前へ目次 次へ 10/36 10.ビールは山ほどある 大量の土産品を買った客を売り子の女の子は覚えていた。 人数が足りない事に心配をしてくれているのだ。 「大丈夫。後ろの車両に乗ったから」 「それならいいんですけど」 間もなく、二人は席に戻ってきた。 「動いても居ないから売り子さんが心配してたよ」 美子の言葉に二人は恐縮する。 「ビール、まだあります?」 頭を掻きながら古谷が尋ねる。 「はい。山ほどありますよ」 にっこり笑う売り子さん。 そして、汽車は秩父駅へ到着した…。