前へ目次 次へ 11/36 11.蕎麦屋に並ぶ ここまでの道中、幾筋かの雨粒が車窓をかすめた。 改札を抜けて空を眺める。 「ちょっと怪しくなって来たね」 ペコが言う。 「怪しいけど、まだ降ってない」 組長が応戦。 「お昼はどうするの」 と、美子。 「いい蕎麦屋があるんだ」 そう言った組長に従い皆んなで歩き出す。 駅から徒歩十分程度。 《わへいそば》 昼時とあって、店先には行列が。 一行も列に並ぶ。すると、頬をかすめる冷んやりとしたものが。 思わず空を見上げて、手をかざす。