表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/56

第四十章   ---キメラ17号---  (6)

ババッババッバババババ・・・!


MP7A2と呼ばれるサブマシンガンを、

バーカウンター越しにボーイ風の若い男は

鬼の面を付けた忍装束(しのびしょうぞく)の男に向かって、

不意に撃ちまくった。


薄暗い店内に何度もフラッシュが起きる。


忍装束の鬼の面を付けた男は、微動(びどう)だに

しておらず、ダムダム弾の爆発も起きない。


(あずさ)は、薄暗いバーの出入口近くで立ち止まり、

振り返って立ったまま、大きめな声で・・・


「・・・やめなさい!・・ジョバン、

 怒らせないで・・・」


けたたましくフラッシュと共に、鳴り響い

ていた銃声が止み、静寂(せいじゃく)が戻る。


白灰色(しらばいいろ)の煙と硝煙(しょうえん)の匂いが辺りを(おお)う・・・


階下でパスパスと銃声が聞こえている。


バラバラバラバラバラ・・・・


鬼の面の男の忍装束(しのびしょうぞく)の前面から、多くの

銃弾が、タイル張りの床に転がり落ちる。


「ジョバン・・そんな玩具(おもちゃ)(ほふ)れるわけ、

 無いでしょう!」


(あずさ)苛立(いらだ)ちの感情が見える。


黒鬼(くろおに)さん、貴方(あなた)に聞くわ・・・貴方の

 仲間は近くにいるのかしら・・・」


鬼の面の男は忍装束を手でハタキながら、


「お主が(それがし)の質問に答えたなら、教えて

 しんぜよう。」


「・・・あら、何かしら?」


「先日、この近くで狙撃事件があったと聞く。

 お主らの仕業(しわざ)か・・・」


少し間があって、(あずさ)が口を開く・・・


「私もその話は、あの人から聞いたわ。

 ただ、我々の組織の者では無いことは

 確かよ。」


黒鬼(こっき)は少し、考えたような素振(そぶ)りをして


「・・・(それがし)の仲間が、近くに居ることは

 ない。そもそも某も、あの人からの

 (めい)が無ければ、人前に姿を(さら)す事も

 無かったのだ・・・」


「・・・フフフ、あの人か・・・貴方(あなた)

 同じなのね・・・又、()いましょう。」


そう言い残して、(あずさ)は風のようにバーの

出入口から外に出た。


(・・・ソウルを持つ化成体(キメラ)か・・・

 お(じょう)は信じるかのう・・・)


(あずさ)が外に出たのに合わせ、黒鬼(こっき)

転移により姿を(かす)ませながら、

若いバーテンダーに向け、


「お前は普通の人族(ひとぞく)・・・(はよ)う組織

 を抜けろ・・・」


そう言い残し、黒鬼(こっき)の姿は完全に消えた。


報告に当たり黒鬼は、嫌な予感しか

しなかった。


◇◇◇


1階のロビーでは、銃撃戦が行われていた。


生き残った化成体(キメラ)は1体だけと思われる。


ロビーの真ん中でガーダが九の字に倒れ、

うめき声が聞こえる。


「斎藤さん、待って!」


南は、今にもガーダの元に飛び出して

行きそうな斎藤を制した。


入口近くの柱の影に隠れている化成体(キメラ)

変身を始めた。


全身が黒っぽくなり、腹の部分が4倍、

5倍と(ふく)れていき、わき腹から二本ずつ

ギザギザの触角の付いた(とが)った足が

出てきた。


身長も2倍ほどの大きさになり、蜘蛛(くも)

様相(ようそう)(てい)してきた。


斎藤の持つM50A1と呼ばれるカービン

から1秒間に12発、合計40発もの

メタル弾が、化成体(キメラ)にヒットした。


しかし硬い外皮に弾かれ、全く通用して

いないのが判る。


その時、裏の扉から南が飛び込み前転で

ロビーに入って来た。


右手にマグナム程の銃口が見える。

いや、よく観ると右腕と一体化している。


「対ショック、対閃光(たいせんこう)防御(ぼうぎょ)!!」


南は大声を張ると、大型の蜘蛛(くも)化成体(キメラ)

(かく)れる柱に向けて、大口径(だいこうけい)の右腕を

かざした。


「・・・・・はあっ!!」


気合と共に、直径80センチ以上の

白い光が、南の右腕から放たれた!


蜘蛛(くも)(つか)まって隠れている

大きな柱に向かった。


瞬間、光の(たば)は柱ごと貫通(かんつう)して、

大型の蜘蛛(くも)は柱と共に蒸発(じょうはつ)した。


太いレーザービームとなった白い光は、

1階の建物の外壁(がいへき)も貫通して大空に

逃げていった。


(これがLight-Hand(ライト-ハンド)と言われる

 所以(ゆえん)か・・・)


斎藤は、神々(こうごう)しい物を見せてもらったと

少し畏怖(いふ)の念も込め勝手に崇拝(すうはい)していた。


(ガーダを霊法師に()せないと・・・)


斎藤は我に返る。


脅威(きょうい)は一応去ったと判断して、後ろの

扉から慎重(しんちょう)に千葉流師範(しはん)1人が

顔を出した。


残り2名はまだバックスペースで

見張りを継続している。


その時である、入口側の外から、

カービンのオートモードで速射する音が

聞こえてきた。


「・・・デインさん!・・・」


外から入口側に回って来ていた、デイン

と霊法師3名が敵と遭遇(そうぐう)したようだ。


「斎藤さん、師範(しはん)一人(ひとり)とまた裏口を出て、

 入口側に回って下さい。」


「判ったぜ・・・」


斎藤は風のように音を立てず、後ろの扉

から出ていった。


◇◇◇


2階に降りた(あずさ)は、1階で速射の銃声が

したと思ったら、窓から大きな光の束の

レーザービームが空に抜けるのを見た。


梓が1階をサーチすると、もう化成体(キメラ)

1匹も残って居なかった。


2階の窓から下を除くと、まだ4人の

人影が見えた。


「・・・・もう、困ったわね。」


地下に降りる隠し通路は、建物に隣接(りんせつ)

して外にあったのだ。


梓は2階の窓から、そっと飛び降りた。


ただ霊法師が居たため、()ぐに魔素感知(まそかんち)

に引っかかった。


30メートル離れてはいたが、デインは

訓練以上にカービンを素早く構え、フル

オートで撃ったが、直ぐに辞めた。


よく観ると赤いバスローブを着ていて、

女の子だ、温泉の客だと思ったのだ。


デインは慌てて、大声を張りながら、

近づいていく・・・


(何発かは当たっているはずだ・・・)


「・・・あちゃ~、大丈夫ですか~!

 すみませーん!」


「ああ、あれは温泉客ですね・・・」


霊法師たちも口々に、怪我をしているはず、

治さないと、と呟いている。


赤いローブを着た女の子は、建物の側面

の壁にすーっと消える様に入った。


梓は地下に向かって、金属梯子(きんぞくはしご)の付いた

穴に入り(ふた)をした。


地下二階に取り()えず降りて、緊急で

修理した転送マシンのサークルに入った。


転送機の端末を叩き、自爆装置の

スイッチを入れる。


「私を殺し屋たちと一緒にしないでね。」


彼女の身体が消えると同時に小規模の

爆発が起こった。


◇◇◇


デインには裏口から回ってきた斎藤が

こちらに来るのが見えた。


デインは大声で斎藤に向かって、


「赤いローブの民間人を撃っちまった~

 その辺の扉で倒れているはずだ~!」


デインは罪の意識と涙でもう前が見えて

なかった・・・


ズズズズーーーン


地面が振動した。


全員が一旦しゃがむ中、デインだけは

建物の外壁(がいへき)沿()いに片手を付きながらも、

前へ進む。


すると建物に接して金属の正方形の

点検口(てんけんこう)の様なものが存在し、隙間(すきま)から

煙が上がっていた。


銃口を隙間(すきま)に入れ、テコで持ち上げる

と、下水道の入口の様に金属の梯子(はしご)

下に延びていた。


「・・・あああぁ~・・・」


デインは彼女はここに落ちて、息絶えた、

どんどん想像は膨らみ、降りて行けず、

固まっていた。


少し時間を置いて、レスキュー部隊や

DMAT救急(きゅうきゅう)車両(しゃりょう)なども駆けつけ、

ガーダは一命を取り留めた。


ただ重傷者はガーダ以外、見つけられず

赤いローブを着た女の子は、化成体(キメラ)

の仲間だったのではと、結論付けられた。


続けて科学調査班CSIのワイアット・

ダンカンと関西州警察の三宅警部が

別々のヘリで、調査チームを引き連れて

やって来た。


ワイアット・ダンカンが、まずミナミを

見つけると、


「先輩!お疲れ様でした、大変でしたね!

 ホント、ミナミ先輩が居なかったらと

 考えたら、恐ろしくなります。

 流石(さすが)は先輩、今回の事でまたDHSで

 昇格しますよ・・・」


ダンカンは南と直接 会うのは2年ぶりと

いう事もあって話が長い。


部下に全部、仕事を押し付けて、


「先輩、晩御飯、ご一緒できますか?」


ミナミの顔がだんだん怖い顔になる。


「ワイアット!このまま夜も仕事でしょ!

 私は先に帰るわ。あとヨロシクね!」


そこに、三宅警部がやって来て、


「へぇ~その右腕の銃、どうなっている

 のだ?繋がっているのかね。ヘぇ~」


一言多いタイプの彼にダンカンが、


「三宅警部!建物の1階に変な死体が

 ゴロゴロあります。行きましょう!」


ダンカンがミナミを見てウインクする。


その後ろをデインが、女の子は死んでない

と言われているのに、まだウロウロしている。


こうして、後日 転送マシンについての

大きな問題が起こるのだった。


◇◇◇

有難うございました。

続きが読みたい。いい感じ。興味ある。仕方ないな。

関心を持って下さった皆様。

【★★★★★】をお願い致します。

とても励みになります。

ブックマークも出来る方は、

どうぞ宜しくお願い致します。(りん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ