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ベルの固有スキル

「お父さん!今日は帰ってたの?」

「ベル~会いたかったぞ!もう身体は大丈夫なのか?」

「この通り~♪」

 ベルは久々に会う父に飛びついた。


「まぁ、ベルったら」

 母はクスクス笑っている。


「そう言えばお父さん聞いてちょうだい~?」

「どうしたんだ?」

「実は今日、病院の先生からベルが魔法の才能があるって言われたのよ」


「僕達の子が…?」

「ええ、魔力量が遺伝しない子が産まれる事もあるそうよ」

「本当なら、すごいじゃないか!早速家庭教師をつけるか?」


「お父さん?うちのどこにそんなお金があるの?

 それに、お兄ちゃんとの差別にもなっちゃうわ~」

「すまない…いきなりの事に驚いた お父さんが悪かった」


 ドアの前で話を聞いていたレオ兄が扉をあけて入ってきた。

「兄ちゃんの事なら気にする必要はないぞ 凄いじゃないかぁ~!さすが自慢の妹だ!」

 …内心はちょっぴり羨ましいはずなのにレオ兄は凄いなぁ。


「レオはお兄ちゃんだけど、私達の大切な子供よ?

 レオはレオの生き方を模索すればいいわ お母さんに出来る事なら何でも協力しちゃう!」

「私にも出来る事があったら言って~!」

「もちろんお父さんだって、レオを愛してるぞ」


 レオ兄は今にも零れ落ちそうな涙を堪え、

「兄ちゃんだって、卒業したらどうなるのか凄い不安になる時がある

 仲はいいけど周りの子と比べて魔法の才能はないし、上手くパーティーでやっていけるかどうか…

 頼りになるのは今の所得意の体術だけだ!

 でもあと10カ月はある その間に武器の使い方ももっと鍛えるよ」

「その勢いね!」

 さすがお母さんだ。


「お父さんも先走りすぎだよ~? 私は自分で勉強頑張るから大丈夫! ね?」

 お母さんにアイコンタクトを送った。秘密倉庫の事だ。


「そうね、とにかく普通の子として見守りましょう」


 ーそして話は変わり、久しぶりの一家団欒(だんらん)の時は過ぎて行った。


 食事が終わるとベルはこっそり、屋根裏の秘密倉庫へ向かった。


 .・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.


 これから暫くは通うであろう、秘密部屋タイムだ。


 よーしこれからの為に、まずはパソコンの使い方から!

 あれ?魔道具に触れるだけで使い方や道具の性能が頭の中に浮かんでくる。

 説明書は不要かな?


 パソコンの使い方は、通信に魔力が必要と言う事以外は前世と使い方が殆ど同じだ。

 古いタイプなので魔力の消費量は多いみたいだけど、検索するくらいなら大丈夫でしょ♪


 まず一番気になってたのは、私の固有スキルだ。

 こればかりは、努力してもなかなか身に着けられるものではないと、小耳に挟んだ事があった。


「固有スキルの確認方法… 検索っと」


 ―――――――――――――――――――――――

【固有スキル】とは

 最近は人間だけではなく、モンスターにも固有スキルがある事が研究で少しづつ判明してきました。

 種類が多く、未だ全ての固有スキルの確認には至っておらず、まだ沢山の固有スキルが存在すると言われています。

 現在判明している固有スキルであれば確認の手段は以下の通りです。


 1 専門機関で検査を受ける

 2 魔道具を使う


 尚、固有スキルは一人1つとは限らず、複数所持している場合があります。

 ―――――――――――――――――――――――



 これってまさか…

 まだ魔法は研究段階って事?


 そして、2の魔道具の画像の中には、この部屋にある水晶もあった。

 すぐさま水晶に触れてみる。


 この水晶はレアアイテムだ!

 固有スキルだけじゃなく、魔力量と属性も調べる事も出来る。なんでこんなすごい物がうちに?


 まずは、調べてみよう。

 水晶で固有スキルを調べる方法はっと…


 まず、片手を水晶に触れ、もう片方の手でパソコンのマウスを握る。

 検索ウィンドウを開いた状態で目を瞑って、体の魔力を1分程度循環させる。

 鑑定が終わると魔道具から音が聞こえるので、手を放してパソコンの画面を確認する。


 ベルは意を決して、目を瞑った。

 魔力の循環っていうのはよくわからなかったけど、なんだか暖かいモノが体の中をフワフワしていてこのまま眠ってしまいたい…


 ー鑑定が終わりました♪♪

 何このこの変な音楽は~。

 気がつくと、鑑定結果が出たようだ。

 パソコンの画面を見ると、鑑定結果が出ました と表示されていた。

 なんだか身体がだる~い。

 パソコンと水晶を両方使ったから、魔力消費が激しかったのかなぁ?


 属性と、魔力量は明日にしよう。


 ―――――――――――――――――――――――

【固有スキル鑑定結果】

 現時点で判明している固有スキルではこの3つのスキルを所有していることが判明致しました。

【意思疎通】【魔道具鑑定】【霊魂操作】


【意思疎通】

 モンスターと対話が出来る非常に珍しい固有スキルです。

 念話で会話をする事が出来、最初は相手の声が聞こえる程度ですが、意識をすれば目をみて念じるだけで相手にも話しかける事ができます。

 慣れてくれば、そのモンスターを意識するだけて会話が出来るようになると言われています。


「なるほど!それでお母さんのスライムから言葉が聞こえてきたんだ

 これは使いこなせれば凄く便利なスキルになりそう」


【魔道具鑑定】

 魔道具鑑定は、最初は魔道具や防具、ダンジョンで採取される素材等に触れると大体の仕様と使用方法がわかります。

 慣れてくると、もっと詳細な情報がわかるようになり、目で見るだけでも魔道具の鑑定が出来るようになると言われています。

 人によると、魔道具鑑定が、多種鑑定と言う固有スキルに進化すると言う言い伝えもあり、鑑定できる対象については人それぞれのようで、とても貴重なスキルなのでまだ詳細な事はわかっておりません。


「とにかく、固有スキルはわからない事が多いんだなぁ

 こっちのスキルも慣れれば便利そう!ニコラの力?ハンナの力?どっちにしてもすごい~!」


「うーん…最後のスキルは名前的に、ちょっと見るのが怖いけど…」


【霊魂操作】

 霊魂操作は別名、レジェンドスキルとも言われ、所持している人は世界に数人しか居ないとも言われています。

 言い伝えによると現世に留まっているあらゆる霊魂と対話が可能で、中には人を生き返らせる能力を持っていた人も居たとも言われています。


 尚、今回の検索結果で判明した、【意思疎通】【霊魂操作】のスキルは研究機関に協力する事で、多額の報酬を受け取る事が可能です。

―――――――――――――――――――――――


「多額の報酬!? いやだ!研究機関なんて行ったらリア充出来ないじゃん!

 ってかレジェンドスキル…霊魂操作なんで怖い名前と違って凄いスキルだ。

 …まさか…幽霊がみえたりはしないよね!

 他の二つは既に心当たりがあったけど、このスキルだけは全然わかんないなぁ~…」


「よし!とにかく、固有スキルは魔力を消耗しないし、使いまくってどんどん慣れていくぞぉ~!

 研究所行きは嫌だし、今の所は秘密にしておこう♪」


 まだ判明してない固有スキルが気になるけど、今考えても仕方ないよね?


「明日に備えて、今日はもう寝よう~!」


 ベルは鍵をかけこっそり自分の部屋へ戻って眠りについた。


 .・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.


「ベル!朝よ~」

「お母さん、おはよう~!」


 ベルは準備を整え、リビングへ向かったが朝早いというのに、兄の姿はもうなかった。


「お母さん、レオ兄は?」

「なんだか秘密の特訓をするって張り切って朝から出て行ったわよ?」

「そうなの?」

 もしかしたら私の影響?…なんて考えすぎかなぁ?


「そういえば、あなた今日はテストでしょ?」

「そうだった!今日はちょっと早めに行くね♪」

「確か一年生の最初のテストは適正テストよ!頑張って~」

「ありがとう」

 ベルはゆっくり朝食をとり、学校へでかけた。


 .・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.


「おはよー!」

「お、今日は早いなぁ まだ10分前だぞ?」

「やれば出来るの!

 って言うか、ブレイはいつも私より早く学校に来てない?」

「俺は誰かさんと違って、真面目だからな!」

「遅刻しなきゃ、一緒だし」

「言ったな~?」


 そうこうしてるうちに先生がやってきた。

「はーい ホームルーム始めます!二人とも席についてねー」

 先生のモンスターだ!早速話かけてみよう。

 目を見て…目…は、どこだろう?


 先生がいつも連れているモンスターはドゥルドゥルしていて、どこに目があるのかわからない…

 まぁ、頭のあたりで…

《おはよう》

《ぁ゛ん?

 なんか声がすると思ったら、いつも遅いクソガギじゃねぇか!》

 通じたけど、なんか口が悪い!


《あなたの名前はなんて言うの?》

《ワシに名前をつける魔力など主は持っておらん》


「ベルさん早く席について!」

 クラスメイト達が笑っている。

「ごめんなさい」

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