第二十二章 ---早起きの朝---
2221年4月9日(月) AM7:00
眠たい目をこすりながら、マリアは送迎用リムジンから
ゆっくり降りた。続いて、アリスは颯爽と降りる。
(アリス)
もう校門に至るメインストリート近くだ。
「お姉さまぁ、昨日の疲れがとれてません!」
(マリア 繁華街にて)
「・・・貴方ね、人の多い河原町であれも欲しい
これも欲しいと、私の身にもなってね。
母親じゃないのよ。」
アリスはあきれている。
この第三魔霊法大学のある桂イノベーションパークの
地下には、ウエストポルテと呼ばれる地下街があった。
200軒を超える飲食店と専門店1000店舗を有する
地下7階にまで達する、大型ショッピングセンターだった。
(ウエストポルテ)
その経営はペタルズグループが、更に持ち株会社を
作って、地下工事から躯体工事、テナントエリア建設から
殆どのテナント経営、店舗各商品の仕入れから販売まで、
全て行っていた。
そのウエストポルテに行けば、マリアを知る者が
少なからず上層部には居る。
そのため、万が一にも
顔が障したくない、という事で、
昨日は午後から、古都の繁華街である
河原町地下街まで出向いたのだった。
(河原町NEO京極商店街)
河原町は戦争前までは、地上の古くからの
古都唯一の繁華街ではあった。
現在では店舗など全て、地下に移設されており、
地上には上級公務員しか出入りできない、極秘施設などある。
赤のペイントの宮造り建築を模した、神社の様な二階建ての
建物が、いくつか規則的に建てられている。
この一帯の地上は、ユニタリカが殆ど管理しており、
地下は一部ペタルズの息も掛かってはいるものの、
300年以上続く、商工組合や財閥系の百貨店などが
仕切っていた。
◇◇◇
マリアが、今日は開校前に校長に会って話を
聞こうと早く起こしに来たので、アリスたちは
一時間早く嵐山の家を出てきたのだった。
大学の校門はサークルの朝練などもあって、
AM6:00に高さ4メートル、
長さ8メートル程の鉄扉が、真ん中から左右に、
自動でスライドして開く。
マリアは、門を入った左手の脇にある
守衛室内から見守る、60代の紺色の警備服を
着た守衛に、笑顔で軽く左手を上げる。
アリスはその後ろで、立ち止まって一礼をする。
ペタルスセキュリティガード(PSG)という
警備会社に所属する初老の警備員は、
もちろん2人のことは知らない。
また魔霊法大学の敷地全体を魔法属性のドーム型の
バリアが24時間 覆っており、外敵などから守っていた。
大型分子からなる重合体結晶を、人工的に結合する
技術は、学生レベルの魔法や魔道具では成しえない。
大学全体を覆うバリアは、実は大学が所有する電子制御の
大型量子コンピューターが魔法発動と同じ魔法式で
担っていた。
PM20:00までは正門の枠部分と、裏門の枠の
部分だけ、人の出入りがある間、
コンピュータ制御によりバリアが解かれているのだった。
A棟に向けピロティの茶色のレンガ畳を二人は
並んで歩いていた。
「お姉さま、早起きもいいものですね。
小鳥の鳴き声に、心が洗われるようです・・・」
「・・・そうね。メジロは、正直な心を指すそうよ。
マリアにぴったりね。」
「もぅ!お姉さまったら、皮肉が過ぎますぅ。」
温暖化のせいで、もうメジロがもう飛来して
しまっている・・・
アリスは一人、そんな事を考えていた。
マリアは元気に先を歩く。
◇◇◇
二人はA棟のエレベーターに乗り、
マリアが学生カードを翳し15階を告げる。
扉が閉まると、音も無く上昇を始める。
刹那、アリスは血の匂いを感じ、身構える。
「お姉さま・・・これは・・・」
マリアも気づく。
「・・・慌てないで。」
有難うございました。
続きが読みたい。いい感じ。興味ある。仕方ないな。
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