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第5話 お前らやっと付き合ったのか

「おはよ~秋」


「おはよう。すっかり元気になったみたいでよかったよ」


「まあね。秋のおかげで風邪もすっかり治りましたよ~」


「じゃあ、学校行くか」


「うん」


 短い会話だけど僕たちの関係が変わったのは意識している。

 それは、僕だけということは無いと思いたいけど雪音がどう思っているのかはわからない。

 少しは意識していてくれてると嬉しいな。


「なあ、雪音」


「なに?」


「手つないでもいいか?」


「いきなりどうしたのよ?」


「いや、僕たち付き合い始めたんだからそれくらい良いかなって。もしかして嫌だったか?」


「いや、嫌ってわけじゃないけどいきなりでびっくりしちゃった」


「で、つないでもいいのか?」


「それは、まあ、うん」


 許可を得てから僕は雪音の手をとる。

 勿論普通に手をつなぐというわけではなく恋人つなぎだ。

 久しぶりに雪音と手をつないだ気がする。


「なんだかドキドキするね」


「言うなよ。僕だってドキドキしてるんだから。口に出されると余計にドキドキする」


「自分から手をつなごうとしてそれはどうなの~」


「うるさい。別にいいだろ。好きな人と手をつないだらドキドキするもんなんだよ」


 こいつは付き合ったら付き合ったで僕のことを散々いじってくるから困る。

 でも、昔みたいな罵倒じゃない分ましなのかもしれない。


「そっか~秋は私と手をつなぐとドキドキするんだ~うれしいなっ」


「そうかい。僕も雪音と手をつなげて嬉しいよ」


 少し自棄になりながらそう雪音に返した。

 正直数日前の僕が雪音と付き合っていると聞いたらどんな顔をするんだろうかと思いながら雪音と学校に向かうのだった。


 ◇


「やっとお前ら付き合ったのか」


 教室についてすぐに僕に詰め寄りながらそういってきた男を軽くいなして席に座る。

 こいつは同級生の田中たなか まもる

 うわさ話や恋愛話が大好きな変人だ。


「おい。無視するなよ~今日の朝お前と如月さんが手をつないで歩いてるのを結構な人数が見てたんだぞ! 付き合ったのかどうかくらい教えてくれよ~」


「しつこいぞ。それに僕たちが付き合っていようがいまいがお前には関係ないだろ?」


「それはそうなんだけど、気になるじゃん! 教えてくれよ~」


 本気でしつこい。

 こいつ絶対に彼女できないだろ。


「はぁ~わかったわかった。付き合ってるよ。これでいいのか?」


「なんか適当だな~まあいいや。やっぱりやっと付き合い始めたんだな」


「そうだよ。なんか悪いか?」


「いや、悪いってわけじゃないけどさお前たちいっつも仲良さそうなのに付き合わないから結構見てる側としてはやきもきしてたんだよ」


 なるほど。

 確かに僕たちは学校でも一緒にいることが多かったな。

 でも、あの時はいつも雪音が罵倒してきていたからそうみられてるなんて思いもしなかったな。


「余計なお世話だよ。まあ、やっと片思いが実ったから僕は雪音を離さないように頑張るだけだよ」


「ははっ。いきなりのろけかよ。まあ、頑張ってくれ~俺はお前が彼女を陽キャに寝取られて死んでる顔してるところとか見たくないからな~」


「お前、冗談でもそんなこと言うなよ」


 ため息をつきながら守にそういう。

 本当こいつはめんどくさい奴だなと思いながら一日の授業を耐え抜くのだった。

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