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色彩の称号=漆黒の狼

色彩の称号=漆黒の狼


 殺し屋シルバーウルフはMM趣味団体の通信に繋ぐとしばらくしてから繋がった。

「今忙しくて他件に向わなければならないから後で」

一方的に打ち切られ、彼は顔を動物の様にして鋭い眼を細めた。

彼はアングラ会員の近状を調べるとバイクを走らせる。MMから開催されるコンベンションは明日だった。

彼はMMアングラ会員内でも、バイクイベント・コンベンション・ルート66ツーリング、パフォーマンス、ウィスキーバーボン製造、武器、ハウスクラブ経営、バンド運営、牛革製品の日用品・バッグ・アクセ・製品・服、シルバー装飾・アクセ・日用品、ロイヤルブランデー葉巻・煙草、無人島サバイバル、島の購入、イベントオーナー、自然保護地区登録、爬虫類繁殖放流、希少動物繁殖放野、海洋生物繁殖放流、秘境巡り、……それらに殺しで稼いだ大金をつぎ込んでいた。

 同じく殺し屋でアングラクラブメンバーである連れのガイに連絡を入れると、彼は煙草を吸い尽くし食べてからブランデーの芳醇な薫りが広がった。

海岸線を走らせて行くとBarトライアングルに入っていき、女とたわむれるガイの首を引っ張って顔を向けさせた。

「よう。何だ海岸走ってたのか」

まだ夜気が彼を包んでいた。

「ああ」

「ねえ久し振りに飲んで行ってよ」

「仕方がねえな」

「お。珍しいじゃねえか。座れよ俺のおごりだ」

「はん、珍しいじゃねえか」

「たまには兄貴分の気前を見ろよ。まあダギアン達がいれば酷いからな」

「酷え話しだ」

いつもの様にそっくり言葉を返してやり酔い口のガイに調子を合わせ、それを見てくすくす女達が笑う。

「今夜は『街』に行くんだろう」

 MMが秘密裏でオーナーをする街だ。海岸線上のとあるコーナーを反れて走らせ行き着く山間に囲まれた小さな街だった。

犯罪者達が隠れ蓑にし、所属するロガスターの殺し屋達の溜まり場にもなっている。何でも揃い、名前もルールも無い街だ。

 MMネットワークは大きく幾つかの分野に分かれている。

開発・研究分野。ビジネス分野。社交分野。趣味分野だ。

ビジネス分野では、仕事・依頼・金融関係の銀行や融資などで、社交分野では文字通り大富豪MMとしての顔の売り込みとMMネットワーク会員の勧誘や王族・貴族達との交流や人探し、スパリゾート地設立など。

趣味団体の分野ではアングラ、アウトロー、庶民、一般、金持ち、富豪、ロイヤル、最上クラス、秘密会員に分かれていた。

開発・研究分野は海洋調査や宇宙衛星、大掛かりな施設や機械装置製造、大型建築物建立・リゾート地建設や宇宙・巡回施設などがある。

MMは利益の見込める有力な惑星をいくつか持っていた。巨大な宇宙開発施設を運営している。

MMプライベートから始動し始めたクルージングや島の買い付け、MMエアポートなどもあり、MMの活動の殆どが自分の趣味から世界発進させた物ばかりだ。

 その開発部の中に例の映像造りを容易にした高性能機器が揃い、それをアングラから秘密会員までをランク分けのジャンルしに、趣味団体会員のコレクション部門にしていた。

殆どのそれらのMMネットワーク上の物資、建造物、器材、用品、楽曲から食事、インテリア調度品……、何に至るまでMMネットワーク上の物を使用している為に、警察の足の着きにくい物ばかりだ。

他を信用しない質のMMは活動に関わる全てを自社生産している事になる。

 映像会員や茶会などの様に、全てを一部ランク付けしオーバーラップされているのは、趣味団体以外にも全てに関しての繋がりを持たせる為であって、強いネットワークが根付いている。

 この殺し屋が関わっているのはアングラ、アウトロー会員ぐらいなものだ。あとは銀行に定期的に預金を続けていた。

彼は馴染みの味ゴッドファーザーのグラスを傾け、ソファー背もたれに肘を掛け言った。

甘いアマレットの香りが鼻腔を着く。

「入居者が増える紹介話をホードーが聞いたらしい」

「謎の権利者がそう言うかなだ。相手はロガスターでも追われているって噂だぜ」

「あ。その話あたしがばらしちゃおーっと。情報部の男が最近あたしに着くの」

「駄目だ。綺麗所は男に酒注いでいれば良いんだからな」

「女な役回りね?任せてよ」

ガイは女にキスをしてから肩を抱いていたのをグラスに腕を伸ばし、彼に目を転じた。

「今夜、様子を見に行くのか?他に探らせておけよ」

「俺の範囲に引っかかるかもしれねえからな」

「全く、好きだねえ」

ガイはやれやれと笑ってから琥珀の液体の入るグラスに口をつけた。

「え?やっぱりあなた同性愛者?」

「おいふざけるなよ毎回」

「そうだぞこいつには糞美人な女が一人付いてるんだからな」

「ああそうだ」

「本気で怒るからからかい甲斐があるのよ。少年時代から変わらないわねえ」

「でも、噂じゃあその彼女に逃げられたんじゃない!」

「うるせえな……」

「じゃあ、たまにはあたしの告いだお酒位は飲む愛嬌見せてよ色男」

 引っ掛かる、というのは彼等のターゲット枠かどうかという事だ。

それらのターゲットを自然的に誘き寄せる鼠捕りの街でもあるからだ。確保しておけば将来引っ掛かる事もある。交渉次第で生かすこともあった。条件や厳密な話し合いに寄り、自分達の利益を考え隠れ蓑にさせるわけだ。今回の入居者もその類だ。

その為、ロガスターの上司には秘密裏で街入りさせ、影武者を用意する為に人身売買マーケットを常に把握する必要があった。

殺し側の仕事を疎かにするわけには行かない。

 事実まだ契約次第では分からない事だ。条件を飲まないのならば一斉の街中がサバイバルに回るのみ。

一人が来る時は、単独が殆どだが一団を引き連れての入居も多い。派手にどんぱちやれば、ロガスターに余興は大概にしろといちいち言われるが、無法地帯にしてもそれも囲われた街内だから見逃されている様な物だ。

「お前、Ze−nの動きは探れたのか?」

 ガイが声を潜め言った。

昔からほぼ同時期に機動を始めたアメリカ者の男で、闇市場を仕切るその人物の動きは探りつづけていた。

 シルバーウルフは相棒から連絡を受け雲隠れし続けていた正体は分かっていた。奴は姿を消したものを、まだ地下でそのマフィアは動いていた。

MMを付け狙い始めたそのジャッカル野郎を窺っている。シルバーウルフもMMと契約を結ぶ以上は、MMを破滅させるわけには行かずに一躍買わなければならない。

 Ze−nが再起動する際に金融の邪魔になるMMを排除する為、犯罪者と銘打ち追い掛け回しているに他ならないのだからそれを阻止する必要があった。

「今に姿を現す筈だ」

「一体何処の国に潜伏して姿の見えねえ部下共を動かしてやがるのか、全くくえねえ野郎だな」

ガイにはその正体を知らせてはいない。

 何度か発破を掛けさせる様、上にもとり合うべきだ。アメリカンマフィアのDDの存在もロガスターで様子を見られ始めている存在だ。何やら、ルートを大きく変動させては相手側は知らずにロガスターの研究開発物資の流れも悪くし始めている。

 シルバーウルフは相棒が、Ze−nが邪魔者になりロガスターに巨大な打撃的壊滅を与えられる前に、奴を組織に引き入れるつもりでいる言葉を聞き、即刻反対した。あんな危険な野郎は飼い慣らせる枠じゃ無い。確かに身体能力は長けているが、組織枠でも無い事は一目瞭然だ。殺し屋などやりたがる性分でも無いだろう。

「お前はどうするつもりだ?」

「再び闇に現れれば、即刻潰すまでだ。大々的な打撃を与える形でだ」

グラスを傾けると瞳を開いて煙を目で追った。

「何て言おうがな」

大人しく警官でも何でもやっていればいい。


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