色彩の称号=世の中そんな甘くない。激烈深紅の辛味
色彩の称号=世の中そんな甘くない。激烈深紅の辛味
自殺した映画俳優、ポッカー=ベレンの妻からの証言や新たに判明した事実についてを話し合っていた。
メキシコ料理店では椰子に囲まれた野外で、ファイアーダンスなども見ることが出来た。
「僕の調べでは、君の映像に関して分かった事はこの程度だ」
「にしても、専属的なデザイナーだったなんてこの繋がりは強いぜ」
ダイランは激辛サルサの皿を回して自分の前に持ってきながら視線を上げて言った。その事で2つの写真がラヴァスレッイリの前に戻った。
「ああ。この事についてどう反応するのか楽しみだよ」
ラヴァスレッイリは皿と間違えスプーンを食べ、それを出して白皿を食べ終えると言った。
「だが、この事をまだ知らなかったら?」
「可能性は高いが、長休みが過ぎるかな。奔放な性格だったという噂にしてもね」
ダイランはテーブルを回し、2つの写真を見下ろし見比べ、激辛の具材を挟んだ生地を大口を開けて食べた。
ダイランは激しくくしゃみをし、ラヴァスレッイリにぶん殴られた。
彼の顔に大々的な打撃、真っ赤なトウガラシのデスソースが具材と共にぶちまかれたからだった。
ラヴァスレッイリは顔を拭いダイランはくしゃみをしては喉をチリソースで焼きごほごほ咳をしていた。
メキシコ料理屋は色彩からして客が氾濫しギターとウクレレ男が歌っていた。
水を大量に飲み込んでは真っ赤な顔を上げた。ラヴァスレッイリはぬぐった布巾をテーブルに置き溜息を付いた。
「俺の料理全てのお前の口から放出された食材が混入してる」
「うるせえな可愛らしい俺の噂をしてやがる子女がどこかにいるからだ」
「お前の、せいって事じゃねえかそれじゃあ。の、馬鹿垂れが」
プライベートではお口がお悪いらしくダイランの顔に布巾を投げつけ呆れ返って短く息を吐き棄て首を振った。洒落たスリーピースの仕立ての良いスーツジャケットをスマートに着こなすが、その装わない口調の方がしっくりして見える鋭利な顔つくりだ。
「どうせさっきからうまそうに食って無かったんだから文句言うなよ無い物ねだりだぜ」
「もう食う気にもなれねえな。元乞食は3年何も口に入れなかろうが口元が寂しくならねえんだ」
「女のキスも知らねえ言葉だね寂しい野郎だ」
「黙れ……」
ラヴァスレッイリは乞食出とは到底思えない、仕草などの洗礼された風でフォークも放って足を組んだ。こいつの正体やたまに覗かせる不可解な雰囲気が掴めない男だ。
ダイランが聞いた。
「お前、恋人は」
「いない」
「乞食女今度紹介してやる」
「今は脱退したんだ乞食からはな。自分はどうなんだ?噂では女も作らない偏屈デカじゃねえか」
「俺達って良い男だよな。美人な女に好かれる顔なんだぜ」
ダイランはそう言って丸焼きで花に囲まれた豚の肉を口に放った。
艶めかしい色目のメキシコ女がダイラン達に色目を使って来ているのをダイランは手を振りウインクしていた。
ラヴァスレッイリはそのセクシー美女達を見てから振り返り、テーブルを回した。個室じゃ無いから余計騒々しい。頭は割れそうだ。そんな風も見せずにすましていた。
「お前、出身はどこだ?4年前は忘れたとかどうとかリーに言ってたな」
「さあ。海の国だ」
「ハッ強面の人魚でもあるまいし」
ダイランは呆れ返って花を口に放った。
店員の目を盗み、客達の足を掻い潜っては料理店に一匹の黒猫が忍び込んでいた。腹は極限に空いていた。
ラヴァスレッイリのスラックスの足を見つけるとそこへ歩いて行って、膝に飛び乗って来た。勝手に赤い斑点付きの白いテーブルクロスに黒い両手を掛け、ラヴァスレッイリの皿の中の物をぺろぺろと食べ始めていた。
ダイランはそれを見て驚いててんで自分の料理を野良猫に食われていると気付いていないラヴァスレッイリの顔にフォークを投げつけた。彼はダイランを睨み色つき眼鏡を外した事で下を見ると、自分の膝に飼い猫が乗っていて勝手に噴出された具の混入した料理を食っていた。
「お前の猫か?」
「ニャンベルだ」
「飼い猫まで乞食なんだな」
「ああ」
黒猫は「ニャーッ」と唸ってテーブルを飛び越え、ダイランの顔を引っ掻こうとした為に猫が潜入している事が店員にばれ、店を追い出された。
ラヴァスレッイリは猫の頭と顎を撫でてやってから地面に下ろし、歩いて行った。ダイランは食い遺した料理に憮然として歩いて行った。
ダイランは既に夜になった外気を見回すと黒猫が闇に紛れた方向から目を上げた。
例のポッカーもMM会員であり、MMがオーナーをしている世界中のクラブハウスの常連だった話だ。MMは麻薬を一切取り扱っていない。それだけは厳禁にしていた。個人でやるのは一切の勝手なのだが。それは有名な話だったようだ。
「ポッカー=ベレンは芸名だ。それで通り名もまかなっていたらしいから何かしらの他の繋がりもある筈だ」




