きおくがなくて
ゆきこ
それがわたしの名前
3年付き合った彼氏と別れた
もう元彼と言わなきゃならない
現実が見えてきたらもやもやする
3年もつきあったのに
なぜか思い出せない
顔も、声も、思い出も
なのにかなしい、さみしい。
わたしの名前の“ゆき”みたいに
溶けて消えてしまったみたいだ
思い出がないから語れない
ただ、たのしかった
旅行にたくさん行った
次はどこに行こうって話したんだ
思い出せないがつらい。
わたしは、なぜ記憶を溶かしてしまったのか
とかそうと思った訳ではない
いつの間にか消えていたんだ雪のように。
風邪はひいてないか、泣いてないか、怪我してないか
すごく心配もある
*
正直、追い詰められたのはある
うつ病の悪化の進行具合が最悪だった
逃げてしまったんだ
それでも、別れたくない気持ちもあった
遠距離恋愛なんてさせてもらえないのも分かってた
それでも少し期待してた
最後の最後に試させてもらった
それもクリア出来なかったから別れるしかなかった
死にたい、消えたい
そうおもうようになった
おちついて、ひとりになった途端
頭がおかしくなったかのようにグルグルして
気がついたら、思い出せない状態に。
みんなは大切に出来てますか?
記憶は簡単に消えてゆくのです
都会の少しだけ積もった雪のように簡単に溶けてきえてしまう
記憶も思った以上に簡単に閉じ込めれてしまう
どうせなら彼氏のことも……いや、元彼のこと全てを閉じ込めてしまいたかった。
みんなは大事にしてくださいね