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9.汽車の煙の下で一服を

SLから吐き出された煙が風になびいている。

その煙の下でタバコの煙を吐き出す組長と古谷。

「ここ、吸っても大丈夫なの?」

里美が呟く。

「こんだけ煙が噴き出してるんだもん。大丈夫でしょ」

と、日下部。

「でも、ほら。あれ」

美子が指したところには“禁煙”の文字。

慌てて建物の陰に隠れる二人。

機関士も見て見ぬ振り。


汽車は再び時間を遡り走っていく。

ゆっくり、ゆっくり。

二人はまだ席に居ない。

「お客さん乗られましたか?」

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