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第三十章  ---暗殺者の影---  (4)

あの核融合炉の事件から3年・・・・・


当時の私たちは、魔法や体術、各種スキルが

もう頂上近くまで来ていると本気で思っていた。


最大限に努力もした、最先端の技術も

取り入れ、爆発的に魔法能力も上がった。


私と千葉とザーネ、3人いれば、どの

特殊部隊にも、引けはとらない自身もあった。


(あの時、私は自分たちの力など、足元にも

 及ばない化け物の存在を知り、またその

 化け物を陰で倒している存在を知った・・・)


それからサイエンスコマンドで、幾つもの

事件に(たずさ)わるうちに、ユニタリカの国土内

においても、いくつかの未解決事件があり、

予測や想像すら出来なかった事件現場の映像

を観ることができた。


今回の第三魔霊法大学の学長の射殺事件も

その一つに加わるのかもしれない。


彼女はこれらを踏まえ、仮説をたてた。


化け物共は組織的、計画的に動いており、

まだ、目的は不明だが世界中に支部を

持つ程の大きな組織である事は判断できた。


不思議な、説明のつかない事件は、西、東

問わず、数十ヶ国で起きており、組織の

スケールは間違いなく大規模(だいきぼ)と判断できたのだ。


化け物を作り出せるだけの、魔法科学力、

生物化学的にもキメラ?を作り出せる程の

高度な研究施設(しせつ)、その資力、どこかの

共産国家かとも勘ぐったが、現状 当てはまらない・・・

財閥か、オイルマネーか・・・


規模(きぼ)規模(きぼ)だけに、簡単に裏にいる組織が

見つかりそうだったが、全く尻尾(しっぽ)すら(つか)ませない。


3年前の化け物の残骸(ざんがい)をCSIが調べた結果、

細胞組織?自体がバラバラに(はず)れた状態に

なったフリーズドライのような物が常温(じょうおん)

何百年も放置された物質、一言で「腐葉土(ふようど)」の一種

との事だった。


水をかけたところ、バクテリアや菌類が

復活したものの、元々、動物細胞というより

植物細胞に近く、ただ本当に植物だったか

(いな)かすら、判断が難しいという結果に

終わっていたのだ。


ただ、彼女は世界各地の幾つかの未解決事件の

現場映像から、明らかに同じような残土(ざんど)

発見していた。


それから後、今回のように彼女のチームだけ、

違う現場に回されたとしても、有難(ありがた)い と

思うようになっていたのだ。


(他の者たちでは、見つける事が出来ない

 痕跡(こんせき)を、私なら見つけられる。)


彼女は常にそう思いを巡らせるのだった。


◇◇◇


一旦、現場からの報告を受けるため、南SC(セクションチーフ)

とクーパー主任研究員が第三魔霊法大学の

A棟2階に設けられた、地元警察とCSIの

合同捜査本部へ入室した。


「南コマンドSCの到着!!」


室内にいた100名程、全員が立ち上がり、

敬礼を行う。


南が座るように手で促すと、全員が着席する。


現状までの捜査報告と、魔法による遠方射撃で

ある可能性が高い(など)、犯人個人についての

内容は何も無く、(すで)に判断の出来ている事案と

内容ばかりだった。


なぜ学長が殺されたかについて、捜査本部は

引き続き調査を続けるとの事だった。


その後、実際の現場を見たが、ガスマスクを

していないので、匂いに少し気分が悪くなった。


とりたてて、新しい発見は無かったのだ。


◇◇◇


彼女自身が第三魔霊法大学にまで、わざわざ

代理も立てず来た理由が、実は別にあった。


ニコルス・マシュー副学長、彼にどうしても

会いたかったのだ。


3年前の核融合炉の事件の時、海軍特殊部隊

シーバーフの部隊長、それが彼だった。


多くの隊員を死なせた責任を取って、退役

していたのだ。


天下りのような形で第三国立魔霊法大学の

副校長となって、2年が経っていた。


誰も彼の前職を知らないし、天下りと聞けば

実力よりコネの有る者と、相場が決まって

いた為、一般人からは嫌悪感(けんおかん)を持たれる

のみで、表面上の会話以外、誰も相手をしな

かったのである。


彼はシーバーフの前は陸軍デルタマジック

フォースの部隊長兼、教官を5年間務め、

魔法武器や魔道具に精通し、旧ダゴン連邦

のシステマと呼ばれる近接戦闘(きんせつせんとう)にも精通して

いると言われていた。


◇◇◇


南SCとクーパーCRは、K棟の10階にある

副学長室を訪ねた。


時刻は夕方5時に近く、廊下の窓から見える

はずの太陽は、先ほど登っていた

大枝山に既に隠れていた。


大学の生徒たちも午前で殆どが帰宅しており、

サークル活動も今日は禁止されていた。


副校長室と扉に付いた液晶モニターに書かれた

木目調の入口スライドドアの前に二人は立った。


扉の右側にある、パネルに触れると、天井の

監視カメラから弱い総合電磁波のチェックが

入る。


スライド式のドアが自動的に開き、また壁

があり、左端にまたスライド式のドアが

有って、そこも開いた。


クーパーを外で待たせ、彼女一人が入る。


正面には窓は無く、量子パネルにより都会の

景色が映り出されていた。マンハッタンの

ビル50階位からの眺めだ。


床は白いタイルで、家具などは全て黒で

統一されていた。


椅子はグレイで、ほぼモノトーンで

統一されたスタイリッシュな室内だ。


真ん中に10人が座れる程の長方形の黒い会議用

テーブルがあり、椅子が5脚づつ向い合せに

なっており、その奥に副学長の個人用の机が

あって、そこにマシュー副学長がこちら

向きに座っていた。


「DHS第三特務部隊 隊長ミナミです!」


敬礼する。


「DHSが・・・・何用かな。」


こちらを観ずに、デスクの書類に何かを記入

している。


「マシュー閣下、私は3年前の核融合炉の

 事故現場の調整室で生き残った者です!」


マシュー副学長のペンが止まる。


「・・・ライト-ハンドか・・・」


静かにマシュー副学長は、顔を上げ目を

合わせる。


「存じて頂き光栄です!あの時DMATで

 私が降りた時には、もう、全員が事切れて

 おりました。奥には何とも形容しがたい

 化け物が、存在しておりました。」


彼女は一礼する。


「部下の亡骸が綺麗に残っていたのは、

 あんたの命懸けの仕事だと解っとるよ。

 ・・・代わって礼をいう・・・」


マシュー副学長は目頭を押さえる。


「閣下、あれから多くを調べ、化け物の

 存在する巨大な組織がある事が判明

 しました。ただ全く尻尾を掴ませて

 (もら)えません。

 何か、ご存じな事が御座いましたら、

 ご教授願えませんでしょうか。」


(わら)にも(すが)る思いで、切実(せつじつ)(うった)えかけた。


「・・・・・シャドウ・・・スカリー・・・」


マシュー副学長は、腹から(しぼ)り出すように

言葉を(つむ)いだ。


「・・・イメジナリオ・スカリーによる

 秘密結社という事は(つか)んでおる。

 彼か彼女かを含め13の組織が世界には

 存在する。」


重々しくマシューは話す。


「・・・ではその組織の(おさ)は少なくとも、

 化け物であると考えた方が良いですね。

 恐ろしい13人の化け物が居ると・・・」


南は理論的に話す。


「ライト-ハンドよ・・・その組織の構成員

 全てが、お前の遭遇(そうぐう)した化け物と考えよ。

 それぞれの組織の(おさ)とはいったい何者なのか・・・」


マシューの話を聞き、南は背筋が凍り付く

のを感じた。


また、あの時の熱風や痛みを思い出す・・・


「閣下、その組織について、軍部は誰も

 知らないのですか?」


彼女は少しでも何か知りたい気持ちで、

自然と声が大きくなった。


マシューが冷静に話す。


「副大統領が上級大将になってから、

 汚職がはびこり、本当に仕事の出来る

 制服組は、全員、地方へ飛ばされた。

 軍部は皆、平和ボケで、このような組織の

 存在や事件は都市伝説にすらならない・・

 ただ・・軍部の中に影の部隊の存在がある。

 ムーン・アーミと呼ばれているそうだが、

 私もその実態は掴めとらん・・・・・

 (まさ)しく都市伝説じゃ。」


「・・・月の部隊ですか(笑)なにか大昔の

 レトロアニメの特集で観たような・・・

 はっ!失礼しました!」


マシューの目が笑っていない事に気付いた。


「閣下、あの時、一瞬で化け物を倒した者が

 おりました・・・」


「・・・ライト-ハンドよ・・・世界には、

 我々の想像もできない程の強者が、

 まだまだ存在するという事じゃ・・・」


何か思い当たったのか、彼は天井を見上げる。


「閣下、実はあれから1ケ月に数日、山に

 (こも)り、自身の魔法力底上げや格闘術の

 訓練を行っております。

 ただ師匠(ししょう)となる方がおりません。

 閣下、ぜひ私たちにご指導願います!

 実は本日はそのお願いに、やって参りました。」


マシューの目が初めて緩んだ・・・


☆☆☆☆☆彡


有難うございました。

続きが読みたい。いい感じ。興味ある。仕方ないな。

関心を持って下さった皆様。

【★★★★★】をお願い致します。

とても励みになります。

ブックマークも出来る方は、

どうぞ宜しくお願い致します。(りん)

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