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第二十四章  ---早起きの朝--- プロテノール・パピリオ

「・・・(あわ)てないで。」


アリスが真面目(まじめ)な声で制止する。


音も無くエレベータが15階で止まる。


扉が開く前に、マリアがアリスの前に出る。


開いた扉の前に、赤茶のワンレン、出来る女、


黒のジャケットに白いブラウス。


(・・・ん?第二ボタンまで開けてる!)


黒いタイトスカートに黒のパンプス・・・


マリアは目線を上からつま先まで移動させる。


「・・・パリピー!貴方が殺ったの?」


マリアがストレートに聞く。


円明寺・プロテノール・パピリオだ。


アリスが後ろから軽くマリアの頭を叩く。


「鴨野様・・・ここは何も言わず、

 引き返して下さい・・・」


挿絵(By みてみん)


アリスがすでに1階のボタンを押していた。


エレベーターの扉が閉まり切るまでの間に・・・


「・・・パリピー!貴女(あなた)に任せたわよ。」


プロテノールの方は、何も言わず深く礼をして

下をむいたままだった。


(マリア、言葉を発してはダメよ。)


アリスから精神感応が届く。


「・・・あっ!」


(・・・あっ、あっ、あっ~)


マリアは ”あっ”しか言えない状況に

(おちい)ってしまっていた。


◇◇◇


円明寺・プロテノール・パピリオ・・・

見た目の年齢は20代後半位か・・・


彼女の母方の祖父母は、ダゴン連邦 南東部出身で

戦争で祖父は帰らぬ人となり、終戦に合わせて

彼女の母親が生まれたそうだ。


生まれた子供は「レシャ」と名付けられた。


薄汚れた廃屋(はいおく)で取り上げられた子供は、

()びた色をしているように見えた。


この頃から”錆色(さびいろ)のレシャ”と呼ばれていた。


周りは焼け焦げて壊れた建物群、

野原に一人、祖母(レシャの母)は

乳飲み子を抱え、ユニタリカ統治軍の

炊き出しに、何度も並んだ。


プロテノールの母を知る者が生前、

彼女に語っていた、祖母の話だ。


その祖母はその後、ある組織に入り、

働きながら彼女の母親レシャを育てる事となる。


母親レシャが15歳の時に、祖母は何かの事故で

亡くなったそうだ。


母親レシャはその後、その組織に引き取られ、

教育と訓練を受けながら、組織の仕事をした。


母親の名は ”レシャ”、”錆色(さびいろ)のレシャ”

の二つ名で敵対する組織からは、

恐れられていった。


組織に入って10年目頃から、彼女にも

数人程度の部下を持つ、チームリーダー

となった。


”錆色のレシャ”の率いるチームは

Rustyラスティと呼ばれ、

Lastと同じ意味で、失敗の続く作戦も

チームRustyが出れば、最後に解決すると

言われていた。


その頃から、他のチームリーダーだった

クラメルと組む仕事が増えた。

彼は彼女より5歳ほど、年上に見えた。


大きな仕事で、何度も一緒に死地を

乗り越える度、二人の距離は

少しづつ縮まっていった。


但し、どの様な組織であれ、

組織内での恋愛はご法度である。


そこには、じれったい程の

身を焦がす二人の愛の数々の

冒険談が存在したが、

それはまた、別の話で。


更に、10年が過ぎた頃、彼は昇格し、

ビアノルクラメル・パピリオとなり、

”クロアゲハ”の称号を得るに至った。


更に、10年が過ぎようとする頃、

レシャのお腹にプロテノールが

宿っていた。


彼女も40歳を過ぎた頃に、

総司令となり、255人のチームリーダーを

支えるトップになっていた。


事務方となった事で、副司令官のビアノル

クラメルと私的な機会も増えたのだった。


総司令になったことで、彼女の直属の

上司が黒鬼(こっき)と呼ばれる事や、

組織の全貌が、ある程度知らされる事となった。


黒鬼(こっき)の下には、彼女と同じ地位の

総司令が12人存在し、

世界各国で活動していると、明かされた。


黒鬼の所属する組織名は”八咫烏(やたがらす)”といい

黒鬼を含め、何人かの魔王で構成された

組織との事。


彼女は黒鬼に何回か会ったが、

もちろん魔王といっても、

鬼の面と黒い鎧兜(よろいかぶと)を付けた

人と判っている。


プロテノールが生まれると同時に、レシャは

組織を引退した。


ビアノルクラメルと正式に入籍を済ませていない

レシャだったが、いずれは結婚式を挙げたいと

いう思いはあったという。


200坪程の敷地の豪邸(ごうてい)のまわりには、

多種多様のセキュリティが張り巡らされ、

クラメルが設計した、自信の住まいだった。


幸せは1年程、続いただろうか・・・

訃報が突然、クラメルに届く・・・


「・・・総司令閣下、ご自宅が爆破された

 との事です。」


お手伝いとして身の回りの世話をしていた

レシャの部下たちも含め7人の命が失われた。


魔法を使えるレシャの部下の一人が、

1歳のプロテノールをシールドで包み、

レシャ自身が覆いかぶさって、

子供を守る事に何とか成功した。


ビアノルクラメルは現場で観た。


黒焦げになっても尚、バリアを張り続け、

息絶えたレシャの部下の術者と、


保護バリアの範囲が狭かったのか、

(ひざ)から下の両足の無くなったレシャが

(ひじ)をついて、プロテノール自身の体を

浮かせて守っていた。


クラメルは駆け寄って正座し、レシャを

仰向(あおむ)けに太ももの上に抱えた。


「・・・あなた、プロテノールを・・・」


それが、最後だった・・・


◇◇◇



有難うございました。

続きが読みたい。いい感じ。興味ある。仕方ないな。

関心を持って下さった皆様。

【★★★★★】をお願い致します。

とても励みになります。

ブックマークも出来る方は、

どうぞ宜しくお願い致します。(りん)

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