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5)その呪文の使いかた

 

 佛告月愛若有人天意樂受行我大悲法門者……


 ブッダは月愛に言った。


「もし、天意によりこの大悲の法門による行いを喜んで受けようって人は。

「まさに月に計8日、または15日、香油で沐浴し、なにか妙なる香を塗り、白い浄衣を着て、三白食だけを食べ……あ、乳酪ヨーグルト粳米うるつまいと大麦のことね……そして悲傷心、つまり他者の痛みを悲しむ心を起こし、衆生を安楽させることを誓願するんだ。


「東方に日が出るとき、または夜の月が満月の時に、清浄な場所、あるいは月夜の路地で。

「3肘の大きさに香水で地面に曼荼羅を描き……いわゆる壇地ね……香泥で色を着ける。ゴミなどの悪いものはもちろん除去してね。

「壇の四方を開いて……日の出に行うときは四角形、月夜に行うなら満月型に作って……、乳安香を4つの鉢に盛って、四隅に置きます。

「また4つの瓶に香水を満たして4つの門に置き、季節の花をその瓶の口に活けます。

「それから5つの香炉も必要。四角の布を並べて炉をそれぞれの中心に置く。また蘇を使った燈(火の灯り)をその中に置きます。

「また4つの鉢を用意して、花のジュースと粳米を盛ります。

「そして壇の中心に蓮華座をひとつ作る。さまざまな色の敷物を敷いて、仏像か観世音増をその上に安置します。この門には閻羅(閻魔?)など、東の門には天主(帝釈天?)などを安置する……詳細は省略(と、書いてありました;)。

「さまざまな幡(旗竿やのぼり)蓋(日傘など)を交えて厳かに飾る。

「アカロ香(沈水香)をくべて、法のごとく配置します。

「行者は体を西門に向け顔を南門に向けます。前に火炉を置いて堅勒炭に火をつけます。

「そしてまず、乳酪蜜(ヨーグルト蜜)を器に入れて取ります。


「行者は(瞑想に入って)まず、十方のブッダたちと大地、菩薩、金剛、天、竜、鬼神を呼びます。来てもらえたら、六趣(天/人/修羅/餓鬼/畜生/地獄)の衆生のさまざまな苦悩を想い、それに心を集中します。

「すでに説明したようなものを見てしまえば、悲しくて涙が出て助けたいという強い決心ができるサ。


「また、このようにイメージする。自分が宝花の台座に乗ってその場所へ飛んでいき、みんなの体をマッサージして雨のように涙を流し、その火で焼かれてるような苦しみをなんとか減らしてあげたいと、痛み骨髄を徹るほど悲嘆し……もし難しいなら、すべての餓鬼を自分の親や妻子だと思いなさい……と、このように、14回イメージする。

「すると、瞑想が『如来のものすごく愛する一子』という境地になるョ。


「このようにイメージし終わったら、顔を東へ向け、十方のすべての餓鬼を召請する。さっき教えたあの召請呪、あれを14回唱えるんだ。そして、餓鬼たちが閻浮(自分のいる場所を含むこの大陸)にラッシュアワー状態になったとイメージします。


「(餓鬼たちは咽が細くてものを食べられないから)、次は咽を開いて解放してあげなければならないョ。すなわち壇にある香水/乳飯/香花などらに呪文をかけ、これら食べ物に呪文を唱えてからもとに戻す。

「行者はそのとき、ひとつまみの乳酪を取り、施食呪を唱えます。3回唱えたら、それを火の中に投げ込みます。

「これを、1000回行うんだ。

「このとき、ここに来ている無量百千那由他(10,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000)匹の餓鬼たちは隙間の空間もないほど集まり、大歓喜してこれを飲食します。そして姿を現し、行者に話しかけます。

「行者の意に従いすべての施しが全員に行きわたったら、行者はソッコー、このひとたちに、喜んで解脱することを教えるんだ。


「するとその時、現在活動中な十方の各世界のブッダたちが遠くからこの行者を褒め称える。そして遥か遠くから授記(将来にブッダとなるという保証)をしてくれる。

「すべての菩薩も大喜びで愛情を持ってくれ、すべての天や竜もそれぞれ香//花/宝石/音楽などを、遠くから行者に施してくれる。

「行者はこの威神力のために、そこに座ったままで百千那由他(1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000)もの陀羅尼と、百千倶胝(100,000,000,000,000)もの三昧(瞑想法)を獲得してしまうんだョ。


「善男子……もう言うまでもないけど、この人は火に焼かれず、水におぼれず、毒でさえもう効かないし、刀だってもう切ることはできない。そこに座っている間に、十住の境地を経由してもう如来の境地に達してしまったのだから。」


 ブッダは月愛に言った。


「これの名前は『甘露味大壇場法』という。

「もし、とにかく今すぐこの、如来の子の三昧陀羅尼と阿耨菩提さいこうのさとりの境地に達したいなら、大曼荼羅に入らなきゃならない。もしもそうすることに問題があったなら、これは成し遂げられないんだ。

「だけど、説明したとおりに法を受けて行えば、すべて成し遂げて効果てきめんだヨ」


 そのとき世尊は月愛菩薩摩訶薩のために偈を説いたのだった。


「♪この陀羅尼門は

   過去の諸仏も説いたのsa

  私もまたみんなを

   饒益したくて説いたyo

  この呪文を教わり記憶し

   信じて楽しむ人のsa

  功徳はキミの聞いたように

   私の説明した通りだyo


 ♪もし千億劫にわたり

   悪い行いをしてきてもsa

  この呪文を教わり記憶し唱え

   七日間にわたり浄めればne

  菩薩が1億劫も重ねた

   さまざまな福徳よりもne

  この呪文を唱えた七日のほうが

   ずっとずっとスゴイのsa


 ♪ブッダたちの方便は

   不思議そうぞうもできないと理解してne

  これを知ることのできた人に

   ブッダの教えることはもうないsa」


 そして世尊はまた月愛菩薩に言った。


「善男子。この人の説く功徳は無限に尽きないと知って、キミはこの法をよく記憶し受持しなさい。

「なぜかっていうとね。私の、在家/出家にかかわらずいろいろな教えの中で、悲田(苦悩してる人への共感を育てること)がいちばん重要だからだョ。

「それからね、月愛。私はあるとき、比丘たちのためにこう説いたんだ。

「ある人が深い敬愛の心を以て私に飲食を施したんだけれど……その時は前世で私もまだ悟っておらず、つまり彼は犬に施しをしただけなんだ。

「でも私はこの人の福徳は無限大だと讃えた」



 そこいらにいる野生動物や家畜、なんならカやハエ、はては「Gのひとたち」でさえ、転生を重ねればみんな未来の菩薩……みたいなことを、あるお坊さんが冗談半分ながら言ってました。

 菩薩になればその先は悟りを開いてブッダになるわけでして、つまりはそんなケモノやムシムシに施したとしても、「未来のブッダに施した」という福徳になる……ということなのかもしれません。いや、こりゃあ功徳がでかそうだなw



「だからね、月愛。

「たとえば阿羅漢あらかん(悟りを開いたお坊さん)や辟支佛ぴゃくしぶつ(自己流で悟った修行者)に施した果報は有限だけど、それでさえも500劫の間、天か人として生まれ変わりつづけることができるんだ。

「それが、餓鬼にちょっとした食べ物を施す善行をするとね、この人の福徳はもう菩提(自分が悟りを開く)に匹敵しちゃう。菩提ってのはもう無限の福徳だョ。福徳も寿命も無限になるほどだ。

「だからキミ、よく聞いてネ。もう一度、この陀羅尼の効能を得るための使いたかたを説明するから。」


 さて、そのもっと詳しい使いかたとは……それは次回にて。


 - つづく!


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