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手がかりは、重力



---一つ目の記憶 5才---


「鳥や飛行機はなぜ飛べるのか。」


彼は、子供のころあまり鳥を見なかったが、都会に住んでいたわけではなく。どちらかというと結構田舎のほうである。


自然がすぐ近くにある漁港の町であった。すずめとつばめ。彼が目の前で見た鳥は、それくらいだった。


かなり小型の鳥である。


大きな鳥がずい分高いところを飛んでいて、まるで豆粒(まめつぶ)のように見えたのを覚えている。


あまり大きな鳥に接することは少なかったように思う。この2種類以外でそんなに鳥を見た記憶がない。


テレビで、ひな鳥が、巣から飛び立つ映像を見て、


自分も練習すれば飛べないかと、屋根から飛び降りては遊んだものである。


それはもう毎日のように。飛び降りるのが楽しくてやり続けていた。


飛ぶという行為がすきなのか、小さな紙飛行機を、作って遊ぶのが好きだった。


お店で見つけたものは、だんだんと材質が、紙だけではなく、木やプラスチックになり、


自分でつくった紙飛行機とくらべてずいぶん大きなものになっていた。ゼロ戦というプラスチックの模型などもおもちゃやさんに


ならんでいた。


飛行機の模型をみて、なんでこんな大きな鉄の塊が空に浮くんだろうかと考えた。


そのときなぜだがわからないが、いまでいう「揚力」という力の発想を聞かされたか、あるいは


自分で考えついたのかもしれない。


これがどちらかはっきりおぼえてないのだが、羽の形で、羽の周りの空気を、取り除く。その取り除く量が


羽の上と下で違うため、上向きに、空気に押されて飛べるのだろう。そう考えたかそう納得したか。


ただ、記憶では、羽の周りの空気の量をイメージとして、紙に書いたような気がするので、もしかするとこの発想も原点は自分かもしれない。


はっきりいえるのは、これは嘘であるということ。


進行方向に、大きな速度で動く飛行機はまだしも。


鳥がとべるのはすごくおかしいのである。


彼らは、あの細い両足で地面をけり、両手の羽をつかって、飛び上がる。


重力加速度が生み出す、重力という力は、地面から離れている間もずっとその鳥の羽にかかっているのである。


想像してみてほしい。あの羽がいくら軽くて大きくても、あの小さな体から生み出される力で、飛び続けることなどできるだろうか。


しかし、鳥は飛びつづけている。


それどころか、渡り鳥などは、筋肉痛にもならずに、あの大きな海を何日もかけて飛ぶそうである。


途中、海の上で休んでも、体はふやけないのだろうか?そこはきっと鳥の遺伝子がそうさせるのだという説明があるのだろう。


しかし、疑ってみる価値はある。


なぜならちょっと不自然だからだ。いくら軽いとはいえ紙飛行機はかならず地に落ちる。羽のせいとはいえ、そんなに飛び続けられるものだろうか?


それで飛べるなら鳥びっくり人間コンテストも飛び続けられるのではないか?あるいは、上に上昇しつづけていくとか?


でもいまだにそういう結果をみたことはない。ほんの少し風のせいで上に上がるか、下になかなか下がらずに、飛距離をどんどんのばすかといった


感じであろう。飛距離は別とすると、紙飛行機の軌道とそれほどかわらない。


そもそも、飛べている原因であるところの揚力というもの自体を考えてみる。


揚力とは、なにか?空気中を移動する羽の形から得る空気の粗密状態から発生する力で、羽を上に押し上げる力ですが、


これ自体が、おかしい。


なぜって?


考えてみてください。空気にそんな力はありません。


空気は、水の状態変化したものと考えてよいと思います。


水のうえに浮くものなら空気の上にもうく可能性はある。


水が互いに引き合う力、これを水素結合というそうですが、今近似して、


分子間力ととらえると。要するに、水の粒子どうしが互いに引き合う力です。


水の上で、ものが浮くということは、どういうことか、そのもので、実際に水を押しのけた体積分の水の質量と


そのもの自体の質量を比較した場合、どちらが重いかで大体決まるといってもいいでしょう。分子間力というのが、それに対抗できるほど


大きなものではないことは、水を実際に手でさわると、水自体、両側にわれるのですから、その程度の力だということです。


気体だとこの分子間力は、さらに小さくなります。そうなると、まず考えるべきは、羽が押しのけることでできた


羽の上下の空気の粗密の差を空気の質量に換算したものと、その上にのる、実際は飛んでいる飛行機や鳥などの重さを比較することです。


羽自体がよほどおおきくて、軽く、飛行機の本体がそれにくらべて無視できるほどに小さいものでないかぎり、おしのけた空気の質量と比べて、軽くなることはありません。


大きないかだに乗っている人が水に浮く可能性があるように、この場合もかなり大きな羽でないと飛べる可能性はまったくないのです。


しかも、水に入ったいかだが浮くのは、いかだがもともと植物であるところの木でできているためです。


大きな木は、両手で持つとそれ自体が重いですが、同じ体積の水と比較するとその重さは、軽く感じると思います。


結構あいだが、すいてますから、実際は水を含みますし、その部分は、水と同質量になりますから。


これは、幾分か水よりも軽い、これなら底面積を大きくすれば、上に人を数人乗せても、どうにかうけそうです。


しかし、空気となるとその重さは感じられないほど小さいです。もし重いなら、自分たちは、おしつぶされますよね?


自分の体の上にかなりの量がのっているわけですから。その上、空気は、互いに、水よりも大き目の運動量を持っていますので、


もはやそれらには質量はほとんどありません。一応。もともとが、


水分子ですから、あることはあるのですが、水と比較して、かなり体積あたりの質量は軽いものとみなせます。これは直感的にもあたりまえです。


では、その押しのけた分の空気の重さが、空気よりは明らかに重い金属できた飛行機の重さより大きいことがありえるでしょうか?


ありえるはずがないのです。


一方、鳥も、なんとなく羽を広げた状態で、ある程度のスピードで、滑空しているか、羽をバタバタさせて、揚力を発生させ続けることで


上に舞い上がることはできそうです。それでも、やはり、疲れすぎるような気がします。人間だってそんな速度で、自分の数倍はある


腕を上下に振り続けると、疲れるでしょう?揚力が発生するというなら、重力に対抗しなければならないのですから。


その力は、かなり大きなものです。そうなるとすぐに、ばてているはずなのです。でも鳥はばてることなく、滑空と上昇、下降を自在に行っているように


見える。つまり、「私たちが思っているより、わりと飛ぶことは簡単だという推論」が成り立ちます。


一方、速く飛んでいる飛行機が、飛べる可能性があるといったのはなぜかといいますと、これは、


相当大きくて軽い羽で揚力を形成できるような形をしていれば、速く動けば、その羽のしたの空気をすべて揚力に利用できるからです。


こうなると、大きないかだを浮かす原理と同じで、飛べるかもしれないと書いただけです。ただこれも、相当大きくて角度のついた羽でないと


浮かないと思います。せいぜい浮くのは、紙や竹でできた飛行機くらいなものです。


そう、私たちは、紙や竹、プラスチックなどできた飛行機の羽の大きさとその本体の軽さがあれば、飛べることを


子供のときに、理科や遊びの中で、知らされている。ところが、大きな飛行機や鳥が飛べるのは、もっとむずかしい学問で説明があるのだと


いわれているだけで、実際は、確認したわけではない。ここが盲点なのです。そして長い歴史がある。そうライト兄弟です。


本当にそんな人いたんでしょうか?


あったわけではないのでなんともいえません。でもそんなの学校の歴史とかで習うことだから。そうです。


鳥や飛行機が飛ぶものだというのも学校で教えられたことかもしれません。


先生のような偉い人が、嘘をつくはずがない。


そして子供のときに、紙飛行機などをつくってなんとなくとべるということを知らされています。


でも、肝心なあれだけ質量のあるものが飛べるということについての確認はしていません。


そして、長い歴史がある以上、誰も疑っていないならそれは、きっと真実なんだろう。これを思い出してください。


だけど、ここまで読んでいておもいませんか?本当はだれが嘘をついているのか?


なぜ大人たちは歴史を勉強しろというのか?


いやそもそも地球の歴史なんていつからはじまったのでしょうね?私は生まれる前のことなんてはっきりわかりませんから。


だれが嘘をついていても信じるしかありませんよね。


では、先ほどの推論の答えは、どう考えれば、答えがえられるでしょうか?実はこの説明には、かなりの前置きが必要となります。


なぜなら、相当大掛かりなことをやらないと、こんな世界を構築することはできないからです。そのためには、ほかにも真実を知らねばなりません。


そして、そんな真実を構築できるほどの科学力があるはずがない。という思い込みを持たされているため、決して誰も思いつきません。


冗談にしか聞こえないでしょうけど、冗談ではありません。信じられないほどの科学力がすでに存在しているとしか考えられないのです。


そして最初に疑うのは、常識です。


では、話を戻して、「私たちが思っているより、わりと飛ぶことは簡単だという推論」


の答えはどうなるでしょうか?


ここからは、この推論の答えを導くための仮の説明だと思ってください。最終的にこれを実現させるためには、最後のほうまで読まないと理解


してはもらえないと思います。


まず私たちが、飛べない理由。それは、重力という力の存在です。


これは何から発生しているか?


答えは、万有引力の法則です。二つの物体は、そのお互いの質量の積に、比例して、距離の二乗に反比例する力で、引き合い続けるというものです。


ですが、こんなちから身近で、みたことありますか?


質量をもつものどうしがすべて


その状態に関係なく、ひきあうのなら、あぶなくて、水の入ったコップとコップを


ちかずけることもできません。傾いて、こぼれてしまうかも。


もちろんそうはなりませんし、こういうでしょう。


式に前からかかっている「係数の数字がすごく小さいため、かかる力は天文学的に小さい」と。


逆に、こう考えてはどうでしょうか?「天文学的に」とはいいかえれば「でたらめ」であり、「都合よくした数字」であると。


では、目の前で見たこともないようなその力があるとなぜ私たちは、信じているのでしょうか?


答えは簡単。「地球が、太陽の周りを回っているということと、地球自体が丸くて、自転している。その上に、人がたっていられるようにするには、


万有引力が必要だと学校で教わったからです。」


勘のいい人ならこれで気づくでしょう。この文章のどこかに嘘が隠されているのです。では、万有引力について考えを進めましょう。


すごく大きな質量をもった水のはいったコップとコップをちかずけたら、くっつきあってしまうかも?


現実には考えにくいですが、では、地球のまわりをそれよりもおおきな質量の隕石が、かすめたら、


すべての地球上の水はそちらにすいあげられてしまうかもしれません。


地球が生まれてから46億年だそうですが、そんなことは、なかったのでしょうね?地球のまわりにある


すべての成分はまだ十分に地球上に残っていますね。


しかし、太陽のまわりの円軌道上をいくつも星がまわっているわりには、ニアミスが起こらない。


それは、夜空に星がこれだけ見える割には、太陽系の周りを回っている星のかずはせいぜい一桁だからです。


これだけ大きくて特徴的な、永遠とも思える力を発生している太陽の周りにこれだけしか星がない。


不自然に思えませんか?


まるでそうでなければならなかったようです。苦肉の嘘だったのかもしれません。


言い換えれば、これだけ不自然なのにこの嘘を用いた理由は、それ以外の嘘がつけない状態だったから。ということになります。


ここまででいったん話を止めて、この先は次の章でお話しすることにします。


では、話を戻して、結局、万有引力が嘘であるということは、どういうことか?これを考えることで重力の本当の姿を明らかにすることにしましょう。


まず、この話が嘘だとすると、世界は、重力を持っているのではなくて、重力に見えるような力でもって、地面に引っ張られていると考え直します。


重力をまず取り除きましょう。そうするとどうなるか?


当然、ものは浮きます。


これはいわゆる宇宙がそうであるところの無重力状態というものです。


よく映像で宇宙の中を人が、宇宙服をつけて浮いているようなものをみかけたことがあるでしょう。


宇宙では、質点(質量を持った点)は力を加えない限り、その場所にとどまるという性質を持っています。つまり、すべての物体は、


浮いた状態であるということですし、その世界に方向は意味をなさないので、上も下もありません。ただどちらかを下ときめるなら


その方向が、かわるということはありません。具体的にいうと、それは、数学で習うxyz空間というものに似ています。


点をその中に書いただけでは、その点は、動きませんね。


そう、これが、私たちの住んでいる世界の本当の形なのです。この世界の外に別の世界はないのか?


そこに重力があるかどうかはわかりません。ですが、


この地球も含めて全閉空間が無重力なのです。この重力は、作られたものであるといえます。


では、ここに重力を発生させるには、どうすればいいか?重力とは、物体の質量に、加速度、一定値、9.8m/sec~2をかけたものです。


これは、質量がどんなものでも、(空気抵抗にまけないものなら、逆に言うとさっきの揚力を発生させるものでないなら。つまり空気に比べて


軽すぎないもの。)ある高さから落とせば、同じ時間に地面に落ちてくるということです。


この運動をどうすれば、無重力状態で実現できますか?


無重力状態で、手を離しただけの物体に速度がつくはずがありません。そこに静止ているだけです。


でも、相対速度は速くなっていく。そう相対なのですから、


ものが動いているのでないとすると、地面が動けばいいのです。


つまり、「重力方向逆向きに、地面のほうを、重力加速度でうごかせばよい。」これが答えです。


この場合、鳥や飛行機は、この重力加速度に抵抗できる加速度でいったん地面を離れたら無重力状態になりますので、


飛びつつけるのは、実は簡単なのです。用は、下から迫ってくる、大地に追いつかれないように飛んでいればいい。


しかも、無重力状態における、抵抗はなにもなく、いったん加速するとその速度は保持されます。つまり


時間がたっても遅くはならないので、すきなように速度を上げられるのです。用は、斜めに飛んでいれば、


地面に水平に飛べるということです。


ほかにも、これを実現できる答えがあります。


それは、


「遠心力」を利用する。


これは、なにか?


科学の時間に、バケツに、水をいれて、肩を中心に、円を描くように、振りまわすと、一番上のポイントで、バケツが地面に対して


さかさまになっているのに、中の水がこぼれないというのを見たことがあるでしょう。


このとき、円の中心から円の外側向きに、物体には、遠心力というものが働いていると習ったと思います。


これは、式で書くと、mrω~2 つまり、物体の質量×回転半径×角速度の二乗。角速度とは、つまり、回転が、どれだけはやくおこなわれるか


というのを数値にあらわしたものです。


直感でわかりやすく説明します。


スピートをあげて、急なカーブを車で曲がりきろうとすると、外側に引っ張られてしまい、曲がりずらい


という経験はないですか?これは、三つの要素から成り立ちます。ひとつは、道の曲がり具合に対する車の速度です。もうひとつは、円の半径、最後が車の重さ。


まず、道の曲がる角度が小さいとき、その円の中心を遠方にすれば、ぴったり円になりますから、


曲がる角度が小さいと、回転半径が多きいということです。これに対して、車の速度の大きさが大きいほど、車のハンドルは外側に取られます。


つまり、曲がり具合が一定だとすると、車の速度が増えると、ハンドルの切る量は増えるということです。直感的に正しそうです。


次に、車の重さが大きいほど、カーブは曲がりにくいというのはいいでしょうか?一度車に乗ってハンドルを切り比べてみるとわかるでしょう?


ゲームでも大きな車ほど曲がりにくいようにできていますね?


最後に、円の半径ですが、バケツに水を入れて、まわすとき、そのバケツを手で持ってまわすのと、バケツにロープをくくりつけ、それを手に持って、


ロープごとバケツを回すのと比べるとどちらが力を必要とするでしょうか?それを考えると、半径がおおきほど力も大きくなるということがわかると思います。


したがってこの三つをかけ加えたものが、だいたいこうなるというのはわかりますか?


この力は、私たちの身近でも観測されている実際にある力ということです。


それでは、この力を利用して重力を再現するとどうなるか?


大地のほうを、半径が一定の円周上を、一定の速度で、一定の力でもって中心に、ひきつけ続ける。これで、この大地上に、


あるいは、そのうえの物体すべてに、同じ遠心力が発生します。つまり、円の外側向き、大地から見ると重力方向に一定の力が発生する。


これは、質量を考えに入れないと、重力加速度が一定であるという意味です。


この場合は、鳥や飛行機はどうなるでしょうか?


これも簡単です。重力加速度の逆向きに同じ加速度で飛び立てば、つまり上にとびあがれば、あとは無重力状態ですから。好きに飛べます。


あと、飛行機も同じですが、これは真上に飛べませんので、大地の進行方向逆向きに同じ速度で、無重力状態となり、浮き上がります。


ちなみに、10年ほど前、私が乗った飛行機の飛び上がる瞬間の速度は、200km/hくらいでした。


つまり、そのときは、大地が、だいたいそれくらいで回っていたということでしょうか?


以上で、なぜ鳥や飛行機は飛べるのか、これの説明を終えることにします。




---二つ目の記憶 7才---


「ヘリコプターってなぜ浮いてるの。」


彼が、これを考えたのも、同じく子供のときである。最初にこの仕組みに似たものを見たのは、竹トンボであった。


竹トンボを、飛ばして遊んでいたのを今でもよく覚えている。なんども何度も、方向を変えては、風向きを探して、


よく飛ばすにはどうするかと思い、遊んでいた。


彼の使っていた竹トンボは、プロペラの部分の下に取り外し可能な、プロペラを回す棒のような部分がついている。


棒を、プロペラ部分の穴に差込、勢いをつけてまわしてやると、棒が、プロペラから離脱して、プロペラが空へと舞い上がるものであった。


何度も繰り返していると、何度か、偶然なのか、びっくりするような動きをすることがあった。


それは、「だいたい飛ばしたら、飛んで遠くに落ちるだけなのだが、たまに自分の近くに戻ってくるのだ。」


普通、勢いがなくなるはずなのに、それはそれどころか、離れていったときの速度よりもずっと早い速度で帰ってくることがあるのには、


彼は、非常に驚いていた。


帰ってくるときは、鋭利な刃物でもとんできたか?という感じの音がした。


家には、扇風機があり、よくある扇風機の羽の部分から出てくる風に向かって


口をあけて、「あああああー」という遊びをよくやっていたせいか、羽の形がねじれているということは知っていて、


その羽の形とよく似ていたので、こういうものは、回転すると、風をつくるんだと理解していた。


きっとその風で上に浮くんだろうというくらいの認識はあったと思う。


しばらくして、おもちゃ屋さんで、見つけたプラモデルを買ってもらった、それは、ミサイルを両翼に搭載した、


軍用ヘリコプターというものを模したプラモデルであった。あまりにかっこよいその形と、ミサイルが好きだったものだから、


彼は、自分の宝物にしていた。でもこのとき、彼も、考えてはいた。扇風機は、羽を下に向けても、まったく飛びそうにないということ


くらいはわかっていたので、竹トンボが軽いからとぶのだということに対して、ヘリコプターがなぜ飛ぶのが不思議だったが、それまでに


すでに、飛行機が飛んでいるため、まぁプロペラの回転速度が、速いならとべるのかなと間違った納得をしていた。


だが、これが後に、私が、世界を崩壊させる糸口になったものだった。


そう、このとき、彼も納得はしていたものの、直感では変だと、思っていたのである。


飛べる理由は、やはり同じです。答えは、地球の空が無重力だからです。


それでは、重力があるなら、このプロペラでは飛べないということをここで説明しましょう。


まず、扇風機を想像してください。羽の回転数を強めると、風の勢いが強まります。音も激しい音になると思います。


もしこの扇風機に、車輪でもつけて、氷の上においたとき、風の強さを、強くすると、扇風機が前にすすむことが予想できますね。


これは、威力と方向が違うものの、爆発などと原理は同じです。扇風機の羽を中心として、そこから空気を押し出す側に力が発生するのと同じだけ、


空気から扇風機が押されるわけです。


ここで、その押し出す空気の方向に、大きな壁を置いたら、扇風機の進み具合はどうなるか?押し出す空気に対して、壁で反射した空気に、扇風機は押されることになりますから、


その進み具合は大きくなると思います。


ここで重要なのは、押し出す方向に壁があると、より大きな力で前に進めるということです。


さて、方向を縦方向に戻し、重力の元で、ヘリコプターの動きを考えてみましょう。


今、地面が近いと上方向に得られる力は、つまり重力に対抗して、浮き上がろうとする力は、地面から離れるたびに、小さいものとなります。


なぜなら、壁で反射した空気の粒子が、再度、ヘリコプターにあたって、それを上に押す前に、重力に負けて、落ちてしまう可能性が高いから。


跳ね返る前の速度と、地面の反射具合によりますが、おおよそ、ヘリコプターが、ある程度の高さまで、飛び上がると、地面で反射した空気の


粒子に、押されることは、期待できなくなります。つまり、ある高さで急に力を得られなくなることが、考えられるのです。一部積山した粒子が高さを上積む


可能性は、ないことはありませんが。それも上積むためには、空気をピラミッド上に積山することになりますから、これもすぐ、限界になるでしょう。


空気はその場所でじっとしていられるほど運動エネルギーのない状態ではないのですから。すぐに拡散してしまいます。それに、


ヘリコプターがその積山された空気にたよっているのだとすると、そこからヘリが横に動くことができなくなります。


そうなると、ヘリコプターはある程度の高さまで来ると、あとは、プロペラが空気を押し出す力の反動だけで、重力に対抗しなければならない


ことになります。


そうだとすると、あの物体を、重力加速度であるところの9.8m/sec~2で、加速させ続けないと落ちてしまうということです。


これはどういうことでしょうか?


速度ではなくて、加速度ですから、もしこれが可能なら、つまり、空気を押し出す力の反動だけで、


これほどの加速度が得られるというのなら、ヘリコプターのプロペラがあれば、氷の上のような、抵抗がほぼ0な場所だと、


その速度は、この加速度であがり続けることになりますから、加速度×時間で速度がでますので、10秒後には1秒間に100mの速度に達するということになりますね。


たとえこれ以上、速度が上がらないとしても、時速に直すと、360km/h。計算間違っているかもしれませんが、あっというまに、F1カーを越えてしまいます。


こんな話ありえると思いますか?


その後もどんどん加速しますから100秒後にはこの10倍に、とあがっていくわけです。もちろん抵抗がほぼ0といってもないわけではないので、


理論的にも無理なのですが、それでも、あっというまに、ありえない速度になってしまうということです。


何がいいたいかというと、結局、あの大きな金属の塊をそこまで加速する力を、空気を押し出す反動だけで、あのプロペラが、作れるはずがない。


さらに悪いことには、ヘリコプターは、前に進むとき、あの大きなプロペラを使って推進力も得ようとしますので、それの分も引かなければならない。


とんでいることさへ危ういのに、その上さらに、推進力となると、縦横方向に、力を振り分けなければいけないので、むしろ、プロペラの力は弱まっているはずなのです。


となるとプロペラの回転数をものすごく上げていることになりますが、逆にそれができるようだと、氷の上ではもっと加速する高性能なものになりますね。


では、なぜ、それほどまでにありえないような高性能さを持たない、プロペラにそんなことが可能なのでしょうか?


答えは簡単です。推進力を得たいときには、すでに無重力状態で、とびあがるときほどには、上方向の加速度を必要としないので、横方向に回せる余裕ができたと


考えるほうが無理がないと思います。


では、無重力状態で、現在、どのように、ヘリコプターが飛んでいるのか?を考えるわけですが、それには、


どういう場所を飛んでいるのか?つまり、この世界の姿を考える必要性が出てきます。


次の章に進むことにします。




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