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第三十六章  ---キメラ17号---  (2)

2221年04月13日 PM13:00


魔霊法大学国立図書館の表門の外に、

東屋(あずまや)のような簡易な建物があった。


そこには、図書館の予約や希望書籍の

存在を、確認する為の端末が置かれ

ている。


在書の確認等は、学生や職員であれば

外からIDを使って図書館のブースの

利用予約等も含め可能だが、関係者以外

の一般人が、ブースの予約する場合は、

この端末を利用するしかなかったのだ。


その東屋(あずまや)の近くに四つの影があり、


「俺が調べて来る、ダリン、

 お前等は(あた)りを見張れ。」


大学全体が休講のせいで、人影は

(まば)らだが、ゴンザは念のため

図書館周辺に人除(ひとよ)けの結界を張る。


四つの影が消え、一つの影は東屋の

端末の前で像を結び、実体化した。


黒く(かす)んではいるが、首から下に

(たこ)の様に多くの太い腕が、生えて

いるのがそのシルエットからも

判った。


ブル研究所の梓理事(あずさりじ)からの命令で

4体はここに来ていた。


東屋(あずまや)で調査中で(たこ)のような者が

〈ゴンザ〉、周辺を見張っている

3体の中のリーダーが〈ダリン〉

といった。


東屋内(あずまやない)のタブレットに触手(しょくしゅ)を乗せ、

ゴンザは(つぶや)く。


「やはり深くは潜れねえか・・・

 パピリオ・プロテノール・・・

 職員か・・・詳しいことは中で

 (つな)がないと解らねえ・・・」


挿絵(By みてみん)


図書館の予約データーのセキュリティ

を、やすやすと突破してそう(つぶや)いた。


「職員の女ごときに奴が殺られる訳が

 ()え・・何があったのか・・・

 防犯カメラを()るのも、中で無い

 と無理か・・・」


(ダリン、図書館内部に潜入する。

 一体、廻してくれ。)


ゴンザもテレパシーによる感応通話(かんのうつうわ)

ができた。


◇◇◇


大昔、火星人の想像として(えが)かれた

蛸人間の様な影が、建物の裏口に回る。


図書館の裏口のロックを解除して

侵入したゴンザの影は、1階受付用に

ある端末から、10日の晩の防犯

カメラの録画映像を、簡単に見つけ

出した。


映像では10日の17:50黒っぽい

スーツの女性が3階の会議室に入る。


挿絵(By みてみん)

(パピリオ・プロテノール)


それ以降、18:50位に会議室を出て

2階に降りてから、フロアを見て周り、

結局19時過ぎには建物を出た。


ゴンザは何回か観るうち、18:00位

から何ヶ所か映像がループしている

事を突き止めた。


(ここに映る女は関係ないのか・・

 ここでマーダーと争った奴が、

 映像を消したか・・・)


ゴンザは自問自答する。


その時、外のダリンから精神感応映像

がゴンザの頭に直接流れ込む。


人除(ひとよ)けの結界を意に介さず、図書館の

外壁沿いを慎重に歩く、一人の女性

の姿がダリンの目を通して、映し

出されていた。


(・・・映像の女だ・・・)


挿絵(By みてみん)


ゴンザは少し混乱したが、ダリンに

指令をだした。


(・・・その女を捕えろ!)


◇◇◇


ゴルフ倶楽部の茶色のタイルの外壁

が大きく崩れた部分から、慎重に

先駆けの傭兵(ようへい)2名が、ライフルを

構えて入ってゆく。


内部は他の割れ目から入る陽の光で、

床に散らばる備品や壊れた調度品

の数々が見て取れる。


ここは高級会員の待合室か何かの

様だ。


内壁に扉があり、多分ロビーに

(つな)がっているのだろう。


サーマルスコープにより、壁の

向こうでナイフやピストルを持って

待ち構える3人の人影が見て取れる。


◇◇◇


ゴルフ倶楽部の内部を先行する傭兵(ようへい)の一人、

斎藤は10年前までアフリカ西部の内戦に、

ユニタリカ陸軍の秘密作戦の特務で参戦

していた。


挿絵(By みてみん)


毒槍(どくやり)を受け、左足、(すね)から下を切断

していた。50歳も近くなった事もあって

ユニタリカ陸軍を退役させられた。


それでも在軍中4つの勲章(くんしょう)に輝き、

最終階級は中佐だった。


彼が陸軍の佐官トレーナー職を

蹴ってまで、傭兵(ようへい)になったのには

理由があった。


アフリカの秘密特務で視た、大型の

8mを超える多足型昆虫の化け物たち4体。


大型ゲジゲジの吐く硫酸の雨と、その

多足が(やり)のように伸びて刺す攻撃。


多くの隊員に硫酸と思われる粘液(ねんえき)

かかり、手足が簡単に()け落ちた。


自分自身もゲジの足が槍の様に何本も

何本も降ってきて、(さば)き切れず、

とうとう左足を(つらぬ)かれ持っていかれた。


「・・・引けぇ~!退却(たいきゃく)ぅ~!」


一人でも多くの兵を助けなければ・・・


銃や魔法の火球、剣刀など全く刃が

立たない、本物の化け物だ・・・


(・・・最早(もはや)、これまでか・・・)


阿鼻叫喚(あびきょうかん)のなか、黒尽くめの男たちが

急に何処(どこ)からか現われ、私と巨大なゲジとの

間に割って入って来た。


背中に刀だろうか、(さや)(つば)が黒く真っ直ぐの

()りの無い刀が見てとれた。


挿絵(By みてみん)

( 黒蝶 )


黒蝶(こくちょう)様、私共で充分対処可能です。」


(ジパング語・・・もしや・・・

 聞いた事がある・・・

 あなた方は、あの倭の国 伝承の・・・)


出血の多かったせいで、記憶に有るのは

そこまでで、目覚めたのは救援に来た

ヘリの中だった。


300名の特務隊員を従え、生還したのは

自分を含め12名のみ。


五体満足な者は一人も居なかった。


後日、大型多足昆虫型怪物の4匹の討伐は、

自分自身、4つ目の勲章を受勲する結果と

なり、退役する理由ともなった。


少将は被害を最小限に抑えたと自負していた。

最初から800名の隊員全てを送り込まなかった

事は、本当に良かったと思うと言われた。


秘密作戦のトップにいた この少将から

他言無用で聞かされた話は、化け物を

造っている組織があって、裏で秘密裏に

戦っているとの事だった。


信じようが信じまいが、何方(どちら)でも

良いが他言無用と・・・


少将には報告しなかったが・・・

私は、夢だと思うように納得した。

そして・・・

あの時のジパング語を話した男たちが、

もし現実なら、軍部の者でない事も

悟った・・・


自分が傭兵を続ける根底には、あの作戦での

出来事があったからだ。


◇◇◇

有難うございました。

続きが読みたい。いい感じ。興味ある。仕方ないな。

関心を持って下さった皆様。

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とても励みになります。

ブックマークも出来る方は、

どうぞ宜しくお願い致します。(りん)

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