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第四十三章 デイティ様---バックグラウンド---(2)

幼いころから母に何度も聞かされる話・・・


(ナインファーナスを守らねばならない、

 アリスダリア姫君から6分の1も

 ソウルエネルギーを、貴女(あなた)は頂いたのよ)


大分、後で知った1年戦争の終結頃の話。

旧古都で起きた爆発に、小さかった私は

巻き込まれた。


お姉さまは、ご自身の命で私の命を(つな)

留めてくれたのだ。


私の一族は大昔から【魔神(マシン)】と呼ばれ、

始祖はドラキュラでは無く、セイントを

片親に持つと言われている。


私は純粋にあの人の子供で、父親は知らない。

母は何も語らないし、私も何も聞かない。


お姉さまには聞けば教えてくれるかもない。

ただ・・・


◇◇◇


2221年04月14日(土)AM9:00


古都地下1階エリアに存在する、

古都ポルテシティでは、1日の時間の

推移(すいい)で、夕方に向けて光が、オレンジ色

に変わり、徐々に暗くなり、夜を迎え

られるように、数百万基の人口灯が、

天井を始め、各所にセットされている。


地下1階の市内を走る公共の車両の(ほとん)どが、

SCC(超電磁回路)によって地面から

30センチほど浮き上がって走っている。


元々 地上に在った、国市道も町村道も

車道の全てが、この地下1階に張り巡ら

されていた。


JRリニアチューブ鉄道を使って、

新京都ポルテ駅で降りた僕たちは、

ホームのある地下5階から、一旦 

エレベータを使って、実際の地上に出た。


放射能は除去装置を使って40年前から

人に害のない通常値に抑えているそうだ。


まぶしい太陽の暖かな光を感じて、

自然と穏やかな気分になる。


自動車のエンジン音やクラクションが

聞こえないせいか、小鳥のさえずりや

子供の声だけが良く聞こえる・・・・・


元の京都駅のあった一帯の敷地は

緑地に変わり、芝生公園や大きな池に

森林、子供の遊ぶ遊具などが点在している。


その中でも特に目を引くのは、大きな

噴水のある横に、白い大理石製の

ストーンヘンジを模した、

死亡者を祭るモニュメントがあった。


今は、このモニュメント以外、

戦争の形跡を残すものは一切何もない。


・・・・・・ふと思う。


生物は何万年を()ても、戦いで多くの

仲間が死ぬと、どの星でも不思議と

同じ様なモニュメントを作成する。


惑星問わず、生物のDNAに

刻み込まれているかのように・・・


ただ残念に思うのは、この惑星の

生物も数万年、数千年の過去において、

苦労して作成したであろうこの石柱が、

なぜ世界各地にあるのか・・・


ほぼ、すべての人間の記憶から

忘れ去られてしまっていることだった・・


公園内の芝生の上をゆっくりと歩く。


二人の公園を歩く姿は、本来であれば

恋人同士に見えるだろう・・・・・


それは一方の女性はどう見ても190㎝は

越えようかという長身で、モデルの様な

スリムで抜群な容姿が黒のワンピース越し

からも見て取れた。ただ・・・


黒のお洒落なショートブーツに、黒っぽい

レースの手袋、海外の葬儀で見られる 

黒のトーク帽に黒のベールが(おお)っており、

顔は良く見えない。


見れば見るほど(おごそ)かではあるが、他で

葬儀に参列していたかの(よう)()で立ちで

有る為、この公園内においては不思議で

シュールな感覚に襲われる。


男性の方も、黒のスリムな上下スーツと

グレイのシャツに銀色のネクタイ。


身長は同じく190㎝位で20歳代後半か、

若く見える。


スーツの上からでも判る、発達した胸筋と、

後ろ姿も長い脚の付け根付近は、太いが

(すね)の関節に向かって絞られ、

筋肉でアップした尻にかけては、

スーツの裾野が少し膨らみ、

綺麗なラインが出ているのが解る。


髪の毛は、黒茶色で前髪も長めで

サラサラしている。


日焼けの無い、白い顔はおぼこさも

残しながら、鼻筋が通り 睫毛(まつげ)が長く

目の色も茶色いせいか、 

ユニリカ人とのハーフにも見える。


陳腐な一言で美形でハンサムだ。

黒い靴だけが革でなく動きやすい

スポーツシューズだったが違和感はない。


傍から見て葬儀に行くのかな……と一瞬 

感じてしまうが……だが何か違う……


周りにいる 多くの子ども連れの母親たちと

相まって、異質で大きなサイズの母子にも

見えるのだった。


・・・・・子供たちの遊ぶ、遊具の軋みと

にぎやかな声で現実に引き戻される。


噴水の水の音が急に耳を叩く。


公園を散策しながら、久しぶりに綺麗な

空気を満喫して、嬉しくもなった。


珍しくはにかむ僕を見て


「この星が好きですか、デイティ様。」


明るく話しかけてくる。


彼女の名はプリム・ラヴァ……

大好きなプリムラジュリアンから

僕が付けた名前だ。


「ラヴァ。久しぶりに来たけど

 ここは前から気に入ってるよ。」


「ここ(ジアース)に来るのはあの時以来、

 ここの時間で70年ぶり位です。

 民度も技術もまだまだ原始と言えますが……」


ラヴァが、めずらしく悪態をつくのには

理由があった。


僕を心配しているからだ。

前の様なことが起こらないか……


「ダーシィを襲った奴らは消した。

 取り敢えずの脅威はもう無いだろ。」


この星での僕の名は最残 佞人(もざん でいと)


この星の中でも大好きなジパンガー(倭人(わじん)

を名乗ることにしている。


「反物質制御、いやいや反重力理論すら

 まだ出来て無いんですよ、

 量子も霊子もディメンションも

 モノジトリまで……トホホですよ……

 こんな原始人の惑星にデイティ様が

 また降立つなんて……トホホですよ……」


ラヴァのぶつぶつが止まらない。


ラヴァには解っていた。


お優しいデイティ様が80年前の事で

後悔し、悲しんでおられるのに明るく

振舞われていることを……


また必要以上に時間をかけられて、

この都市をお創りになられたことを……

そして今回の一番の目的は

姫君にお会いすることも……


ラヴァは思いっきり笑顔を作って、


「デイティ様、想像していたプロセスとは

 違いましたが、姫君とお会いする事が

 出来ましたね。」


「ラヴァ!ペテルギウスの量子波を

 (さえぎ)れるように、ヘリオスフィアに

 多くのコズミック粒子を補強して

 おいてくれ!」


地球から見える恒星(こうせい)で、オリオン座の

一角を成すペテルギウスは、

この惑星年歴で、200年程前に爆発を

起こしていた。


人間が目視で確認できるのは、約600年

後だが、銀河内に飛散した量子物質の

一部は、すでに太陽系に到達を始めていた。


「デイティ様、過保護が過ぎますって。」


「ラヴァ!」


「はい!(かしこ)まりました。」


デイティ様 アリス姫君にお会いになられて

から、実はものすごく、ご機嫌ね!


「ラヴァ、銀河中心のAスター方面に

 発見されているビーストを根絶する。

 今夜 出発する。至急、用意を!」


「デイティ様、人使い荒いですって。」


◇◇◇


1年戦争ののち 焼け野原となった

旧京都市は、新条例により

地上には幼稚園から大学院、専門学校等の

教育機関と国家機関、地方機関、また

元々存在した社寺仏閣、認められた企業、

ホテルのみが建設されていた。


街の中央部分には、京都御所や破壊された

神社、仏閣等が再建され、平安時代さながら

の街並みが再現されていた。


そして大型商業施設、サービス業、風俗業等、

小売り商店、公共交通網などは全て、

地下に移設されたのだった。


◇◇◇


有難うございました。

続きが読みたい。いい感じ。興味ある。仕方ないな。

関心を持って下さった皆様。

【★★★★★】をお願い致します。

とても励みになります。

ブックマークも出来る方は、

どうぞ宜しくお願い致します。(りん)

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