(2)
それからすぐに二日過ぎてしまい、ケルヴィン王子様が迎えに来る時間が迫っていました。
フォンブラン男爵邸の広間ではお父様にお母様に数人の使用人が待機していました。
私もマーメイドラインの青色のドレスに着替え終わって待っていました。
私がお母様に言いました。
「お母様、こんな素敵なドレスを頂いてありがとうございます。」
お母様が私に言いました。
「いいよ、そんな事は気にしないで。それよりもミルティ?しっかり楽しんでくるんだよ!!」
私がお母様に言いました。
「はい、お母様。」
お母様がフォンブラン男爵ことお父様に言いました。
「さあお前さん??ミルティに何か気の利いた事を言ってやりなさいな。」
するとフォンブラン男爵ことお父様がウロウロと広間を歩いていました。
「お前さん!!」
「ああそうだな、ロゼリーヌすまない。どうもこういう催事は苦手でな。」
フォンブラン男爵ことお父様は貴族間の交流や催事が苦手なのですが、いつもはとても頼りになるお父様です。
私はお父様に言いました。
「お父様、フォンブラン男爵家のために私がんばってきます。」
するとお父様が私に言いました。
「いいかい、ミルティ??フォンブラン男爵家の事なんて気にする必要はない。家の事なんて気にせずに自分の心に正直に判断すればいい。ミルティがどんな結論を出そうとも私達はミルティの味方だからな。」
お母様が私に言いました。
「そうだよ、だから晩餐会を楽しんでおいで。」
私はお父様とお母様に言いました。
「はい、ありがとうございます。」
すると使用人のライザが広間にやってきて報告してくれました。
「フォンブラン男爵様??王宮よりケルヴィン王子様が馬車でお越しでございます。」
私はお父様とお母様に言いました。
「はいお父様、お母様、では行ってまいります。」
私はそういうと屋敷を出て外で待機している馬車の前に向かいました。
ケルヴィン王子様が馬車の前で待ってくれていました。
ケルヴィン王子様は黒いタキシードでとても凛々しいお姿でした。
私はケルヴィン王子様に言いました。
「ケルヴィン王子様、今日は晩餐会にお招き頂きありがとうございます。」
ケルヴィン王子様が私に言いました。
「こちらこそ私の誘いを受けてくれてありがとう。是非ともミルティと晩餐会を一緒に過ごしたいと思っていたからね。ミルティがきてくれただけで感激だよ。」
「準備がよければお城に出発するけど、大丈夫かなミルティ?」
私がケルヴィン王子様に言いました。
「はい、お願いします。」
ケルヴィン王子様が馬車の扉を開けてくれました。
私はその馬車にのって王宮へと向かいました。
馬車に乗っている間もケルヴィン王子様は私を飽きさせないようにといろいろなお話をしてくださいました。
そしてしばらくして王城へと到着しました。
ケルヴィン王子様が馬車の扉を開けて、城の中へと案内をしてくれました。
そんな中私はとある事をケルヴィン王子様に尋ねました。
「今日の晩餐会に招待されている方は何人いらっしゃるのですか?」
するとケルヴィン王子様が私に言いました。
「今日の招待客はミルティだけだよ。」
やっぱりそうなんですね。
どうするかは決めてきたつもりなんですけどやっぱり恥ずかしいです。
招待客が私だけと考えるとすごくドキドキしてしまいます。
その様子をケルヴィン王子様も見てくれていたようで私に言ってくれました。
「ミルティ?大丈夫かい?具合が悪いのなら回復術士をすぐに呼ぶが??」
私はケルヴィン王子様に言いました。
「だ、大丈夫です。」
ケルヴィン王子様が言いました。
「ミルティ?無理はしなくていいからね。体調が悪かったらいつでも言って構わないから。」
私はケルヴィン王子様に言いました。
「本当に大丈夫ですから。」
ケルヴィン王子様が私に言いました。
「なら良かった。ミルティに何かあったら僕はもう生きていけないからね。」