛けた店主が、商品を指差す。
「情報を買いたい。いくらだ?」
カウンターに片肘を付け、指先でテーブルを優しく叩く。
「…悪いが、そんな品は、扱ってねぇよ」
椅子から腰を上げ、売上の確認を始める。
「…そうか。失礼、店を間違えたようだ」
後ろを向き、店を出ようとする、アルマ。
「情報通りだな…」
バン!
客が居ない店に、一発の銃声が鳴る。
「動くな。おとなしく投降すれば…」
店の裏から入り込んだイリスが、店主の頭を打ち貫く。
「あ、やば!どうしよう。癖で頭を撃ちゃった…」
パニックを起こし、店主の頭を押さえる。
「作戦通りでは無いが、問題ない。それは、黒だった」
イリスを落ち着かせ、店主の腕に握られた銃を指差す。
「あ…クロード先輩の情報、本当だったんですね」
血の付いた手を、店主の服で、拭き取る。
「私達に突入させて、返り討ちに遭う事を、狙った?」
「いや。僕達の情報を渡した者は、クロードではないだろう」
カウンターで、仕入れ表と取引先の宛名を、照らし合わせる、アルマ。
「この店は、煙草屋を装った、情報屋で間違いない」
「だが、クロードは、この店の客ではない」
情報屋。
必要があれば、裏にも、表にも、情報を売る職種。
隠れて暮らす公国人をターゲットに売る情報屋が居るとは、聞いていたが…
この情報屋が、公国人に売っているとは、クロードは、知らなかっただろう。
公国人の情報が漏れること自体、情報処理班としては、忌々しき事態。
公国人嫌いのクロードが、組織に反する行為をしていたとは、思えない。
この情報屋が、独自で、僕達の情報を仕入れていた。
あるいは…
ポケットに入れていたイリスの通信機が、音を出す。
「アルマ先輩。リンから通信です」
イリスから、通信機を渡される。
「あ、アルマ先輩。大変、言い難いことに・・・」




