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第二十六章 ---暗殺者の影--- (3)

寒そうに、両手を脇の下に挟みながら、

ニコルス・マシュー副学長は続ける・・・


「この第三校でも造っとるが、武器に

 刻印魔法を(ほどこ)すと、色々と不思議な能力が

 付加され、威力を上げるのじゃ。」



科学捜査班(CSI)古都チームリーダーの

ワイアット・ダンカンが口を開く


「・・・では、室内の入り口に向かって

 放射状に飛び散った細胞片は、

 反対から飛んできた弾丸のようなものに

 よって起きた、魔法事象であると言うの

 ですね。頭部細胞に集積する様、

 仕掛けられた、血球爆弾の様なものかと、

 推測しておりました・・・」


三宅警部が口を開く、


「・・・この大学には強力なバリアが

 貼られて深夜の出入りは出来ない・・・

 では、西の山からの射撃として、

 大学の防御バリアも意味をなさない程の

 強い魔法師が犯人となると・・・

 軍部や他国介入になるかもだな。」


ペタルズ大学警備班のチーフ、

ケイゴ・アンドルースは黙ったまま

皆の話を聞いていた。


そこにCSIのダンカンの掛ける眼鏡型

タブレットへ通信が入る。


ダンカンは皆に一礼して、

「あぁミナミ先輩、どうされました、

 はい、第三大学の事件で古都へ・・。

 あ~はい、お越し頂けるんですか。

 判りました・・・」


ダンカンは皆にもう一度、一礼して、

「DHSのサイエンスAチームが

 来ます・・・私どもCSIから指揮系統も

 DHSに移行します・・・」


ユニタリカ国土安全保障省(DHS)


「うちでいうと、FBIが来るような

 もんだな。」

三宅警部は一言多いタイプの人間だ。


「・・・ええ。ただ本当に出来る先輩

 ですので、正直、嫌な気持ちに

 ならないんですよね。」

ダンカンはなかなか謙虚な人間のようだ。


ペタルズ大学警備班、アンドルースチーフ

が口を開く。

「これらの映像データは皆様の各部署へ

 持ち帰れるように、すでにビーム

 ストレージに入れて用意しております。

 視聴はオフラインでお願いします。」


「では、出ましょう!」ダンカン。


「出るぞ!寒~」三宅警部。


「出ますかな・・・あ、アンドルース君、

 (わし)は必要ない。」マシュー副学長。


皆、寒さから逃れ先を競うように、

外の廊下へ出たのだった。



◇◇◇


 

時間は午前10時近くになっていた。 

簡単な職務質問を終えた二人は、

E棟のEクラスに入った。


「お姉さまぁ疲れました・・・後ろに

 座りましょう・・・」


三人掛けの机が、横に4卓並び、

奥に向かって12卓並ぶ、当然、

机と机の間には3列の通路が出来て、

一番奥の12番目の机は、一番前に

比べ階段で6段分、高くなっていた。


「黒髪、赤目のあなた!!」


マリアは、低い段差が有るせいで、

落としていた目線を上に上げる。


一番右奥の窓側の三人掛けに一人、

真ん中に座ってこちらを見る、どこかで

観た事のある赤茶髪の巻髪でセミロング。


挿絵(By みてみん)

(赤河・キャロライン・偲)


「・・・あなた、誰?」


挿絵(By みてみん)

(マリア)


真剣にマリアが尋ねる。


「・・・し・の・ぶ!キャロライン赤河!

 ・・・ほんとに退学にして

 さしあげましょうか!」


彼女は教室内に既に生徒40人以上いるのに、

全く気にしない心臓を持つ。


「マリア、関わらない方がいいわ・・・」


挿絵(By みてみん)

(アリス)


小声でアリスが、後ろから指で背中を押す。


「・・・ホントにあなた、誰なの?

 ・・・間違えてな~⤴い?」


マリアのイントネーションが、少し馬鹿に

したような印象を、与えたかもしれない。


「・・・赤目~!許さないわ!北道(ほくどう)

 青田、緑川(みどりかわ)、やっておしまい!」


赤河の前に座っていた二人の女性が

立ち上がり、手に何やら刃付暗器(あんき)が見える。


挿絵(By みてみん)

(青田 緑川)


この二人は青田、緑川(みどりかわ)と言って、同じ様な

髪型の、前にどこかで観た金魚のフンだ。


「・・・しのぶ、俺は女には手を

 上げないと前に言ったよな。」


鼻ピアスをして、刈上げの黒のBOXヘアで

側面に3本の爪痕の様な剃りが入っている。

袖を捲った腕は太く、筋肉が見える。

肌の色は茶色で、日サロやジムに足繁(あししげ)

通っている事が見て取れた。


挿絵(By みてみん)

(北道 シロー)


しかし一般的に、夜に人気のないところで

遭遇したくはないとは思う。


(こんな子供たちの多い所で、暗器を使うと

 なると見過ごせないわ・・・)


マリアは直ぐに対応できるように構えた。


「・・・何をしているのかね!!」


音も無く、入口からスッっと入って来た影が、

教壇中央に立ち、右手を上げ手のひらを

広げている。


「・・キャロライン様・・動けま・・せん。」


青田が苦しそうに報告する。


緑川も苦しそうに身体をよじりながら、

立っている。


「先生!じゃれてぇ、遊んでいた

 だけですのよぅ。許してあげて。」


キャロラインは椅子から、ゆっくりと

立ち上がり、悪びれる風もなく、

目を大きく開いて科を作って話した。


「ふっ・・・私はRYO・鎧塚(よろいづか)・・・

 一応、准教授で学年チーフでもある!

 君たち位の魔法では、私は倒せない。

 問題を起こす奴は、私が退学にする!」


キャロラインが(あん)に行っている精神支配攻撃は、

全く通用していない。


「それから、今日、大学で事件が発生した!

 既に規制線が張られており、皆、職員の

 指示に従って、寮や家に帰るように!

 明日の内容は、戻って大学のHPの板を

 観るように!」


皆、立ち上がりバタバタと順番に教室を

出ていく。


キャロラインだけはマリアを(にら)んで、


「ふんっ!覚悟なさい・・・」


小さなドスの効いた声で隣の通路を降りていき、

2人の金魚のフンを連れて教室を出ていった。


急に視線に気付き、マリアは奥を振り返り見ると、

2メートル近くある身長と制服の首元から

(のぞ)く赤いTシャツ、黒髪BOXヘッド、

目繰り上げた袖から生える太い腕は、こん棒のようだ。


「・・・ふ~ん。驚かないの・・・だな・・・。」


北道(ほくどう)と呼ばれていた男だ。


「あんな女に(あご)で使われて、図体(ずうたい)ばかりの

 貴方(あなた)が、可哀そうにみえるだけよ。」


マリアに遠慮はない。


「・・・あいつとは幼馴染(おさななじみ)なんだ。本当は

 悪い奴じゃない。代わりに謝らせてくれ。

 この通りだ。」


マリアに向かい、両手は(こぶし)を握るも、

軽く頭を下げる。


想定と違い、北道(ほくどう)はいい人なのかもしれない。


「ま、誰しも事情はあるものよね・・・

 解ったわ。」


北道に向かってマリアは堂々と普通に話す。


この時も、アリスはマリアの影に隠れ、

目立たないようにしていた。


◇◇◇


有難うございました。

続きが読みたい。いい感じ。興味ある。仕方ないな。

関心を持って下さった皆様。

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とても励みになります。

ブックマークも出来る方は、

どうぞ宜しくお願い致します。(りん)

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