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第二十八章 ---早起きの午後--- ヨーコ・L・ミナミ(2)

DMATとは災害派遣医療チームの事で、

(Disaster Medical Assistance Teamの略)

ジパング州では独立厚生省が管轄(かんかつ)し、

医師1名、看護師2名、調査員1名の

合計4人が1ユニットで、現場医療に当たる。


ユニタリカ本土に派遣されるDMATは、

規模が異なり、管轄もFEMAとなる。

1ユニット35名から構成され、

本土内であれば、何処であれ3時間以内に

展開できる部隊能力を持つ。


FEMA(フィーマ

:ユニタリカ連邦緊急事態管理庁

(Federal Emergency Management

 Agencyの略)

その時の派遣命令は、テキサス州にある

三大軍事施設の一つである、フォートサム

陸軍ベースの発電施設で爆発事故が起こり

爆発に(ともな)う負傷者が多いという内容だった。


ユニタリカの各基地(ベース)の電力は、人口の規模が

1万人を超える基地(ベース)は、基本的に地下200m

以上に造られた、核融合(かくゆうごう)発電施設からの

供給で(まかな)われていた。


原発(げんぱつ)に比べ核融合発電はクリーンで、

エネルギー効率が高い為、少ししか

放射能廃棄物を出さないという、

大きなメリットがある。


しかし高温プラズマの量子制御や高密度

セラミック黒曜石で出来た耐久炉の

維持管理など、コンピューターと魔法師

によるハイブリット技術を加味した

産物で(まかな)われている為、テロやこうした

人災も懸念されていたのだ。


数人の魔法師による合同チェックにおいて、

魔法師の一人が魔力暴走をおこし、耐久炉に

想定以上の高温圧力がかかり、爆発が起きた

との報告だった。


テキサス州フォートサムで震度3、

州全体でも震度1を記録した。

地震規模はマグネチュード3.0を記録し、

その爆発の威力を物語っていた。


◇◇◇


大型ヘリ2機に分乗し、移動中に水色の防護服に

着替え、現地に着いた(ミナミ)たちは、まず、

負傷者が20人程、並べられた大型仮設テント

に入り、怪我(けが)火傷(やけど)被爆(ひばく)の状況確認をして、

トリアージを行った。


イアホンから小さくアラームが鳴り続け、

ゴーグルに映るガイガーカウンターは

少し高く10mmシーベルトだ。


基地の施設内には大病院もあり、私たちとは

別に、この基地内の病院施設からの軍医や、

軍看護師たちがDMAT以上の人員で対応

してくれていた。


テント前には次々と救急車が停まり、けが人を

乗せて病院へのピストン輸送を行っている。

テントの方は彼らに任せて、私は爆発のあった

発電施設の建物に向かった。


大型テントから80m足らずに規制線が張られ、

その奥に3階建てビルで、横に窓の並ぶ(さま)は、

学校の校舎のようでもあった。

そのこげ茶色の建物は、横幅200m程続く。


私たちは10人程で正面入り口から入り、

中を見回した。


ゴーグル表示のガイガーカウンターからは

変わらず10mmシーベルトの表示があり、

小さくアラーム音が耳元で鳴り続けている。


受付などにも誰もおらず、1階の負傷者は全員

運び出されたか、と思われた。


その時、奥から4人の白銀色(しろがねいろ)の迷彩防護服を

着た医療班が、担架に医療用特殊アルミで

包んだ怪我人を乗せて走って来た。


「まだ、地下に数人の怪我人が残っている!」


彼らの防護服に着いた部隊のマークから、

海兵隊の特殊部隊であるシーバーフだと判った。


彼らの走って来た先に、建物の地下へと続く

階段があった。水蒸気の霧が立ち上る。


(ミナミ)を含め医師3名と看護師7名、

基地の警備隊員2名が2列縦隊(れつじゅうたい)で階段を下りる。

スチーム熱を体で少し感じるが、防護服内に

バックパックから冷気が流れ込み、

身体を冷やす。


地下20階まで()りた踊り場(おどりば)で、ゴーグルに映る

ガイガーカウンターは10mmシーベルトで

まだ問題ないが、外気温は500度を超えた。

低温発火する温度だ。アラームの音が変わった。


地下深度120m程だろうか、(ミナミ)は警備隊員2名に、

手信号でここで上に戻るように伝えた。


銃の暴発も考えられるし、彼らの軍の防護服は、

ウイルスや細菌防護専用のもので、1200度を

超える高温や2000mmシーベルトを超える

放射線には耐えられないからだ。


核融合炉の爆発で、ここまで近付いて、

まだ500度ほどの外気温では低すぎた。


放射線が低いのはある程度、予測していた。

但し、発電用の霊力低温プラズマ炉の内部熱は

それでも1000万度を軽く超える。


(上手く融合炉の冷却機能が働いたのかな・・・)


私は安易に考えていた。自分たちの防護服は

10000度の放射熱の中で、30分間耐える事

が出来る。


地下25階には、核融合炉を操作する為

の計器類や多くのモニターが並べられている

操作中枢室があった。


その下の階層には、融合炉の置かれた

100万立方mの吹抜けの空間があり、

その壁は厚さ2メートルの黒曜石の

タイルで覆われていた。


半径20mの楕円形の融合炉の高さは30mを越え、

数多くのパイプが繋がっていた。


地下25階の踊り場は広くなっており、そこで

階段は終わっていた。


壁には3枚スライド式の自動ドアがあり、

開いたままになっていた。


広い踊り場には、シーバーフの隊員と思われる、

白銀の迷彩防護服を着た者たちが、7人倒れていた。


よく観ると、胸や背中から出血してる者も居て、

只事ではないと、直ぐに判った。


自動ドアの中の事務所からバチバチという、

ショートしているような音が聞こえる。


(火災が発生している・・・誰かいる・・・)


私は全員を下がらせて、一つ上の階の踊り場へ

戻った。


「ファンクル看護チーフ、問題発生よ。

 武器携帯で1万度以上の防弾耐熱スーツを

 着て来るように、陸軍の将校に直接

 伝えるのよ!

 海兵隊シーバーフが7人も倒されてる。」


「・・・はっ!」


「そこの二人、(ファンクル)に同行して!」


「・・・は!・・はっ!」


「では、行って!」


私は伝令を頼み、3人は直ぐに上の階へ向かった。


「千葉、それからザーネ、武器を携帯して

 私に同行して。

 残りはここで待機、15分して戻らなければ、

 上に戻って!」


「・・・はっ!」皆の声が揃う。


一人だけ、医師のハウンゼン・マクガイヤが

前に出る。


「南センタードク、テロリストが居る可能性が

 高いと思われます!、軍に任せて、戻り

 ましょう!」


「私たちはDMATよ。戦場に派遣される事も

 あるわ。

 シーバーフの隊員を見捨てられない。

 ドクター、先ほども言った通り、待っても

 戻らない場合は、上に逃げて。」


(きびす)を返し、地下25階へ向かった・・・・


◇◇◇



有難うございました。

続きが読みたい。いい感じ。興味ある。仕方ないな。

関心を持って下さった皆様。

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とても励みになります。

ブックマークも出来る方は、

どうぞ宜しくお願い致します。(りん)

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