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 煙草を吸い終り背を伸ばし、腰掛けていたソファーから立ち上がった。

「あ。ダイラン」

「なんだよ」

ティニーナは可愛らしい顔でニコニコして横に来ては、不機嫌なダイランの腕を引き耳打ちした。

ダイランは眉を潜めてティニーナを見てから吸殻を灰皿に放った。

「マジかよ」

「本当だって。パパがそう言ってた」

「俺はハノスの言葉全て信用しねえんだ」

「待ちなって」

場合に寄っては、半年後に処理B班も特Aに本格的に加わる事になるとの事だ。

「だから今の事件教えてよ」

ダイランは無視して歩いて行った。

 特A,処理Bは誰もが年齢の若い編成だ。上はコーサー、ソーヨーラの32、28のロジャーとハンス、ジョセフの26、ダイランの23、ジェーンの21、ティニーナの20で形成されている。若い者を募り、長い目を見て其々を精鋭人として育て上げ、将来の特Aエキスパートとしてその後の新人教育をしていく為だ。

 特Aが本格的に動き出すと言う事は、殺人課の事件も大多数を受け持つ事になる。共に、FBI末端捜査官である特Aチームの枠も当然広く関わる事になる。その事実は主任である彼のみ部長から知らされていた事でもあった。その身分では、部長が捜査官主任であり、彼等3人はその部下の捜査官にあたる。

それを知らされていない理由は、FBI側からの秘密裏のチーム編成である事と同時に、どうやらコーサーが何らかの横の繋がりを上司には言う事もせずに持っているらしい事を、ダイランも部長も悟っている為だ。FBIの情報が漏れるようでは困る。

「警部。気分でも害されたのですか?」

 フィスターが来て、ダイランは「別に」と素っ気無く言い、自販機で缶コーヒーを買った。

少女の自殺は気分がいい物では無い事は確かだ。

ダイランは一気に飲み干すと、ティニーナがフィスターに聞き込みを開始し始めたから叱り付けて追い返した。

「もう!特A捜査って秘守義務過ぎるんじゃない?!あたしは怒りに燃えて」

さっさとまた歩いて行ったから、ティニーナは怒った顔で手の平に拳を「ふん!ふん!」と打ちつけた。

 フィスターはダイランの背を上目で見上げた。

「警部」

ダイランは考え事をし、聞こえてはいなかった。

「警部」

ダイランの背を叩いて彼は怪訝そうに振り返った。

「あたし、この事件を絶対に許せません」

「分かってる」

そう言い、歩いて行った。フィスターはしばらく瞬きし頬を赤らめ、一瞬を置いてその背を追いかけた。初めて、彼の眉に力を入れていないという素の信じられない程整った顔立ちを見て、それは冷たい顔の印象に隠れたどこかやるせない感情を宿していた。

彼も深い怒りを感じているんだわ。こんな映像を無下に叩き付けて来た心無い犯人に。

彼が常に眉を潜めて常の険しい顔をしている時よりも、彼の表情の無い静かな顔は怒りに満ちて思え、フィスターはこの映像の件に言い知れないやるせなさを再び深く感じた。

だが、彼女は彼自身が犯罪者であった事実を耳に行く以外には知らなかった……。


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