第二話~人ならざる者【後編】
機密情報処理班・第三分隊所属一覧
主人公~アルマ・シリウス
指揮官~クレメンス・ボンド
副官~ロジェ・タリス
先輩~ノウマン・アント
同期~クロード・エイス
後輩~アガト・リン
後輩~イリス・フェイト
新人~カロリーナ・ジェニー
エレベーターを降り、小さな個室へ入る。
部屋と同じ長さの机に、量産型の椅子が一つ。
机には、簡易的なモニターと黒電話が置いてある。
ここが、僕の仕事場だ。
普段は、市民の苦情を扱う窓口で、仕事をしている。
全員が、同じ職場では無いが、
情報の集めやすさから、この仕事に就く情報処理班は多い。
コンコン。
「お疲れ様。お昼どうする?」
窓口の仕事仲間が扉を開け、顔を出す。
「僕は、大丈夫だ」
「どっちの大丈夫だよ」
「…要らない」
「了解。ちゃんと食べねえと、夜まで持たないぞ」
ご覧の通り、地下よりも、良い環境にある。
コンコン。
「僕は、お昼は要らないと…」
「アルマ、任務だ。北区、15番地、工事」
扉越しに、必要な情報が与えられる。
「はい…」
夜までは持たないかもしれない。
何か食べてから、行くべきか…
機密情報処理班の仕事は、世には出ない。
平和を維持する、裏のお仕事になる…
作業着を着たアルマが、解体作業中の、シートで覆われた家に入る。
「遅かったな。現場監督さま」
割れたガラスを避けて歩くアルマを、
階段ですれ違った時とは違う笑顔のクロードが、出迎えた。
「随分と、嬉しそうな顔をしているな?」
「誰かさんのおかげで、昼飯代が、浮きましたので」
帽子を取り、軽く頭を下げたクロードが、口角を上げる。
「…状況は?」
感謝の言葉に、気味が悪さを感じながらも、
倒れた死体を見下し、クロードに尋ねた。
「夫は、撃ち殺した。逃走中の妻と子は、リンが追跡中」
なぜ、見張りをさせていたイリスではなく、リンが追跡を?
「クロード…君が夫を?」
目を殺した表情のアルマが、死体を指差す。
「夫が刃物で襲ってきたため、俺が反撃した」
「こっちも、潜伏した公国人の情報を集めていたんだよ」
アルマを、睨みかえす、クロード。
「知らなかったんだから、任務中の事故だろ?」
こちらの情報を渡し、警戒する一家の元を訪問し、反撃を装った。
自分達は、一人消して手柄を上げ、逃がした責任は僕達へ。
よく考えられた策だが…
「・・・間違いだな」
頭を抱えたアルマが、呆れた声で呟く。
「何?」
逃走する二人を追うリンから通信が入る。
「すいません。先輩!」
「…何があった?」
眉間にしわを寄せ、拳を握る、クロード。
「えっと~逃げられましたね~」




