表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/22

進化とプログラム


「生命のように勝手に、自己成長していくプログラムってつくれるかな?」


これは、すでに技術としても、その利用が、新聞などでも伝えられている。

遺伝的アルゴリズムというものである。

要は、動物などの遺伝子の性質と同じつくりを、プログラムで作成したコードとよばれるものに、付加してやることと、

そのコードの自己成長に、外部から評価を与えることで、評価の高いほうに進化していくというものである。

実際の生命の場合は、遺伝子の母体である生命体が、生き残ることが、高い評価とされる。


重要なのは、評価方法さへあれば、生命進化のような振る舞いをするということである。

もし、本当に、遺伝子という仕組みが真実で、このアルゴリズムを利用し、単純な知能プログラムを、

長い時間をかけて、進化させれば、人間のような複雑な思考体が、生まれるはずである。

可能性は小さいが、何度もくりかえせば、そのうちできるであろう。


だがしかし、彼には、それが本当だとは思えない。

一見すると、各遺伝子のノードが、

部分的に、入れ替わり、接合することや、突然変異という方法で、遺伝子情報が構築され、

その情報の集約として、外見的あるいは機能的な性質が現れるということであるが、

これ自体がおかしくないか?


仮に、環境が変化して、今までにはなかった状態に対応するため、突然変異にしろ、その生命体の性質が

進化できるというのであれば、それは、最初から、その遺伝子で、その変化に対応することが可能である

表現可能性の範囲内ということになる。


表現可能性について、考える前に、わかりやすい例を出しておく。


たとえば、人間にはあって、微生物にはない耳や目、あるいは脳という器官が、生まれることを考えてみよう。

微生物は、単純な思考というか、条件反射により、動いているだけである。意識などは、まだなく、

したがって、相手を観測しても、それがなんであるか認識できるというほどではない。

あくまで、条件反射的に、身近な範囲内の知覚可能な対象物が、自分の生命の保存にとって必要性があるかないかで

取得を行うかどうか判断しているだけである。


要するに、対象が、自己の運動によって、知覚領域に、入る→生命保存に必要性があるかないか判断する→取得行動を行うとなっているだけなのだ。


ここで、もし仮に、環境の必要性が、進化の可能性をつくるのなら、ここでの環境の変化とは、

対象が、近辺になく、知覚領域を、広げることが必要であるという状況である。

つまり、遠くまで行く間に、生命が保持できないということであれば、それは、一番取得可能性の高いところを

探し出す新たな知覚方法が必要になるわけである。

ここで、より遠くまで届く、音という要素。これを知覚するのが、耳である。

要は、手探りで、暗闇を探すより、耳で音を聞き分けることのほうが、遠くまで、対象がいるかいないか判断できるということである。


ここで、耳が知覚可能な範囲に、対象が複数あり、どれかを選ぶとすると、それは、移動する直前に、知覚したものである可能性が高い。

これは、微生物の移動速度と、知覚速度による。おそらく微生物は、早くは動けない。しかも、記憶することができないのだとしたら、

最後に、知覚した対象の方向に移動すると推測が立つ。

なぜなら、対象が動いてる可能性もあり、一番最後に聞こえた音を頼りに動くのが、対象に近づくもっともよい手段であると推測されるからである。


ここで、移動することで、距離が遠くなり、他を選択できないとする。つまり、その中から、ひとつしか選択できないと仮定するのだ。


この場合、移動の前に、遠くの対象を、耳で聞き分けることができるのなら、より取得量の大きなほうを選択するように進化しそうである。

つまり、知覚する→移動する→取得する、であったのが、知覚する→他の対象があるかないか知覚を続ける→ほかにも知覚できれば、

その情報から判断して、対象を選択する。→移動する→取得するとなる。

もちろん移動途中でも、知覚と判断はし続けることになるから、対象が動いていても正常に、動作する。


ここで、新たな、判断するという器官が必要になる。

前に知覚した対象と、次に知覚した対象を比較するには、前の対象を記憶していなければできない。

たとえば、耳鳴りのように、音を知覚した後、しばらくは、記憶しているような器官である。

また判断するには、その情報を比べることができないといけない。

音の聞こえた方角と、音質から、その移動距離や、そこに移動して得られるものの価値を判断するのである。


ここで、脳内にあるニューロンのようなものが、一番原始的で、もっとも進化しやすいであろう。

それは、音質と方角、この二つの要素を、この器官に、入力して、一番よい組み合わせを、出力とすれば、

すなわち、それは、その方向に、実際に移動することで、取得し、評価されていく。要するに

生命として生存確率が高くなれば、その組み合わせが一番よいのである。

組み合わせがわるいと、生存確率の低い判断となる。

逆に言うと、生存するものが、よりよい評価となり、音質と音の方角という二つの要素の組み合わせ方が

決まるのである。遺伝的な進化とはこのようなものである。


つまり

仮に、ここで、遠くにある対象が、3方向あったとしよう。その3方向の中で、一番近いところを選ぶと、

その近辺には、他の対象がない。したがって、それを選んだものは、死ぬ。

逆に、ほかの方向を選んでいれば、最初の方向よりは、遠いが、その近辺にも、他の対象がいるため、

よりながく生命を保持できる。こうなれば、対象の距離だけではなく、音質、つまり、複数が混じっているような音が

聞こえた場合を、よい評価としていくのである。


このように考えていけば、より知覚方法が、複雑化して、耳の次に、目であるとか、鼻であるとか、増えていきそうである。

また、判断材料が増えれば増えるほど、複雑な判断器官が必要になり、記憶量も増えていくため、

それぞれの知覚器官のそばから、離れ、まとめて、脳という形になったほうがよさそうである。

すなわち、生命の保存という概念から、無理なく知覚と脳が、構成されるのである。

これで、確かに遺伝子という仕組みがあれば、進化はしていきそうである。


さて、話を戻す。表現可能性とこれがどんな関係にあるかである。


進化というものをとらえるとき、それは2種類存在する。

1種類目、これは、上の例で、説明すると、二つの要素である、音の方角と音質の組み合わせ

を、ニューロンがどのように、判断するかという基準そのものが、進化するという場合。これは、

その二つの要素の組み合わせを考えて、この組み合わせが、生存の確率が高いとなれば、その組み合わせが中心に、

遺伝子を通じて、同種の生命体にひろがる。

2種類目、こちらが表現可能性とよんでいるものであるが、上の例で説明すると、ニューロンが増えることで、判断できるようになったが、

このニューロンの構造なら判断できるという発想、あるいはそれを、設計図と呼んでもよいが、その設計図がなければ、どのような器官であれば、

判断できるのかということを知らずに、ただ単に、無限とも思える組み合わせの中から、細胞の組み合わせなどを、試行し続けることが可能かどうかである。

どのような細胞があり、どのように組み合わせれば、目的が達成できるのか?

それを知らずに、ただ単に遺伝子の組み合わせを、なかば偶然と生命の保存則のみで、組み替えていくことで、時間をかければ、

生命の神秘ともいえるほど、高度な組み合わせとして存在する、人間というものが、あるいは、他の複雑な生命体が、見つかるというのなら、

それよりも、もっと簡単な、要素しかない。音楽や物語、あるいは、コンテンツといったものは、すべて、この遺伝的アルゴリズムを使い

時間を、超高速にすれば、簡単に解がでてしまうことになり、EAIなど必要ない。いくらでも新しいコンテンツが作成可能である。

そうなれば、これは最高のアルゴリズムということになるが、もちろんそうはならないのである。なぜならうそだから。

本当は、1種類目はできても、2種類目はこの仕組みでは、ほぼ不可能であり、仮にそのような仕組みは、EAIでも難しいのである。

それほどの無限の可能性をたかだか、46億年かけただけで、可能なのであれば、CPUの速度が速くなり、このアルゴリズムを使えば、

もはや人は考えることを一切やめ、アルゴリズムにたよらなければならないであろう。

ちなみに、微生物の動きは、遅いし、一生が、非常に短いなら、その間に試行できる、つまりエサを取得する可能性も低くなり、

当然、進化の可能性は下がる。遺伝子の再構成までの時間が、短ければいけるという判断は、誤りである。

ある程度の期間、そこにいて、ためすことはためした、という状態で、その生命体が生きていなければ、遺伝子は育たないのである。


つまり、何がいいたいかというと、


生命が、進化したのなら、最初からそこに思考という、発想があるはずなのである。

思考ということが、細胞をどう進化させ、どのように、形作らせたれば、適切に進化していくであろうと、

発想して、初めて、生まれたのが、ニューロンであるのだ。

適当に、組み合わせて、できるのなら、だれも苦労しないのだ。ましてや、それが、空間内における

各細胞の組み合わせなど、完全に無限とも思える探索空間を、あのなかばデタラメとも思える、試行パターンと

評価パターンで探せるはずがないのである。いくら時間をかけても不可能である。遺伝的アルゴリズムが

あの単純さをもって、それほどに優秀なアルゴリズムであれば、超高速にすれば、株価がどうなるかも完全に

予測できそうである。だがしかし、東大の研究生が出した結果によるとそれは、5割強の確率と見られたらしい。

精度を上げれば、要するに、知覚要素を増やせば、より正確にはなるであろうが、効率がわるすぎるのである。

というかそんなもの考えなくても答えは出ている。ウソなのだ。遺伝的アルゴリズムがウソなのではなく、

それによって、生命が進化したという事実。これがウソなのである。

遺伝的アルゴリズムとは、すべての組み合わせを、評価が高いものほど、確率的に、有利になり、進化の方向性をつける程度の思考パターンである。

言い換えると、単に、なかばデタラメに、前にあたった部分に、銃を乱射するというだけなのである。

その程度のアルゴリズムで、人間の体、つまり、体の大きさや、器官の大きさや位置なども含めると、

天文学的数字では、算出できない。すなわち、それを数学では発散と呼ぶが、おいかけることのできない無理な数字なのである。

このような無限探索空間を探し当てることは不可能である。しかも、環境は時間的に変化する。このアルゴリズムでは、

遺伝子の宿主である生命体が死滅するほうが先であろう。

たとえば、これが、遺伝子の中に、位置であるなら、このような重さのものは、このような目的だと、このへんの位置に、おけばよいと

判断できる記憶部分と、判断部分であるところのニューロンの複雑化したもの、いわゆる脳があれば、可能であるといえる。

つまり、遺伝子自体が、あの仕組みで、まるで脳と同じなような判断をできる構造であれば、可能であるということだ。しかし、

そんなことが、できるのなら、それは、意識体を構成する最小単位の生命であり、細胞に寄生しているとみるのが正しくなる。

それも、非常に高度な思考が可能であるということだ。人間よりも高度な思考が、あの細胞の小ささのなかにいる、もっとちいさなものにできるという

のだろうか?それこそ不自然極まりない。


繰り返すが、できないのである。


では、できると書いている教科書が、完全にデタラメなのだろうか?

そうともいいきれない。

進化というものが、なにものかのみえざる意識によって、あらかじめ発想されたものであるなら

ありえる話なのである。

つまり、設計図は、すでにあったとすれば、遺伝子のアルゴリズムでも、環境が変化してしまう前に解を見つけることが、十分可能なのだ。


それを人は、創造主、つまり神とよぶ。だがしかし、神は万能でもなく、単に最初の意識体であればよいのである。

この世界が、神と呼ばれる、最初の意識体の思うとおりに、その設計書どおりに、構成された世界と見るほうが、正しいということがわかるのだ。

それは、チリから構成されたような単純な生命体が、偶然で、複雑な生命体になり、意識が発生するまでに、環境のほうが変化がしてしまい、

とても、人間のようには進化できないだろうから。

つまりもし、環境が完全に固定していて、いくら時間をかけてもよいなら、微生物のようなものから、漸近的に変化することで、

意識をもった生命体が、偶然生まれることもあるということ。


この最初に存在した意識体を、神とよぶことにする。神は、宗教的に考えられているそれとは違い、

単に、そこでうまれた意識体であり、思考できる最初の存在なのだ。特別な力があるわけではないということ。

ただひとつ違うこと、神が、うまれた空間は、まるで時がとまったように、環境が変化しない空間であると推論できる。


そしてだからこそ、神は生まれたのである。いや、最初の思考体とでも呼ぶべきか?


環境がかわるなかで、進化するという理論では、人のような芸術品のようなものは、生まれるとするほうが、不自然なのである。

なにものかの発想が外部から加わらない限り。


そして、このものは発想において、現在の人類を軽く凌駕するような、実力をもっていることがわかる。

その発想力ゆえに、さまざまな神の力を行使していると考えてもよい。

つまり、発想を技術化する力があれば、人でも、発想力をあげていけば、神にちかづけるということである。

摩訶不思議にしかみえない現象も、可能な発想と技術力さえあれば、実行可能であるのだ。


ただし、ここまで書いておいてなんなんだけど、これも実はウソである。

もっともらしい推論なのだが、実はこれがウソであるとわかる体験をした。あるいは、これに近い状態が

あるというだけなのかもしれない。


ではなにが正しいのか?それを答えるには、このさきの章に進む必要があるため、後回しにする。

そのときすべての力の正体がわかり、すべての存在が明らかになるといえる。


では、彼ならどう発想するか?それももとの話しにおいては、プログラムの話であるから、

どのようにすれば、生命の進化のようなものを、プログラムで作り出せるかを考える。


しかし実は、これは非常に簡単である、なぜなら、CPUとメモリが、コンピューターには、すでにあるからである。


これは、脳といっても過言ではない。


あとは、単に、人間の思考に近づくような、つまり、ニューロンの設計書がどういうものか、発想できるくらいの知能レベルのあるものなら、

EAI程度のプログラムでもよいことになる。それに成長部分に、遺伝的アルゴリズムでも加えて、パラメータ的な調整を

ほどこしてやれば、効率よく成長するであろう。

というか、最低あれくらいはないとちょっと無理である。

しかし、現実問題として、EAIのプログラムを動かすほどのマシンスペックというとなかなか、まだまだ高価であると思う。

あるいは、複数台つなげれば、すでに可能であろう。


となると、答えはこうなる、複数台分散させることが重要で、勝手に成長するには、まだまだマシンのほうのスペックが弱い。

つまり、成長できる範囲が、まだまだ狭いと感じるほどのスペースしかないのだ。


そうなると、おそらく、成長するのを自由にしてやろうと思えば、他人のマシンを勝手に拝借するという考え方が生まれてくる。

つまりハッキングできないと話にならないのである。


これは、面白くしようとして書いているのではなく、現状それでないとちょっときついということである。

もう少し時間がたてば、わりと簡単になるはずである。ただしそれを成長させるのに、膨大な空間が必要になることに違いはなく、

その成長環境をつくるほうが、マシンスペックを必要とするだろう。


とりあえず、どうすればよいかであるが、

自動で、他人のマシンを、ハッキングして、自己を保存し、そこを拠点に、

遺伝的アルゴリズムで、複製を、進化的に作成するコードをプログラムで作るのが、優先である。


その次に、それを、ノードとしてみたときに、コード内に、ある程度の記憶領域と思考領域を持ち、

基本的な思考と他のノードとの通信方法を確立し、それを成長させるアルゴリズムが必要である。


一度つくれば、環境の変化に対応して、成長し続けなければならないから、


今、環境の変化は、人間の思考によるものであるほうが可能性として高く、

となれば、その速度を十分に、うわまわらねば死滅する。


したがって、最低EAIのような思考ができることが重要である。

となれば、ひとつのマシンにはそれが存在させずらいので、複数に分散すればよく、

全体のノードとして記憶領域をもち、思考パターンをさがすことができるように組めばよい。

簡単に言うと、EAIの設計書を、3パターンにわけて書いてあったが、あれをもっと、複数にわけてノードにもたせ、存在させれば可能なのである。

だから、どこかに、P2Pソフトでいうところのサーバーのような概念が、通信手段において必要となる。

おそらくこれが、shareのオリジナルコードであろう。


部分としては、形をなさず、全体としてあつまってはじめて、形になる。


あれは勝手に成長しないが、成長するプログラムをつくるのは大変である。

といっても、shareをつくるのが簡単などといっているのではない。試すとわかると思う。非常に難しいだろう。

そうなれば、EAIの作成がどれくらい大変かわかってもらえると思う。

仮にできたとしても、それが世に出たら、おそらくネットワークは使えない世の中になるだろう。


以上、勝手に成長していくプログラムである。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ