第十九章 ---ペタルズ御前会議--- (2)
「・・・正直申し上げて、貴女の機が何故、
攻撃を受け・・・それは遺憾に思うが・・・
EBEなどと御疑いになる前に、他国からの
テロや暗殺を、まず考えねばなるまい。
わが軍で、もう少し精査する時間を頂けるか・・・
申し訳ないが 本日は、ここで失礼する・・・
株主対策とやらの会議を続けてくれ。」
彼はお伊勢様の質問に取り合わず、帰り支度を
始める。
「折角、皆に集まってもらったが、今会議は
延期じゃな。皆、それぞれ対応を協議して、
改めるとしようぞ・・・
ダイモス副大統領でしたか、ペタルズの25年ぶりの
今会議は、株主対策の
話し合いではない。
今回もEBEの対策会議なのじゃが・・・」
ダイモスに一応、説明する。
「申し訳ないが・・・カルト、いや私は、
自分で言うのも何だが、敬虔なクリスチャンだ。
あなた達は、あなた達で・・・」
そう言いながら、SP含め総勢7人で入口に向かい、
ディスプレイに映るお伊勢様に、皆が一礼して
大会議場を出て行った。
(叔父貴は何故私をこんなカルト会議に
出席させたんだ!)
「・・・エミリー、息子を呼んでくれ、
一旦ホテルへ戻る。」
少し怒りを顕わにした言動で、ダイモスは伝達した。
◇◇◇◇彡
ここで、大会議場に残る本来の
ペタルズ御前会議の出席者を見てみよう。
ペタルズグループでは、量子ディスプレイに映る
お伊勢様を、神として崇めている為、
25年毎に行われる、お伊勢様ご出席の
会議を、御前会議と呼んでいた。
十三壱重量子総合研究所:
所長(伊勢ダーシィ円花)
大理石テーブルの手前の近いところから、
一列目
ペタルズ総合商事:
CEO 近衛ウイリアムバートンJr
そのお向かいは、お伊勢様とヘリの中にいる為、
空席だが、本来は
ペタルズプリズムセキュリティグループ:
CEO 九条 時成
二列目
ペタルズ重工業グループ:
CEO 一乗寺 従道
ペタルズインターナショナルレリジョングループ:
CEO 円明寺 宗叡
三列目
ペタルズクローバーフィナンシャルグループ:
CEO 利根川 マルクスオーマン
お向かいに
ペタルズ総合電機グループ:
CEO 豊田カルロス宗一
四列目
ペタルズ総合地所グループ:
CEO 北大路 廬山
ペタルズケミカルグループ:
CEO ローラン・ド・アヴォー
五列目
ペタルズ流通グループ:
CEO ジェームズ・カーン
ペタルズエネルギーホールディングス:
CEO フランク・ゴダード
六列目
ペタルズスペース航空グループ:
CEO 北条 エマスカイラー
ペタルズホテルグループ:
CEO パレス・オリビア・マデリン
七席目
本日は未出席
本来なら
ペタルズ建設グループ:
CEO モザン デイト
向かいも未出席
本来なら
副総理大臣兼防衛大臣:
岸田 信介
八列目
今回は副大統領という事もあってか、
奥の司会席に居たが、本来八席目は
オブザーバー席である。
ユニタリカ軍部の役職から一人
ホワイトハウス関係者から一人
といった人物の内容で、いつもはだいたい
九条氏が司会を務め、御前会議は粛々と
始められるのである。
この会議では、25年間に蓄積された、
EBEによる物かもしれない事件、事故、
犯罪、物理現象、又は新たな発見や発明、
新技術など、地球上から宇宙空間に
至るまで、起こった事象の調査、報告の
会合であった。
第一回は旧セブンビルダーズ7人で開催され、
今回が第四回目となる。
セブンビルダーズ内では、九条氏のみが
世代交代している。
お伊勢様が口を開く、
「今回は、PPSの方に戻り、事件の推移を
見守る。我のせいで、京都が狙われては、
かなわんからな。
各自の今回の分は、データで九条に回しておけ。
また改めて、指示を出す。」
「・・・ははぁ!」
声が揃う。
ディスプレイがプツッと切れ、静寂が
訪れる・・・
◇◇◇
翌日 4月9日 -月曜日- AM 7:30
新京都シティの西側に連なる、
約500メートル級の山々、
西山連峰。
その中でも、第三魔霊法大学を直接
見下ろせる、大枝山の頂上付近に続く登山道
があった。
その小径から少し外れた杉の大木の
上部の位置に、マクラミンTAC100Kと言う
大きめのライフルを構え、ダイバーの着る様な、
黒尽くめのステルススウェットスーツ姿の者が、
大きな枝にうつ伏せになって、
高度サーマルスコープを覗いていた。
有難うございました。
続きが読みたい。いい感じ。興味ある。仕方ないな。
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