第1話 これから、転生します
ある日。
俺は、退屈でめんどくさい学校の授業が終わると昨日のゲームの続きをやるため足速に自分の家に帰るために、毎日登下校の際に通っているマンションの前を通っていた。
俺が、いつも通っているこのマンションはこの田舎の街には似合わないほどの立派なマンションだった。
この、マンションは五十階建てという、超高層マンションであり、外装に使われているレンガは全て高級な物であり、マンションのセキリュティも万全であり、外部からマンション内に入るのにはカードキーというもの必要であるため、外部からの侵入者は今まで一人も居ないという。
「あーあ。一日だけでいいから、こんなマンションに住んでみたいな・・・」
俺は、そんなマンションの前で足を止めてマンションを見上げながら、そんなことを呟きていた。
この、マンションは超高層マンションということもあり、家賃がものすごく高額であるため、アルバイトで生計を立てている俺が住めるところでは無かった。
俺は、そんなマンションを見上げながら「そんなことを、いちいち考えてもしょうがないな」と心の中で思い、止めていた足を動かし家に帰ろうとした。
「危ない!!下の人直ぐに避けて!!」
「えっ?」
すると、その時。
上の方からそんな声が微かに聞こえてきた。
俺は「何だ?」と思いながら、上を見上げてみると四十階ぐらいのフロアのベランダから二十代前半ぐらいに見える女性が身を乗り出し、大きく手を振りながら、俺に向かって何かを叫んでいた。
「何だ・・・?あの人は、一体俺に向かって何を叫んでるんだ?」
俺は、女性が何を叫んで、何を訴えているのかが分からなかった。
そして、ずっと上を見上げていると、上から何か黒い影のような物が落ちてきていることに気が付いた。
俺は、「何だ、あれは?」と思いながら、落ちてきている黒い影のような物を見つめていた。
そして、その黒い影のような物が段々と俺に近付いて来るに連れ、その黒い影のような物がなんなのか分かってきた。
「・・・・・・もしかして、あれ植木鉢か?」
そう。
俺に向かって落ちて来ている黒い影のような物の正体は何処の家にでもある植木鉢だった。
俺は、自分に向かって落ちて来ている物が植木鉢だと分かると、直ぐにその場から動き植木鉢を避けようとしたが、植木鉢だと気付くのが遅かったため、直ぐに避けることはできず植木鉢は俺の頭に落ちてきた。
「ガシャーン」という大きな音を立て、俺の頭に落ちてきた植木鉢はそのまま地面に散らばっていた。
そして、植木鉢が頭に直撃した俺は地面に倒れ込んでしまっていた。
意識が朦朧とする俺の目に映っていた物は、俺の頭に直撃し割れた植木鉢の破片と、俺の頭から流れている真っ赤な血の二つだけだった。
「・・・・・・まじか」
俺は意識が朦朧としながらも、自分の頭から流れている大量の赤い血を目にし、そんなことを呟いた。
すると、俺の方に誰かが駆け寄って来ている足音が微かに聞こえてきた。
「すいません、大丈夫ですか!!今、救急車を呼んだので気をしっかり持っていてください!!」
足音の人物は、俺の元に駆け寄ると俺の手を握りそんなことを言ってきた。
どうやら、俺の元に駆け寄って来たのは四十階から不注意で植木鉢を落としてしまったあの二十代前半ぐらいの女性だった。
女性は俺の手を強く握り、「大丈夫ですよ」などと励ましの言葉や「本当に、すいません」という謝罪の言葉を何度もかけていた。
俺は、そんな女性に答えるために、意識が朦朧としながらも顔を上げた。
「・・・・・・ちょっと、厳しいかも」
一言女性に向かってそう言った。
そして、俺はそのまま地面に倒れ込み、目を閉じた。
「ん?ここは、何処だ?」
俺は四十階から落ちて来た植木鉢が頭に直撃し死んだはずだった。
死んだはずだったのに、俺は生きていた。
俺は身体を無理矢理起こすと、周囲を見渡した。
すると、周囲には先程まであった五十階建て超高層マンションや民家などの影はひとつも無く、ただ真っ白い空間が広がっているだけだった。
「何なんだ、ここは・・・?何処かの、施設に隔離でもされているのか俺は?」
俺は、この真っ白い空間は何処かの施設の部屋だと思い、俺は何らかの事情でその部屋に隔離されていると考えた。
しかし、それにしてはこの部屋は広すぎであり、奥が見えないほど広がっていた。
俺は、そんな広い部屋がこの世界には存在しないと思い、改めてここは何処なのかと考え始めた。
「あ・・・あの、この度は誠に申し訳ありませんでした」
「・・・・・・ん?」
俺は、今居る場所が何処なのかと考えていると、後ろからそんな声が聞こえてきた。
俺は、「人が居るのか?」と思いながら後ろを振り返ると、そこには長い金髪と背中が見える露出度が高そうな白い服を着た女性が俺に向かって土下座をしていた。
露出度の高そうな服を着ている金髪の女性の土下座という、あまりにも衝撃的なものを目にしてしまい俺は数秒間だけだが思考が停止してしまっていた。
「あ・・・あのー、何で貴方は俺に土下座をしているんですか?それに、貴方は誰なんですか?そもそも、ここは何処なんですか?」
俺が停止していた思考を数秒で起動させ、未だに土下座をしている金髪の女性に立て続けに質問をした。
質問の内容は「何故土下座をしているのか」 「貴方は誰なのか」 「ここは何処なのか」というものだ。
「それでは、一つずつ丁寧答えますね」
「は・・・はい、お願いします」
金髪の女性はそう言い、頭を上げ立ち上がった。
金髪の女性が立ち上がったと同時に、金髪の女性の服装も明らかになった。
金髪の女性の服装は胸元がはだけており、俺が思った通り露出度が高い服装をしていた。
俺は視線が金髪の女性の胸に行かないように気を付けて、そう答えた。
「まずは、私が何者かということについてお話しますね。簡単に言うと、私は貴方がたの世界で言う女神という存在です」
「め・・・女神ですか・・・」
「はい、女神ですよ」
金髪の女性は、まず自分が何者なのかということを答えてくれた。
だが、金髪の女性の口から出たのは「女神」というとんでもない発言だった。
確かに改めて、金髪の女性を見てみると服装は確かに「女神」が着ていそうな服であり、容姿もとても整っており、確かに「女神」と言われてもおかしくは無さそうだった。
「それでは、次の質問に行きますね。次は、ここが何処なのかについてお話しますね。ここは、簡単に言うと天国と地獄の狭間にある空間通常「無透空間」っていいます」
「 「無透空間」とは?」
「 「無透空間」と言うのは、特殊な死に方をした人や私たちが女神がミスしてしまい死なせてしまった人を一時的に連れて来る場所になっています」
「な・・・なるほど、そうなんですね」
金髪の女性は次にここが何処なのかと言うことに答えてくれた。
金髪の女性が言うには、ここは特殊な死に方をしてしまった人や女神が間違えて死なせてしまった人を一時的に連れて来る「無透空間」という場所らしい。
俺は納得した素振りを見せているが、心の中では金髪の女性の「女神がミスしてしまい死なせてしまった人」という言葉が何処か引っかかっていた。
「それでは、最後の質問に行きますね。最後は、何故私が貴方に土下座をしていたのかについてお話しますね。私が貴方に土下座をしていた理由は、私がの不注意で貴方を死なせてしまったからです」
「えっ・・・、不注意?」
「はい。本当ならば、あの植木鉢が落下して来た時貴方は直ぐに植木鉢の存在に気付いて避けることができ、誰も怪我を負うことは無かったんです。ですが、私が植木鉢が落下するスピードなどをミスしてしまい、こんなことになってしまったのです」
「・・・・・・なるほど、つまり簡単にまとめると。俺は本当は死ぬ運命では無かったけど、貴方が植木鉢のスピードなどをミスしてしまったせいで俺は死んでしまったていうことですね」
「はい、そうゆうことです。それにしても、貴方は死んでしまったと言われても一切動揺しないのですね。今までの人は、死んでしまったことを伝えられると凄く焦っていましたよ」
「まぁ、四十階から落ちて来た植木鉢が直撃して、あんなに血が出ていたら誰だって死んだと思いますよ。それに、人は産まれたらいつかは死ぬ運命ですしね。ここは、もう割り切るしかありませんよ・・・」
金髪の女性は若干申し訳なさそうな感じで、自分が俺に土下座をしていた理由を話してくれた。
金髪の女性が言うには、本当は俺は死ぬはずでは無かったらしい。
更に、詳しく話を聞いてみると本来の世界線では俺は直ぐに植木鉢のことに気が付き、直ぐに避けて大事には至らなかったらしい。
だが、この金髪の女性が色々と事情があってかなのか植木鉢が落ちてくるスピードなどをミスしてしまったせいで本来俺に直撃しない植木鉢が俺に直撃してしまい、俺はこうして命を落としてしまったのだった。
金髪の女性は、俺が死んだことを聞かされても一切動揺しないことに対して驚いていた様子だった。
確かに、誰だって死んだと言われてたら驚くのが普通なのだが、俺の場合四十階から落ちて来た植木鉢が頭に直撃し、あんなに大量の血を流していたのを自分の目見ていれば自分は死んだのだと思うのが普通だろう。
それに、人間という生き物は一度産まれてしまえば、いつか死んでしまうのが人間として産まれた時の運命なのだから、今更落ち込んだり、動揺したりしてもしょうがないことだと思う。
「それで、俺はこれからどうなるんですか?貴方がたのミスならば、俺はもう一度元の世界で生き返ることなんかが出来るんですか?」
「確かに、私たち女神のミスで死なせてしまった場合は天界のルールとして、もう一度新しい命を与え生き返らせることが義務となっていますが、元の世界に生き返らせることは諸々な事情で不可能となっています」
「あー、なるほど。それじゃ、俺は別の世界で生き返るってことですか?」
「はい、地球とは別の世界で生き返らせることになります」
「なるほど。それで、これから俺が生き返る予定の世界はどんな世界なんですか?」
「貴方がこれから生き返る世界は、魔法という概念が存在する世界となっています。その、世界には冒険者という職業が存在し、様々な人種が共存している世界になっています。因みに、文明の方は地球とは比べてあまり発達はしていませんが、そこは魔法などで補っています」
「なるほど、分かりました」
俺は、これ以上考えてもしょうがないと思い、俺はこれからどうなるのかと思いながら「元の世界で生き返ることはできるのか」と聞いた。
すると、それは天界のルールとしては不可能だった。
だが、天界のルールとして女神が人を死なせてしまった場合は他の世界で生き返らせることがルールとなっているのだった。
そして、俺がこれから生き返る場所は魔法などという概念が存在する世界だった。
「それで、俺はその世界で生き返るに至って、何か特典とかって貰えるんですか?」
「はい、貰えますよ」
俺は、これから自分が生き返る世界が地球よりも数十倍危ないところだと思い、何か特典を貰えることは可能なのかと聞いた。
すると、金髪の女性は笑顔でそう答えた。
どうやら、何かしらの特典は貰えるらしい。
「それでは、これを引いてください」
金髪の女性はパチンと指を鳴らすと、頭上から誰もが見たことややったことがあるガチャガチャが降りて来た。
「回す回数ですが、通常は五回となっていますが、今回の場合は私のミスということあったので、特別に十回引けるように設定しておきました」
「あっ・・・、ありがとうございます」
通常このガチャガチャは五回しか引けないようだが、今回は金髪の女性がミスしてしまったので、特別に十回引けるように設定してくれたようだ。
俺は、金髪の女性にお礼を言いながらガチャガチャを十回引いた。
俺がガチャガチャを引き終わると、俺の目の前には四種類のカプセルが並んでいた。
銅が四つ、銀が三つ、金が二つ、プラチナが一つとなっていた。
「こ・・・これは、凄いですね!!金色とプラチナが出るなんって、普通はありえないですよ!!取り敢えず、早速開けて行きましょう!!」
「わ・・・分かりました」
金髪の女性は興奮しながら、俺にそう言ってきた。
俺は、若干動揺しながらも金髪の女性に従い、カプセルの中身を確認することにした。
各カプセルの中身は以下の通りだった。
銅
・身体強化
→身体能力を強化することが出来る。
・魔法強化
→魔法を強化することが出来る。
・美化容姿
→容姿がイケメンになる。
・健康
→病気などにならない。
銀
・探索
→様々なものを探索することができる。
・鎖
→両手から特別な鎖を出すことができる。
・念話
→女神や神などと頭の中で話すことが出来る。
金
・魔法コネクト
→魔法を組み合わせることができる。
・魔法収納
→様々なものを収納することが出来る。
プラチナ
・影操り
→死んだ生物の影を抜き取り操ることができる。
俺はカプセルの中身を確認したが、これが当たりなのかハズレなのかがわからなかった。
そのため、金髪の女性に聞いてみることにした。
「これって、当たりの分類ですか?」
「はい、当たりどこから大当たりですよ!!」
「そ・・・そうなんですね、それは良かったです」
どうやら、金髪の女性に聞いてみるとこのカプセルの中身は当たりどころか大当たりの分類に入るらしい。
「それでは、転生特典も引き終わりましたし、時間も無いのでそろそろ転生させますね」
「はい、お願いします女神様!!」
金髪の女性はそう言うと、俺に近付き俺の頭に手をかざした。
「最後になりますが、この度は誠に申し訳ありませんでした。因みに、今更ですが私の名前はアイリスって言います。時々念話を使って話しかけますのでどうぞ覚えといてください」
「はい、分かりましたアイリス様」
俺は最後に金髪の女性がアイリスという名前だということを知ると同時に、俺の身体は白い光に包まれ、次の瞬間意識を失った。




