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来客

「で? ご相談の内容は?」

 見かけはどこにでもいるスーツを着た青年サラリーマン風の仮矢咲(かりやざき)真也(しんや)は、眼前のソファに座っている白髪が目立つ五十代半ばくらいの中年男性に問い掛けた。

「一年前、娘がこの世を去った」

 そう答えた彼の顔色は悪く憔悴している様子だ。

 配慮するように静かな間を置くと、仮矢咲は問い掛けた。

「死因は?」

 男性は今にも感極まりそうになるのを堪えるように、男性は言葉を絞り出した。

「警察では自殺だと。でも、それは嘘だ。()()()()()()()()()()

 仮矢咲は表情を変えずに返した。

「……そう思う根拠は?」

「あんたなら()()調()()()()()と聞いた」

 そう言うと男性は財布を取り出してその中身を開けようとした。が、その前に仮矢咲に両手で制止された。

「代金はいただきますが、その前にリサーチを」

「つべこべ言わずに、()()()()()()()()()()()! それができると聞いてここに来たんだぞ!」

 乱雑にまとめられた一万円札が机の上に叩きつけられ、苛立つ男性の声が事務所内に響き渡った。が仮矢咲の表情は冷静だ。

「報酬は、仕事が終わった後にいただきます」

 その真摯で知性が漂う双眸に、思わず男性の威勢が削がれる。

 仮矢咲は居住まいを正すようにスーツの襟を両手で真っ直ぐにすると言った。

「何故、しつこく聞くかを十分にご理解いただきたい。これは()()()()()()()()です。暗闇の中に足を入れるのと全く同じ。何の下調べもなしに踏み込むと、二度と戻って来れない可能性があります。()()()()()()


 



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