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チョコレート

作者: 常花
掲載日:2025/09/23

学校帰りにコンビニで買うチョコレート。おつかいのスーパーで余ったお金で買うチョコレート。デパートで買うちょっといいチョコレート。どれも甘くて、美味しくて、私の一番好きな物。でも今日は、ちょっと挑戦。お父さんが、「甘いものもいいが、苦いものもおいしく食べてこそ大人になれる」って言う。そうかなぁ?と、私は思うけど、苦いチョコレートもおいしく食べてこそ、チョコレートが好きだと言える気がして。勇気を出して、苦いチョコレートを。学校帰りに、コンビニのいつも買ってるチョコレートと同じ会社のココアが多いものを買った。レジに行く手前で少し不安になった。「今日じゃなくてもいいんじゃないかな」、「やっぱり苦いチョコレートは私には早いんじゃないかな」そう思ったけど、一度決めたのならやり遂げないと。レジを通して、お金を払って、家に持って帰った。

帰ってきて、手を洗ったら、早速一口目をぱくり。とっても苦い。やっぱり私には早かったのかな。でも開けちゃったからには食べなきゃいけない。苦くて、甘いチョコレートじゃ全く感じない粉っぽさも感じて、別のものを食べてるみたいだった。こんなものをおいしく食べられる大人はすごい。必死に食べて、なんとかなくなった。まったくおいしく感じない。口の中がまだ苦い。口をゆすいで何度も水を飲んでも、食べた時に感じた感覚は中々消えてくれなかった。大人になったら、おいしく感じられるのかな。まだまだ子どもの私には早かったかな。そう思いながら、もう二度と買わないと心に誓った。

新しい友達ができた。かっこいい男の子。とっても賢くて、運動もできるし、それに優しい。一目ぼれだった。こんな人が恋人になったら、そう思ったらドキドキが止まらなかった。もうちょっと仲良くなって、告白しよう。他の誰かに取られる前に。そう思ったら、甘い胸の内よりもうんと甘いものが欲しくなってきた。普段は明るい茶色のチョコレートだけど、今日はもっと甘い白いチョコレートを。早速帰り道にコンビニで買ってきた。とっても甘くておいしい。普段から白いチョコレートにしようかと思うけど、この甘さは食べすぎると毒になりそう。やっぱり普段は茶色いチョコレートにしよう。

男の子ともっと仲良くなって、告白した。でも、男の子は私のことを友達だと思ってたみたい。友達でいようとは言われたけど、恥ずかしすぎて合わせる顔がない。明日の学校どうやって男の子と話せばいいのかわからない。私だけが舞い上がってたみたい。毎日学校帰りに買っているチョコレートも、今日は食べる気になれなかった。普段は風邪をひいてても食べるのに、今日は全く食べたいと思わなかった。でもついクセで、コンビニのお菓子売り場に気付いたら居た。もうヤケだ。今日は豪華に何個かお菓子を買ってやろう。そう思って棚を眺めていると、前に買った苦いチョコレートが目に入った。セールによって他のチョコレートと置かれている場所が離れていて、私とちょっと似てるような気がして、つい手にとってレジへと向かった。おいしくないってわかっているのに、なぜか買ってしまった。

勇気を出して、一口ぱくり。苦くて粉っぽい。でも、前みたいにおいしくないとは感じなかった。大人になったってことなのかな。おいしいとも思わなかったけど、おいしくないとも思えなくて、不思議な感覚だった。大好きな甘いチョコレートじゃないけど、このチョコレートも悪くないと思った。好きな男の子には振られたけど、またチャンスがあるかもって前向きになれた。チョコレートが好きでよかった。

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