第4話 これから、ステータスを隠蔽します
ギリスさんとリリスに出会ってから三時間。
俺たちは、道中魔物や盗賊などの襲撃に合うこと無く、無事に目的地であるウグランタ街の城門に辿り着くことができた。
そんなウグランタ街の城門の前には、細い槍を手に持った四十代ぐらいの年輩の兵士と二十代ぐらいの若い兵士の二人が立っていた。
恐らく、この二人が武器を持って街の城門の前に立っている理由は、指名手配などといった犯罪者などが街に侵入しないように城門の前に立ち見張っているのだろう。
「うむ。どうやら、今日は結構混んでるみたいだな・・・」
馭者台に座っていたギリスさんがそんなことを言っていた
俺は、ギリスさんの声が聞こえて来ると、荷台から顔を出し本当に混んでいるのかを確かめた。
すると、ギリスさんの言う通り本当に混んでおり、城門の前には長い馬車の列が出来ていた。
そして、ギリスさんはそんなことを言いながら馬車を列の最後尾に停めた。
「ルルス、いつもこんなに混んでいるのか?」
「うーん。前はこんなには混んで無かったけど、最近不審者が増えてきたから検査が厳しくなるようになって、混むようになったんだよね・・・」
「あー、なるほどね」
俺はリリスにいつも城門前はこんなに混んでいるのかと聞いた。
すると、リリスは少し考えたあと、最近ウグランタ街に不審者が多く入って来るようになりウグランタ街に入る際に必要な検査が厳しくなりこんなに混むようになったと答えてくれた。
確かに、荷台から列の様子を見てみると、先頭の方では二人の兵士が馬車の荷台や馭者台、更には馬車の底なども確認し、馬車に乗っていた人たちのことも何か危険な物などを持っていないかどうかもくまなく確認していた。
「おーい、リリスにレイジ君!!二人とも、念の為に自分のステータスを確認しておいた方がいいぞ、もしかしたら早めに兵士たちがステータスの確認に来るかもしれないし」
「分かったよ、お父さん!!」
リリスとそんなことを話しているとギリスさんが馭者台から顔を出し俺たちにそんなことを言ってきた。
リリスはギリスさんに元気よくそう返事をした。
リリスは俺の前で「ステータスオープン」と呟くと、リリスの目の前にゲームなどでよく見たことがあるステータスウィンドというものが出現していた。
「度々申し訳ないんだけど、街に入るのにはステータスを見せないと駄目なのか?」
「うん、一応街に入るルールとしてステータスの確認が必要なの。ステータスを確認することによって、その人が過去に犯罪などを起こしたかどうかを確認したり、ちょっとした経歴を確認することができるらしいよ」
「な・・・なるほど」
「うん、それじゃレイジ君も一応兵士さんが確認しに来る可能性もあるから、一応ステータスの確認をしておいた方がいいと思うよ」
「分かったよ・・・」
どうやら、街に入るにはルールとして自身のステータスを門兵に見せることになっているらしい。
ステータスを見せる理由は、ステータスを確認することによって過去の犯罪歴やちょっとした経歴を確認することができるからしい。
俺は、リリスに勧められながら初めて自分自身のステータスを確認してみることにした。
「【ステータスオープン】」
俺はリリスと同様に、「ステータスオープン」と言い、目の前にステータスウィンドを出現させた。
因みに俺のステータスは以下の通りだ。
【ステータス】
名前 レイジ
種族 人間族
Lv 1
職業 旅人
HP(体力値) 5000
MP(魔力値) 4800
[注意事項]
HP(体力値)の平均はごく普通の成人男性が1500程度。鍛錬を受けた兵士や冒険者などが2500程度となっている。
MP(魔力値)の平均はごく普通の成人男性が500程度。鍛錬を受けた魔術師や冒険者などが2000程度となっている
腕力 100
脚力 150
敏捷 200
耐久 250
器用 300
[注意事項]
能力値を上げるのには、魔物などを討伐すれば少しずつステータスを上げることが出来る。
スキル 日常
家事 Lv3
礼儀作法 Lv3
スキル 戦闘
剣術 Lv2
体術 Lv2
短剣術 Lv2
弓術 Lv2
スキル 魔法
火属性魔法 Lv3
水属性魔法 Lv3
風属性魔法 Lv3
土属性魔法 Lv3
闇属性魔法 Lv4
回復属性魔法 Lv2
生物属性魔法 Lv2
生産属性魔法 Lv2
創造属性魔法 Lv2
スキル 特殊 戦闘
身体強化 Lv5
スキル 特殊 魔法
魔法強化 Lv5
鎖属性魔法 Lv5
魔法コネクト (Lv表記無し)
影操り (Lv表記無し)
スキル 特殊 その他
探索 (Lv表記無し)
念話 (Lv表記無し)
魔法収納 (Lv表記無し)
[注意事項]
スキルLvのMAXは全てがLv5と統一されている。
(Lv表記無し)と書かれているスキルは一生スキルLvが上がることは無い。
称号
転生者
女神の子
新たな人生を歩む子
「・・・・・・まじかよ」
「うん?どうかしたレイジ君?」
「い・・・いや、何でも無いよ何でも」
俺は、自分自身のステータスを目にすると、余りにも衝撃的な内容だったため言葉を失ってしまった。
自分のステータスを見て言葉を失ってしまっていた俺を見たリリスは心配そうにそう聞いてきた。
俺は、流石にこんなステータスをリリスに見られてしまったらヤバいと思い、慌ててステータスを閉じ「何でも無い」と答えた。
俺のそんなおかしいな言動を見たリリスは、俺のことを怪しんでいる様だったが、これ以上追求してもしょうが無いと思ったのか、ただ一言「そう」と答えるのみだった。
「(流石に、こんなステータスを人に見せることなんって絶対に無理だよな・・・。いくら、犯罪経歴とかが無いって言っても、Lv1の奴がこんなステータスをしてたら街に入れて貰えないどころか捕まる可能性もあるしな・・・。もし、そんなことになっちゃったら、わざわざ自分たちの馬車に乗せてくれたギリスさんとリリスに迷惑をかけてしまうことになっちゃうしな・・・)」
俺は馬車の荷台の中で一人頭を抱えステータスのことについて悩んでいた。
ファンタジー小説などの主人公はこのような場合に出くわした際には、転生特典などで貰っていた「隠蔽 スキル」などを使いステータスを隠蔽するのがお約束だが、俺にはそんなスキルは無いためステータスを隠蔽すること自体が出来なかった。
だが、考えている内に一つの案が思い浮かんだ。
「(「隠蔽」とかのスキルが無いなら、「念話」を使ってアイリス様にステータスのことについて相談してみればいいんじゃないか!?)」
俺はそう考えると、ギリスさんとリリスに声をかけ荷台から降り、人目の無い場所まで向かい「スキル 念話」を使用しアイリス様に話しかけた。
『アイリス様、聞こえますか?』
『はい、聞こえますよ。どうしましたか?』
『実は今ウグランタ街に入るために城門の前に並んでいるんですけど、ウグランタ街に入るためにはステータスを提示しなければいけないらしく、一応ステータスを確認してみたら流石に人には見せられないものになっていて、どうやって対象すればいいのか分からず、アイリス様に念話した次第です』
『確かに、貴方のステータスはLv1の人間では有り得ないものですもんね。分かりました、今回はこちらにも不備があったとして特別に貴方に「隠蔽」のスキルを授けましょう』
『本当ですか!?ありがとうございますアイリス様!!』
『いえ、お礼を言われるほどのことではありませんよ。因みに「隠蔽」のスキルを使う際には「スキル 隠蔽 ステータス」などと言えば、ステータスなどを隠蔽することが出来ます』
『はい、分かりました』
『では、頑張ってくださいね』
『はい、ありがとうございます!!頑張ります!!』
俺が「念話」でアイリス様に呼び掛けると、アイリス様は直ぐに返事をしてくれた。
俺はもう直ぐ順番が回って来てしまう可能性もあると思い、ストレイトにステータスのことをアイリス様に相談した。
するとアイリス様は、特に考えること無く俺に新しいスキル「隠蔽」を授けると言ってくれた。
俺は念願の「隠蔽」スキルを授けてくれたアイリス様にお礼を言った。そして、アイリス様は冷静に俺のお礼を流しながら「隠蔽」スキルの使い方を教えてくれた。
俺は、再びアイリス様にお礼の言葉を言い、アイリス様との念話を終わらせた。
「よしっ、早速「隠蔽」を使ってステータスを隠蔽してみるか」
『スキル 隠蔽 ステータス』
「取り敢えず、本当にステータスを隠蔽できたかどうか確かめてみるかな・・・」
俺はアイリス様との念話を終わらせると、早速新しく授かったスキル「隠蔽」を使い、ステータスを隠蔽した。
ステータスを隠蔽し終わると、本当にステータスを隠蔽出来たのかを確かめることにした。
「【ステータスオープン】」
【ステータス】
名前 レイジ
種族 人間族
Lv 1
職業 旅人
HP(体力値) 2300
MP(魔力値) 1800
腕力 50
脚力 80
敏捷 90
耐久 85
器用 99
スキル 日常
家事 Lv3
礼儀作法 Lv3
スキル 戦闘
剣術 Lv1
弓術 Lv1
スキル 魔法
火属性魔法 Lv1
水属性魔法 Lv1
風属性魔法 Lv1
回復属性魔法 Lv1
スキル 特殊 戦闘
身体強化 Lv1
スキル 特殊 魔法
無し
スキル 特殊 その他
探索 Lv1
称号
無し
「お・・・おぉ!?本当にステータスが隠蔽されてる!?」
実際にステータスを確認してみると、本当にステータスが隠蔽されており、俺は思わず大声を上げてしまった。
「取り敢えず、ステータスも隠蔽出来たことだし、そろそろ馬車に戻らないとリリスに怪しまれちゃうし」
俺はステータスが隠蔽出来たことを確認すると、ステータスを閉じて、馬車に戻ることにした。
俺は馬車の荷台に戻ると、思った通りリリスが「何をしていたのか?」と聞いてきたが、「ちょっとね・・・」などと言って誤魔化した。




