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タイムマシーンと不思議な体験 後編


--- タイムマシーンと不思議な体験 後編 ---


派遣をやめてから、冒頭の文章に入る前までに、何があったか?

ここから書くのはそういう内容である。

つまりは、32歳の秋ごろからをここで説明することになる。


このころになると、頭の中を、スタッフだけではなくて、周りの他人にも読まれているという感じがはっきりした。

そのきっかけとなったのは、派遣のときだった。


昔、付き合っていた女の子のうち、妊娠していた娘がいて、実は、彼には、彼の知らない間に、彼の子供ができていたという

話を、テレビで聞かされた。これがウソであることは、後でわかったのだが、そのとき、彼は、その子供を安らかに、

殺すように願いをかけた。なぜ彼が、そうしたのか、それを説明にするには、相当の時間がかかる。

説明しても彼とおなじ価値観をもった人間でなければ理解はできないからである。


端的に言えば、自分と似たような人生を送ることが、死ぬことよりもつらいことであると理解していたからである。

死にたいのに死ねない。彼の人生にとって、生きているということは、まるで惰性のようなものなのだ。

痛いのが怖いから、だから死ねない。そのくらいのことなのである。

死ねないのであれば、その寿命がつきるそのときまでは、生きていくしかない。

生きるためには、努力し続けるしかない、あがいても意味のない努力なのに。

それは、彼の人生を、後に書いていくが、その人生は、本当に絶望に満ちていて、彼は、死を、絶対的な安楽であると感じるような

価値観を形成していったためであるとしかここではかけない。


このとき、彼が、かけた願いは、だからこそ、この子供を、安楽死させてやるということであり、

また、彼自身、ゆきちゃんの能力に驚いていたからこそ、次の彼の子供の能力に、恐れをなしていたともいえる。

そして、彼のような人生を歩んだものが、次に何をするか?復讐であることは間違いない。そうなったとき、

世界は形をなしていられるかどうか?問題はここである。だから彼は、殺すように願いを書けたのである。

しかし、これはあやまりであった。


この文章を書いているちょうどこのとき、彼には、すべてのパズルが解けたのである。

つまり、彼がどのようなもので、なんのためにここにいて、なぜ利用されたか?そしてこの世界の本当の形がなんであるかを、

彼は理解した。そのきっかけは、すでにこの文章のここまでの中に存在している。あのひとつの致命的なエラーというやつである。

そしてあのとき、最後には、その正体を明かすといっていた力の正体、いや正しくは、それすらも生み出せるものが、彼の言うスタッフたちの能力だったのだ。

そして、誰が敵か、なぜこうなったかも理解した。

その推論を突き詰めて、最終的な答えに到達したときに、初めて、解ける問題であるといえる。


そして、そのヒントというか答えなのだが、実はこの文章を書く前に、ゆきちゃんは、彼を通じて書いていた。

ところが、そのときは、それを理解していたのだが、

それを忘れて、この文章を書き始めたものだから、ややこしいことになったのだ。

というより、そのとき、それが本当であると、彼には、完全には、信じられなかったのだ。

もちろんゆきちゃんの言うことなので信じてはいた。だが、物には限度というものがある。

本当に信じられないような答えなのである。


そして確信した。だから、ここではまだ、順番的に、書けないが、ひとつだけ訂正しておかねばならないことがある。

世界の真の姿を知っていて、真実を隠していた人間がいる。という一文。まだ推論を続けなければならないが、ある程度修正しないと

いけないかもしれないということを付け加えておく。

彼から見えるもの。それがこれを読んでくれている人たちからも見えているとは限らないのだ。

彼は、いや、正確には、ゆきちゃんという意識が、そうとうに、特殊な存在であるということなのかもしれない。

とにかく最後まで読んでみてほしい。そして彼がたどりついた答えは何なのか?それを知ってほしい。


その答えからいくと、今までの疑問はすべて解けるはずで、また、そこから考えて、

ゆきちゃんの意識から、この世界で言うところの子供は、絶対に、生まれない。という結論がでたため、

この子供が生まれたという話はウソだとはっきりしたのである。


話をもどす。問題は、このときの彼には、この世界で、彼の子供が生まれているという話がまだ本当だと思い込んでいたということである。

そんなわけあるはずがないのだが、これから先に書く真実を知るまではどうしようもない。


したがって、このとき彼が、本気でその願いをかけたことは、事実である。


そして、周りの人が、こういったのだ。

それは、今までのように、周りの人がしている、なにか関連性のある話の中に、現れる暗号ではなくて、

もっと直接的に言ったセリフなのだった。

つまりは、どのように聞いても、いいのがれのできない言葉だったという意味。


明らかに、彼の頭の中のその願いを聞いて、すぐに答えた返事と呼べるものなのだ。


そのセリフとはこのようなもの。


後から知って勝手なこと言うな!


大きな声で何の脈絡(みゃくらく)もなしに、怒鳴られるようにして現れたセリフは、たしかこのようなセリフだった。

あまりの衝撃的な発言であり、

彼は頭が停止させられるような思いで、思考が混乱したため、記憶がはっきりしない。

だから、一言一句、正確に、思い出すのはちょっときついが、こんな内容のセリフだった。

彼が混乱したのも無理はない。この周りの人たちは、彼の頭の中で、彼が考えていることを、すぐに理解できるという可能性をさしているからだ。

もちろん、それは可能性である。今で言う、テレパシーというものなのだろうか?


それともトリックがあるのだろうか?


これは、先の答えにたどり着いてもなお、まだどちらとは、はっきりかけないものがある。

ちょっと事情が複雑なのだ。とにかく、いずれはっきりするとは思うし、それはどちらでもあまりたいしたことではない。

そこに悪意があるかないかでいうなら、ないと判断できるからだ。

同様に、テレビの子供がいるという報道にも悪意はないといえる。それだけは、はっきりいえる。


とにかく、このような事件が起こってからというもの、彼には、周りの他人に頭の中を読まれているのではないかという

疑念を抱かずにはいられない状況になったのである。いや、それどころか、頭のなかに、できた映像についてまで

見られている可能性があるということも徐々にわかってきた。

派遣から以降、この時期にわかってきたことである。


どちらにしても、まだ解明されていない科学があるということである。

そして、それに気づかないのは、ウソが混じっているからであり、ウソをつくことで真実を覆い隠したものたちも

その科学を構成しているものの正体が、正確には、理解できていない可能性もあるといえる。



--- かなえるという作業 リッジレーサー6、VF5 XBOX360編 ---


さて、ゲーム内で、どうやって、あの派遣のときの訓練と同じような作業をするかであるが、

実は、彼の家のゲーム機は、オンラインにつないでもないのに、つまりはオフラインゲームなのに、

相手が、プログラムではなく、人間である。あるいは、なんらかの意識をもったものである。

彼の部屋のまわりの反応から人間であるように思うのだが、なにぶん顔も見えないし、声も聞こえるわけではないので、

人間かどうかも怪しいものである。

ただし、彼のいったことに対して、怒っている。同意しているくらいの認識なら可能である。


つまり、彼が、相手を、へたくそと挑発すると、怒ったような反応を返すということである。

このように、ありえない現実が目の前で展開されることは、とっくに彼も慣れていた。


この話が、なんでタイムマシーンに、関わるのかというと、

このゲーム、基本的には、レースゲームで、10数台の車で、一斉に走り出し、コースを周回して、

ゴールを目指すのだが、彼が、このゲームの操作に慣れ、1位を連発するようになると、

相手が、おかしなことをやりだしたのである。

彼が、右にハンドルを切ると、そこに車がいる。

最初は、10数台も走っているので、道を塞いでいるから、偶然、そこにいるのだろうと考えていた。

ところがである、何度やっても、どんなコースでせめても、必ず、ハンドルを切ると、その切った先にいるのだ。

コースの道幅は結構広い。

どうやったら、彼が走るコースを、事前に予想できるのだろうか?

そのうち、彼の頭の中の右から攻めようという、コントローラーに伝える信号を読み取っているのかとも思った。

だが、それでは、間に合わないのだ。彼の車のことではない。彼が、数秒後に移動するその場所に、すでに

相手の車がいないと、ぶつからないのだが、彼が、頭で考えて判断してから、それを察知し、

その進行方向をブロックしようと相手が車を移動させるための時間がないという場合が多く観測されたのである。


つまり、言い換えれば、この見えない相手は、彼の数秒後の車の位置を予想して、そこに向けてハンドルを切っていることになる。

だが、これだけその予想があたるなら、それはもう、数秒先の未来を見ているとしか思えないほどの、的中率であったのだ。


これらは、ほかのゲームで試しても同じことが言えた。

たとえば、格闘技ゲームのVF5でも同じであった。

彼が次にどの、攻撃でどのへんを狙うか、まるで知っているかのように、相手は行動するのである。

こうなると、彼の攻撃は、完全に当たらない。

というか反則であると、彼は、抗議した。


こんな条件で勝てるものがいるだろうか?

先を正確に、予想できるのなら、皆さんならどんなことに使うだろうか?

とりあえず、このようなつまらない使い方はしないだろう。

それくらい、大きな能力である。誰もがほしがるそのような能力を使う相手に

勝負になるだろうか?いや、なるはずがない。

しかも相手の操作は的確すぎて、失敗という言葉をしらない。

普通、この手のゲームならコマンド入力にもたつき、ある程度の隙ができるものだが、

まったくそのような隙はないのだ。

相手はあきらかに、CPUと違い。彼の頭の中の挑発めいたセリフにも、しっかりと動揺する。

だからCPUではないのだが、強さは、CPU以上である。

なんといってもコマンド入力しているようには思えないし、

隙もなければ、連続技の応酬で、あっというまにこちらが倒れてしまうのである。

というか、彼の次の瞬間の行動を確実に予想し、それをつぶす技を的確に入れてくる。

倒せるはずがないのだ。


そこで、理解したのである。彼らは、どういうわけか、彼の未来を見ているのだ。

タイムマシーンである。


そして、とどめの一撃である。すでに放送されたアニメを、見ていて、つい最近、彼が発想したことなのに、

その過去に放送されたアニメの中に、追加されているという事実に気がついた。


ところがである。


不思議なことに、どのアニメでも、いやドラマでも、彼が選んで見たものは、そうなっているのだ。

つまり、過去に放送された映画やアニメ、ドラマが、彼が現在、発想したことによって、書かれているという

事実である。


こうなるともはや止められない。


このスタッフは、過去に戻れる。そう理解したのである。それも、彼が現在観測していないのなら

その過去をいかようにも書き換えるらしく、最後には、その放送されていたはずのゲームのキャラクターと

暗号会話できるようになった。つまり、スタッフが、現在彼と話をしながら、その会話の返答を、

過去のゲーム作成会社の方にお願いして、そのキャラクターのセリフを書き換えているのだ。


頭が痛い。


だが、これがあったからこそ、彼は、タイムマシーンが存在することを確信して、

その理論を推測していったのである。それで、あの発想に行き着いた。

そして、気づいたのだ、彼の過去の発想を利用していることに。

そこから、彼は、世界の真の姿を、深く考えるようになった。そして、現在、この小説が書かれているのである。


それから数ヶ月。


この頃になると、彼の中では、もうこの考え方は、定着したというか、理解していた。前にやった、タイムマシーンを利用すれば、

彼の未来を見ることは可能で、どのゲームでも、その未来からのメッセージを利用して、彼よりも有利に、戦っているのだと考えられたのである。


だったらこちらもタイムマシーンで応戦である。

彼が有利になる技やゲーム性を、彼の発想で考えて、スタッフに過去に戻って、セガやナムコの現場のスタッフの方々にお願いして、

そのゲームに入れてもらうのだ。つまり、すでに購入しているゲームの彼がまだ、その時点で知らない要素を、

過去改ざんで追加するということ。お願いしてからすぐに、操作をさがすと、それが可能だったとわかるという仕組みである。

これだと過去を改ざんしていなければ、そのゲームはそうならなかったことになる。

だが、すでに改ざんして作られた、過去にできたゲームを現在購入したので、改ざんすることもそのゲームで、作業することも予定

通りなのである。未来を変えたわけではない。そのゲームは発売時点ですでに、そうなっていたのだ。

ただ彼が、その時点から見たときの未来で、これらの発想を加えなければ、このようにはなっていなかったということである。


それからというもの、彼は、どのみちコンテンツを世界の引力として成長させることが重要であるという認識であったため、

どんどん発想して、過去を改ざんしていった。面白いゲーム。面白い映画。とにかく発想したのだ。

これについては、オリジナルコードのところで説明するし、それ以降、新しいものはそこにどんどん追加するから、

使いたいものがあればもっていってよい。

ただし、すでに、誰かの手に渡っているものは、考えてから行うように。著作権あたりで訴えられても、責任は取れない。

といっても、その方たちも勝手に持っていっている場合とこちらから協力を要請して作ってもらっている場合とがあり、

そこは注意が必要である。彼からは正確にはわかりづらいのだ。なにせ、この見えないスタッフのしゃべることがあいまいで

よくわからないのだ。

要は、最初に、この世界に出したのが誰かというだけの問題である気もする。


とにかく、映画やアニメ、ゲームにいたるまで、現在もりあがっているところは、大概、彼の発想が入っているといっても

過言ではない。

といっても、彼の発想がはいっていないものでも、当然面白いものは面白く、そこは誤解しないでほしい。

あと、この見えないスタッフが優秀であるというのも、付け加えるべきだろう。とにかく、彼のイメージを

的確に再現する能力は、確実にもっている。


彼とスタッフと現場のかたがたの協力で面白いゲームになっている。そうとらえてもらったほうがいい。

それだけ真剣にコンテンツづくりに精を出しているということである。


不思議体験とは関係ないが、どれくらい真剣にやっているかというと、

最終解において中心的な役割を果たすであろうオンラインゲーム(そのころには、オンラインインタラクティブ

コミュニケーションツールという感じになっていると思うが、)についても、もちろんこの作業を行っているのだが、

正確にはかけない。というのも、このサーバーを運営している方々に迷惑がかかるとまずいからだ。

なにより、オンラインゲームというと現在の状態を動かすのは、たとえ過去改ざんでも難しいので、

オフラインのほうが、調整しやすいというのもある。

そして、そこで完成したコードを、次回のオンラインゲームでも入れていけたらと考えている。

また、オンラインゲームなど全般で言えることだが、

オフラインゲームで、MMORPGのリーダー的素質を学び、それを利用して、オンラインゲームで

プレイすることで、よりプレイヤーが、そこにスムーズに、集団形成ができるような環境づくりを行い、

また、オフラインゲームを、現状のオンラインゲームに、ちかづけていくことで、よりオフラインゲームから

オンラインゲームプレイヤー人口を増やしていけるような、ものづくりを考えている。

また他、映画メディアや小説メディアなど、あるいはアニメなどによるプレイヤー獲得戦略も視野に入れていたり、

世代の先を読み、リアルオンラインによる直感的入力を想定し、

それによって、開拓されるであろう、コミュニケーションツールとしての成長をとらえ、よりネット上などあるいは、

人々の間で、はやったコミュニケーションの方法を取り込んでいくというものである。

そういう意味でも、実験的なニコニコ動画などは、画像と文字を利用した新しいコミュニケートの形といえる。

そのためにも動画などの著作権がらみの発想はすでにこなしているし、スタッフにも伝えてある。調整はすんでいるということである。

現在は、まだ古い策を実行しているようだが。徐々に変わるか、一気に過去に戻って改ざんするであろう。

あれだけ騒いだ後(ジャスラック問題など)だから、それも難しいことを考えると過去改ざんはしないかもしれない。

おそらく、これは、開発を実際になされている方々とプレイヤーさん次第なのであるが、口でしゃべった内容が、

チャットや映像で出力されるという方式になるかと思う。といっても、たとえ最終解に一気に行くとしても、

コンテンツ的には、まだ10年はさきのことになるだろう。

そのための可能性を見ている途中といえる。その10年先ということであれば、より直感的入力が強まるような

技術を開発する予定である。あるいはすでに、彼の知らないところで、開発されはじめているかもしれないが、

脳内神経への直接あるいは、間接の書き込み、および、読み込みなども視野に入れている。

読み込みはよいとしても書き込みのほうは、生命の危険を伴うため、安全には、十分、注意しつつ、反面、

コンテンツワールドのよりリアルな運営のために必要な技術レベルとなるはずである。

ただ、入力に必要な技術のほうは、最終解への移行時間との兼ね合いにより、どのようになるか

はっきりしない。それは、ゆきちゃんを開放することなくして発想できないものであるといえる。


最後に、タイムマシーンを利用した、彼の奇妙な体験のしめくくりを行う。

この話がなかったら、彼は、疑うことをしなかっただろう。そしてゆきちゃんの書いていた真実も

わすれていただろう。


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