第十二章 ---第三魔霊法大学--- (1)
ユニタリカ国立 魔霊法大学
ジパング州、ノースカロライナ州、テキサス州にそれぞれあって、
軍事面や宇宙開発に関りをもち、イーバからの攻撃を見据えた、
魔霊法戦闘員や魔法武器、防具の開発まで行われている。
EBE・・・地球外生命(extraterrestrial biological entityの略)
ノースカロライナ州の第一魔霊法大学では、
軍事実務関係、通常兵器、魔法兵器取扱い関連、核撃魔法関連、
惑星上での攻撃魔法関係を。
テキサス州の第二魔霊法大学では、
軍事衛星、スペースシップ関連全般、スペースパイロット養成、
宇宙で使用可能な魔法関係を。
ジパング州の第三魔霊法大学では、
無機物、有機物、霊属性へのバフやデバフといった霊法と、
援護攻撃魔法関係、魔道具の制作、神器の研究等、
多彩な、カリキュラムが組まれていた。
◇◇◇
(イノベーションパーク 一部)
第三魔霊法大学は、新京都シティ西部の山肌を削り、
旧東京ドーム約10個分の広さの中に新京都シティと
産官学の連携による、新産業の振興拠点として、
世界から優秀な魔霊法の適正をもつ人材を集めた。
大学での研究成果を、国防省で利用するのは
もちろんの事、民間産業に活用することをはじめ、
新事業の創出から、地域中小企業のサポートまでをも、
ここでは行っていた。
桂イノベーションパーク敷地内には、建物の
地上部分は、12階建てや15階建ての、
円柱や八角柱等の大小約20棟のビル群で
構成されていた。
(第三魔霊法大学 全景)
それらは地上4階と8階と12階部分で、それぞれ
円形のチューブのような、空中回廊で繋がっており、
またそれぞれのビルが、
地下1階のペタルス(総合研究所)本社ビル
(通称:グレートウォール)で繋がっていた。
◇◇◇
(大学 正門)
第一、第二の魔霊法大学は毎年9月1日が新学期の
スタートで入学式などのセレモニーも無い。
第三魔霊法大学では 今日、4月8日 朝9:00に
入学セレモニーが始まって、10:00からは、
各ゼミの教室や研究室の探索、
サークルなどの見学をしたりする。
新入生は前もって、普通は各科目の履修登録を、
手持ちの端末で済ませている為、大学構内では
翌日から始まる講義のある教室を探したり、
食堂や娯楽施設、研究施設、サークル活動等を
見学してまわる事となる。
(アリス)
(マリア)
「・・・お姉さま、急ぎましょう!」
「マリア・・・ヘリに残っててもよかったのよ。」
大学の敷地内へ直接、転移することも、もちろん
可能ではあったが、監視網に引っ掛かる可能性も
考慮して、校門から100メートル程離れた
茂みへ、2人は着地していた。
-----(・・・・マリア様・・・・マリア様!)
マリアへ精神感応が入る。ジョナスからだ。
(マリア様!リムジンを乗り捨てて・・・・
・・あの空の閃光は・・・)
ジョナスの心配そうな声を遮って、
(お姉さまは、無事だから!・・・・・あと、
朝食のお弁当はみんなで食べておいてね・・・)
めんどくさそうに対応してしまい、
少しバツが悪くなり、精神感応を切った。
「・・・・ジョナスから、いつもの・・・」
「本当はマリア、あなたを心配しているのよ。」
「・・・解ってます・・・お姉さま。」
大学の正門へ続く、広い一本道に出た二人は、
「お姉さま、9時過ぎちゃいましたよ!」
「どうしたものかしらね・・・・」
後方に車両を感知し、アリスはマリアの前に出る。
「・・・お姉さま・・・」
アリスは、振り返って、口に人差し指を立てた。
黒塗りのリムジンが、スーっとアリスの横に停まり、
後部座席の分厚い窓ガラスが下がると、白ひげで
黒いシルクハットを被ったご老人が顔を覗かせた。
マリアはアリスの後ろから、
「・・・防弾ガラスの窓、開けちゃって大丈夫?・・・
・・ですかね・・・」
しゃべっておいて、また両手で口を押える。
アリスが振り返ったからだ。
「申し訳ありません。・・私たちは入学式で・・・」
アリスが丁寧に話す。
「これは、驚かせてしまって失礼。
わしは、この学校で理事長をさせて
頂いとる、円明寺 最陰と申す者。
失礼ですが、後ろにおわすお方は、お伊勢様の
お嬢様ではござらんか。」
「なに~、おじさん、あの人の知り合いなの?」
マリアはアリスの後ろからひょこっと顔を覗かせ、
母親の知り合いと解ると、わざと口が悪い。
「車に乗っては、下さらんか・・・」
運転手が降りてきて、後ろのドアを開ける。
彼とローテーブルを挟んで向かい合わせに
奥からマリア、後にアリスが乗り、
静かにドアが閉まる。
「・・・おじさん、100メートル足らず、有難う。」
マリアが一応、失礼な礼をいう。
「・・・円明寺様、でしょう。」
アリスが静かにたしなめる。
「ほっ、ほっ、ほっ、お付きの方も大変ですな。」
円明寺最穏が高らかに笑う。
「・・・おじさん!お付きって・・・」マリアを遮って、
「伊勢マリアカラス様には、とても良くして
頂いております。
侍女の、【藤原ありす】と申します。
今回、お伊勢様から、マリア様のお世話と共に、
こちらの研究生の身分を頂きました。」
「・・・そうでござったか。そうでござったか。」
「・・・おじさん、私以上に大事にしてよね!」
「解っておりますとも。実はマリアカラス様と
お会いしたのは、もう2年位になりますかのう・・・」
お伊勢様とマリアに会った事を、
自慢げに細かく話すのだった・・・
有難うございました。
続きが読みたい。いい感じ。興味ある。仕方ないな。
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