第十一話~久々の花見【前編】
【花より団子】・【団子より花】?
花~アルマ・シリウス
団子~クレメンス・ボンド
花~ロジェ・タリス
花~ノウマン・アント
団子~クロード・エイス
団子~アガト・リン
団子~イリス・フェイト
花~カロリーナ・ジェニー
団子~ピーター・ハラルド
時は戻り~
雑に開けられた扉から、ぞろぞろと、雪崩れ込む人間。
立ち並ぶ集団に驚き、もたれ掛かった椅子を倒し、立ち上がったイリス。
集団の先頭で入って来た男の前に、立ち塞がる、ボンド。
「・・・これはまた。どの様な、ご用件で?」
黒いスーツの懐から、書類を取り出す、ハラルド。
「アルマ・シリウスに、スパイ容疑がかけられた」
目の前に突き付けられた書類には目もくれず、造り笑顔を見せ、ハラルドの表情を窺う。
「・・・何故、”総督”自ら”こちらに出向かわれて?」
「・・・私は、総督ではないが、北区の管理者として、こちらに来ている」
「それだけ重大な件だと・・・でしたら、なぜ、第一班ではなく、第二班をお連れに?」
造り笑顔を止め、真顔でハラルドを見詰める。
「逃亡の恐れがある為、直ぐに動かせる、私の第二班を連れて来たのだが…」
真顔のボンドを、冷たい眼差しで睨む。
「何か問題が?」
無言で見詰め合う両者。
張りつめた空気に、萎縮して息を吞む、周りの部下達。
表情を、造り笑顔に変え、ハラルドの手を握る。
「その捜査、第三班も、協力しましょう」
握られた手を解き、ボンドの肩に手を置く。
「その必要は”無い”」
「はい?」
「この件は、第二班”のみ”で、捜査を行う」
地下室の一室に、集められた第三班。
「珍しく呼び出されたと思ったら、クロードの件ですか」
上を向き、ため息を溢す、ノウマン。
「仲間の死に、ため息を溢すなんて、ノウマンさんは”非道”ですね」
涙を堪え、ノウマンから顔を背ける、カロリーナ。
「何時までも死を引きずっていると、目の前の犯罪者を逃がす事になるよ」
「はい?分かりました」
頭に?を浮かべながらも、ノウマンの発言を、一言一句メモに執る。
「しかし、随分と、大事になりましたね」
机に肘を置き、険しい表情を、手で覆い隠して座るタリスに、視線を向ける。
「・・・ボンド室長」
「ん!な、何かな?」
部屋の隅で、密かに、アルマと連絡を取っていた、ボンド。
「今回は、どのような言い分を?」
おおらかな表情の目の奥には、確かな怒りが感じられる。
「いや~それは・・・武器製造事件を、覚えているかい?」
愛想笑いを止め、席に戻ったボンドは、神妙な面持ちで語り始めた。
「確か…三年前に、私が調査していた事件ですね」
「あの事件は、一通の告発によって、発覚したんだけど…見つからなかったんだ」
「残念ながら、公国人との関連は、見つけられませんでしたね」
不服そうな顔で、机に置かれたお茶を飲む。
「ノウマン。君は、通報者が誰か、調べたのかな?」
「通報者?調べていませんね。それは、第二の仕事で・・・ああ、そういう事でしたか」
椅子から立ち上がると、扉の前に立ち、外の様子を音で探る。
険しさを増す、タリスの表情。
「・・・証拠は、あるんですか」
「まぁ、安心したまえ。アルマが、重要参考人を捕まえれば、問題は解決だ」
部下の不安を晴らそうと、立ち上がり、後ろに腕を組んで、胸を張る。
「あ~。その重要参考人?死んだみたいですね」
「・・・」
おおらかな表情を造るタリスから、顔を背けるボンド。




